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二章
一休みだよ!
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滞在場所として案内された屋敷があまりにも汚かったのでお掃除をした私達。だけど、掃除が一段落ついた頃には、すっかり外は暗くなってしまった。
時間がなくて完璧にはほど遠いけど、とりあえず過ごせるくらいには問題ない程度にはきれいになったね。
初見の時よりは見違えて綺麗になった正面ホールを見て私は腰に手をあて、うむ、と一つ頷く。
「きれいになったね」
「ああ、頑張ったなシロ。だがシロが埃だらけだ」
そう言ってパパが私のほっぺについた汚れをハンカチで拭ってくれる。ハンカチを常備してるパパ、いい男だね!
そして、パパはひょいっと私を抱っこした。
「もう日も暮れたし、風呂に入って飯食ってさっさと寝よう」
「は~い」
「「「は~い」」」
やたらと広いお風呂に入って体を綺麗にした私達は、食堂に集まった。
私もパパと手をつないで食堂の扉をくぐる。すると、一足先にいアニがこちらを見て目を見開いた。
「グハッ!! シロちゃん! かわいい……!!」
心臓の辺りを押さえて仰け反るアニ。
そんなアニを見てパパがドヤ顔をする。
「ふん、うちの子かわいいだろ」
「パパが結んでくれたの」
私もパパの真似をしてドヤ顔を披露した。
髪の毛を乾かした後、パパが私の髪をツインテールにしてくれたのだ。私のテンションを上げるためだろうけど、パパのストレス解消も兼ねてる気がする。殿下とパパは謁見に行ってたから、そこでイラッとすることでもあったんだろう。いつもよりも私の毛繕いが念入りだった。おかげで私の髪の毛もツヤッツヤよ。
食堂に子ども用の椅子はなかったので、椅子に座ったパパの膝の上に座らせてもらう。
「ちょこんと座るシロちゃんかわいい!!」
対面に座ったアニが叫ぶ。
「お前、どうしてそっちに座ってるんだ? どうせならシロの隣に座ればいいのに」
「兄さんは分かってないなぁ。隣よりも対面の方がシロちゃんのかわいいお顔がよく見えるでしょ?」
やれやれと、ジャスチャーつきで言ったアニにエルヴィスはイラッとしたようだ。
「ほー、そうか。じゃあ俺は隣に座ってシロにあーんでもしようかな」
「あ! 兄さんそれはズルイよ!!」
アニが立ち上がってエルヴィスに抗議をする。
うんうん、この騒がしさだよね。
初めて来る場所だけど、いつも通りの騒がしさが落ち着く。
ふぅ~とパパに体重を預けてくつろいでいると、同行してきた料理人さんがみんなの分のごはんをカートに乗せて持ってきてくれた。
「念のため料理人を連れてきて正解だったな」
上座を陣取った殿下が言う。
こちらで用意されていたのは滞在場所の屋敷と諸々の備品、そして食材くらいであとは自分でやれって感じだったからね。
殿下が料理人さんを連れてきていなかったら、今頃騎士さんや特殊部隊の隊員達で試行錯誤しながら料理をすることになってたね。騎士さん達の中にはある程度料理ができる人達もいるだろうけど、殿下のお口に入れられるレベルの料理ができる人はいないはずだ。
今も、殿下は一人だけ何食わぬ顔でコース料理を食べている。
「ん? なんだシロ?」
私の視線に殿下が気づいた。
「なんでもない。殿下のごはんおいしそうだなって思ってただけ」
「はは、相変わらず食い意地が張ってるな。本当はボクも皆と同じものを食べたいんだが、それをこの国の奴らに知られるとまたいらんことを言われるからな」
「殿下も大変だねぇ」
「分かってくれるか。そんないい子のシロにはステーキを一切れあげよう」
「わーい!」
てててっと殿下の足下に駆け寄り、上を向いてあーんと口を開けると、殿下がステーキを一切れ口の中に入れてくれた。
「ん~、おいひい。殿下ありがとう」
「ああ。リスみたいなシロもかわいいな。もきゅもきゅしているシロ、癒やされる……」
ちょっと虚ろな目で呟く殿下。
殿下もお疲れみたいだ……。
殿下にお礼を言い、パパのもとへ戻る。
すると、口の端にソースがついていたのか、パパが口元を拭ってくれた。
それから、夕食は和やかな雰囲気のまま終わり、シーベルト国一日目の夜はとりあえず大きな事件は起こらず更けていった―――
時間がなくて完璧にはほど遠いけど、とりあえず過ごせるくらいには問題ない程度にはきれいになったね。
初見の時よりは見違えて綺麗になった正面ホールを見て私は腰に手をあて、うむ、と一つ頷く。
「きれいになったね」
「ああ、頑張ったなシロ。だがシロが埃だらけだ」
そう言ってパパが私のほっぺについた汚れをハンカチで拭ってくれる。ハンカチを常備してるパパ、いい男だね!
そして、パパはひょいっと私を抱っこした。
「もう日も暮れたし、風呂に入って飯食ってさっさと寝よう」
「は~い」
「「「は~い」」」
やたらと広いお風呂に入って体を綺麗にした私達は、食堂に集まった。
私もパパと手をつないで食堂の扉をくぐる。すると、一足先にいアニがこちらを見て目を見開いた。
「グハッ!! シロちゃん! かわいい……!!」
心臓の辺りを押さえて仰け反るアニ。
そんなアニを見てパパがドヤ顔をする。
「ふん、うちの子かわいいだろ」
「パパが結んでくれたの」
私もパパの真似をしてドヤ顔を披露した。
髪の毛を乾かした後、パパが私の髪をツインテールにしてくれたのだ。私のテンションを上げるためだろうけど、パパのストレス解消も兼ねてる気がする。殿下とパパは謁見に行ってたから、そこでイラッとすることでもあったんだろう。いつもよりも私の毛繕いが念入りだった。おかげで私の髪の毛もツヤッツヤよ。
食堂に子ども用の椅子はなかったので、椅子に座ったパパの膝の上に座らせてもらう。
「ちょこんと座るシロちゃんかわいい!!」
対面に座ったアニが叫ぶ。
「お前、どうしてそっちに座ってるんだ? どうせならシロの隣に座ればいいのに」
「兄さんは分かってないなぁ。隣よりも対面の方がシロちゃんのかわいいお顔がよく見えるでしょ?」
やれやれと、ジャスチャーつきで言ったアニにエルヴィスはイラッとしたようだ。
「ほー、そうか。じゃあ俺は隣に座ってシロにあーんでもしようかな」
「あ! 兄さんそれはズルイよ!!」
アニが立ち上がってエルヴィスに抗議をする。
うんうん、この騒がしさだよね。
初めて来る場所だけど、いつも通りの騒がしさが落ち着く。
ふぅ~とパパに体重を預けてくつろいでいると、同行してきた料理人さんがみんなの分のごはんをカートに乗せて持ってきてくれた。
「念のため料理人を連れてきて正解だったな」
上座を陣取った殿下が言う。
こちらで用意されていたのは滞在場所の屋敷と諸々の備品、そして食材くらいであとは自分でやれって感じだったからね。
殿下が料理人さんを連れてきていなかったら、今頃騎士さんや特殊部隊の隊員達で試行錯誤しながら料理をすることになってたね。騎士さん達の中にはある程度料理ができる人達もいるだろうけど、殿下のお口に入れられるレベルの料理ができる人はいないはずだ。
今も、殿下は一人だけ何食わぬ顔でコース料理を食べている。
「ん? なんだシロ?」
私の視線に殿下が気づいた。
「なんでもない。殿下のごはんおいしそうだなって思ってただけ」
「はは、相変わらず食い意地が張ってるな。本当はボクも皆と同じものを食べたいんだが、それをこの国の奴らに知られるとまたいらんことを言われるからな」
「殿下も大変だねぇ」
「分かってくれるか。そんないい子のシロにはステーキを一切れあげよう」
「わーい!」
てててっと殿下の足下に駆け寄り、上を向いてあーんと口を開けると、殿下がステーキを一切れ口の中に入れてくれた。
「ん~、おいひい。殿下ありがとう」
「ああ。リスみたいなシロもかわいいな。もきゅもきゅしているシロ、癒やされる……」
ちょっと虚ろな目で呟く殿下。
殿下もお疲れみたいだ……。
殿下にお礼を言い、パパのもとへ戻る。
すると、口の端にソースがついていたのか、パパが口元を拭ってくれた。
それから、夕食は和やかな雰囲気のまま終わり、シーベルト国一日目の夜はとりあえず大きな事件は起こらず更けていった―――
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