190cm越えの猛獣3人に「共有」される

Aki

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6隠れ家と告白

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20時00分。
バレー部の練習が終わると、外はすっかり夜の闇に包まれていた。
1年で片付けを行いシャワーを浴びる。
クタクタになったものの、急いで身体を支度をすませカイと校門へ向かう。
街灯の下に巨大な影が2つ、並んで待っていた。

「お疲れ、アカシ・カイ」
「遅かったな」
「ワリィ、行こうぜ」

カイ、ソウ、ダイチ。
190センチ級の三人が並ぶと、校門が小さく見えるほどの圧迫感だ。
俺たちはコンビニで買い出しを済ませると、学校から少し離れた山際にある「廃校舎」へと向かった。
俺たちが通う高校は2年前から3つの高校が合併してできた新設校で校舎自体もまだ新しい。
使わなくなった廃校舎は3つ。そのうちの一つが歩いて行ける距離にあり、今は封鎖されている。

そこは地元でも有名な心霊スポット……ではなく、立ち入り禁止のフェンスが破れた、3人の隠れ家として使われていたらしい。

「ここ、久しぶりだな」
「雑草伸びたなー」

廃校舎の校庭。
かつて学生たちが走り回っていたであろう広いグラウンドのど真ん中へ案内された。

「夜になると星が綺麗に見えるんだ」

カイは用意していた特大のブルーシートを広げながら教えてくれた。
特大のブルーシートでも190オーバーの三人が横たわればギリギリだ。

「これ三人でギリギリじゃない?」
「とりあえずアカシは真ん中な」
「俺がアカシの後ろに座る」
「じゃあ、アカシとダイチが真ん中、カイは左、俺が右に寝る形にしようぜ」

ブルーシートの真ん中にスラックスにワイシャツ姿のダイチが長座になって軽く足を開く

「アカシ、ここ座れよ」
「う、うん」
今朝や体育の授業のことが思い出される。
凶器のような大きさのダイチのところへお尻を近づけても良いのだろうか。
そんなことを突っ込む雰囲気でもなく、おとなしく俺は尻をダイチの前に下ろして座った。
俺の左にはカイ、右にはソウがそれぞれ座り込み、4人で空を眺める。

「うわ、すげー……!」

視界いっぱいに広がる星空。
周りに明かりがない分、星の輝きが痛いほど目に刺さる。
暗いはずなのに、星あかりと目が慣れてきたおかげで3人の顔がしっかりと見える。

「綺麗だね」

俺が呟くと、隣に座っていたカイが、そっと俺の手を握った。

「ああ。……綺麗だ」

カイの声は、星空ではなく、明らかに俺の方を向いていた。
冷たい地面の感触と、左右と背後から伝わる男たちの体温。
俺の左手はカイに握られ、背後はダイチが守り、右手をソウがいじり始める。
逃げ場のない配置。
静寂の中、虫の声だけが響く。
不意に、カイが口を開いた。

「なぁ、アカシ。……俺たち、ずっと我慢してたんだ」
「え?」

俺が星空から視線を外してカイを見ると、彼は真剣な眼差しで俺を見つめていた。

「友達として、一番近くにいたかった。でも、もう無理だ」

カイが俺の手を強く握り締める。

「俺、お前が好きだ。……友達としてじゃなくて、男として。誰にも渡したくないくらい、独占したい」

心臓が跳ね上がった。
カイからの、あまりに真っ直ぐな告白。
なんとなく感じていたことが現実になった瞬間だった。
言葉を失っていると、今度は右側のソウが俺の手を引っ張り顔を向けさせた。

「カイだけじゃねーよ」

ソウの顔が目の前に迫る。ニヤニヤとした笑みは消え、そこにあるのは飢えた獣の目だ。

「俺もだ、アカシ。お前のその無防備なとこ、全部めちゃくちゃにしてやりたいって、ずっと思ってた」
「ソウ……?」

「……俺も」

背後から、重低音が響く。
ダイチだ。
彼が俺の顔を両手で挟み込み、覗き込んでくる。
その瞳は暗く、深く、底知れない熱を帯びていた。

「俺も、アカシが欲しい。……他の奴に触らせたくない。俺だけのものにしたい」

三者三様の、けれど同じ熱量を持った告白。
リーダーシップのあるカイの独占欲。
攻撃的なソウの支配欲。
寡黙なダイチの執着。

「ちょ、ちょっと待ってよ……三人とも、急に何言って……」

俺の声は震えていた。
冗談だと言って欲しかった。
でも、俺の手首を掴むカイの力も、太ももを撫で上げるソウの手も、頬を包むダイチの熱も、すべてが現実だった。

「選べなんて言わねーよ。俺たち約束したんだ。」
ソウが笑う。

「俺たち三人でアカシを共有(シェア)するって約束」
カイが優しく、けれど逃さないように囁く。

「共有(シェア)?」
一瞬意味がわからなかった。

「アカシはきっと一人を選ぶことはしない。だから、俺たち全員でお前のことを愛するって決めたんだ。」
ダイチが告げる。
全員で愛する。
その言葉に俺はどうしたらいいのか思考が止まりかけていた。

星空の下、広い校庭のど真ん中。
誰の助けも来ないこの場所で、俺は巨大な三人の男たちに完全に包囲されていた。

どうしてこうなったのだろう。
俺の思考は、周りを取り囲む3人の熱気と湿気でショート寸前だった。
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