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復讐者×破壊の神×転生チート
エルフ実業家ヒースロー1
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俺の名前はカナタと言う。苗字は冥界の破壊神と契約した時に奪われてしまった。
そもそもカナタと言う名前が転生前からの物かどうかすらもう覚えていない。
しかし異世界転生者であるということは覚えている。
地球のあった世界からファンタジー風の世界レイヴンクロウへと、俺は転生した。
それは確かにあったことだ。
女神を自称するよく分からないものから適当なチートを貰い、冒険者として仲間と共にそこそこ楽しくやっていた。
勇者エイワ―ズのパーティーに仲間を殺されるまでは。
魔王を倒すことの出来る聖剣を巡って争いがあったという話だ。
伝聞になるのは俺がその時その場所に居なかったためだ。
ただ一人生きて帰ってきたリーダーの剣闘士にその話を聞いたが、リーダーはその時の傷のせいで程なくして命を落とした。
俺は待った。もしかしたら誰かリーダーのように帰ってくるかもしれない、とあり得ない妄想に取りつかれて、聖剣が眠っていたバッカスの塔の近くの村で待ち続けた。
しばらくして、勇者エイワ―ズが魔王を討伐したという知らせがやって来た。
世界を上げてのお祭り騒ぎの中、俺はもう一度仲間に会いたい一心で、冥界に繋がると言われる洞窟へと足を運んだ。
そして破壊の神とその従僕であるイリスと出会い、ある残酷な光景を見た。
………………
……………
…………
………
俺は今、エルフの国『ラプンツェル』その中央都市であるエルマーにいる。
冥界の住人イリスと幼馴染のルーミアを伴って。
エルフの国と言うくらいだから見た目人間族である俺たち三人はもしかしたら浮くかもしれない。
そう思っていたが、それは杞憂だった。
路地を歩いていて目に付くのは人間族が半分、エルフがその半分、その他獣人族などの亜人種がエルフと同じくらいの割合だった。
エルフの国と言いながらも人間族が圧倒的に割合が多かったのだ。
「短命種の方が種の繁栄に熱心ですから」
イリスはこの光景を目にしてそう評した。
ところで浮く浮かないの話で言えば、常にメイド服姿のイリスは多少浮いていた。
黒いショートカットに白いヘッドドレスが完璧に似合っていたが、天下の往来でそのような格好をする人間族はファンタジーな異世界でもそうそういない。
だが、それは些細なことだ。服装の強要なんて俺はしたくない。
ただ、裸に近い恰好で歩いていた獣人族とすれ違った時は服を着ろ! と言う声が出かかった。
それに比べればメイド服姿などあまりにも些細な問題である。
「さて、ヒースロー商会はここか」
目的地である建屋にたどり着く。
中央都市エルマーの中でもとりわけ大きな通りの、やたらとでかい建屋だった。
『万人に開かれた場所 ヒースロー商会』の看板とともに、耳をぴんと尖らせ顎髭を生やした気難しそうなエルフの肖像画が飾られている。
「これがヒースローなのか?」
俺は肖像画を指さしてルーミアに尋ねた。
「そうですわね。一年前は顎髭なんて生やしていませんでしたけれど」
ルーミアが若干引き気味に答えた。
「難しい性格をしていましたが、こうなるとは予想外ですわ……」
「まあ魔王討伐の勇者パーティーともなればそんなもんだろ。強い達成感、高まる自己承認。おまけにヒースローはその名声をこうして金に換えてるんだから、そりゃもう彼の頭の中の自分は大変なことになってるだろうな。で、ヒースローに精神魔法とかでコンタクト取れないか?」
「わたくしの精神魔法は呪印を刻んだ相手にしか通じない程度のものですから……ヒースローはパーティ解散した時に呪印破棄していますし」
「まあ、それならそれでもいい。とりあえず正面から行って会えないかどうか聞いてみよう」
門に手をかける俺の手を留めるように、イリスはそっと手を重ねた。
「ところで、今回はどうなさるおつもりですか? まさか、白昼堂々ヒースローをどうにかするわけじゃありませんね?」
「勿論だよ。物騒なことなんかあるわけがない」
俺は門とイリスから手を放して言う。
「俺たちはヒースローにお願いをしに来たんだ。ルーミアと彼のかつての仲間、拳聖オーギュストが、これまた彼らの元仲間である弓術士のシュリファによって殺害されたから、冒険者ギルドにお尋ね者として手配してほしいってね」
俺は利用できるのであれば仇だって利用する。
ルーミアがそうであるように。
俺の顔に、抑えようのない歪な笑みが浮かんだ。
そもそもカナタと言う名前が転生前からの物かどうかすらもう覚えていない。
しかし異世界転生者であるということは覚えている。
地球のあった世界からファンタジー風の世界レイヴンクロウへと、俺は転生した。
それは確かにあったことだ。
女神を自称するよく分からないものから適当なチートを貰い、冒険者として仲間と共にそこそこ楽しくやっていた。
勇者エイワ―ズのパーティーに仲間を殺されるまでは。
魔王を倒すことの出来る聖剣を巡って争いがあったという話だ。
伝聞になるのは俺がその時その場所に居なかったためだ。
ただ一人生きて帰ってきたリーダーの剣闘士にその話を聞いたが、リーダーはその時の傷のせいで程なくして命を落とした。
俺は待った。もしかしたら誰かリーダーのように帰ってくるかもしれない、とあり得ない妄想に取りつかれて、聖剣が眠っていたバッカスの塔の近くの村で待ち続けた。
しばらくして、勇者エイワ―ズが魔王を討伐したという知らせがやって来た。
世界を上げてのお祭り騒ぎの中、俺はもう一度仲間に会いたい一心で、冥界に繋がると言われる洞窟へと足を運んだ。
そして破壊の神とその従僕であるイリスと出会い、ある残酷な光景を見た。
………………
……………
…………
………
俺は今、エルフの国『ラプンツェル』その中央都市であるエルマーにいる。
冥界の住人イリスと幼馴染のルーミアを伴って。
エルフの国と言うくらいだから見た目人間族である俺たち三人はもしかしたら浮くかもしれない。
そう思っていたが、それは杞憂だった。
路地を歩いていて目に付くのは人間族が半分、エルフがその半分、その他獣人族などの亜人種がエルフと同じくらいの割合だった。
エルフの国と言いながらも人間族が圧倒的に割合が多かったのだ。
「短命種の方が種の繁栄に熱心ですから」
イリスはこの光景を目にしてそう評した。
ところで浮く浮かないの話で言えば、常にメイド服姿のイリスは多少浮いていた。
黒いショートカットに白いヘッドドレスが完璧に似合っていたが、天下の往来でそのような格好をする人間族はファンタジーな異世界でもそうそういない。
だが、それは些細なことだ。服装の強要なんて俺はしたくない。
ただ、裸に近い恰好で歩いていた獣人族とすれ違った時は服を着ろ! と言う声が出かかった。
それに比べればメイド服姿などあまりにも些細な問題である。
「さて、ヒースロー商会はここか」
目的地である建屋にたどり着く。
中央都市エルマーの中でもとりわけ大きな通りの、やたらとでかい建屋だった。
『万人に開かれた場所 ヒースロー商会』の看板とともに、耳をぴんと尖らせ顎髭を生やした気難しそうなエルフの肖像画が飾られている。
「これがヒースローなのか?」
俺は肖像画を指さしてルーミアに尋ねた。
「そうですわね。一年前は顎髭なんて生やしていませんでしたけれど」
ルーミアが若干引き気味に答えた。
「難しい性格をしていましたが、こうなるとは予想外ですわ……」
「まあ魔王討伐の勇者パーティーともなればそんなもんだろ。強い達成感、高まる自己承認。おまけにヒースローはその名声をこうして金に換えてるんだから、そりゃもう彼の頭の中の自分は大変なことになってるだろうな。で、ヒースローに精神魔法とかでコンタクト取れないか?」
「わたくしの精神魔法は呪印を刻んだ相手にしか通じない程度のものですから……ヒースローはパーティ解散した時に呪印破棄していますし」
「まあ、それならそれでもいい。とりあえず正面から行って会えないかどうか聞いてみよう」
門に手をかける俺の手を留めるように、イリスはそっと手を重ねた。
「ところで、今回はどうなさるおつもりですか? まさか、白昼堂々ヒースローをどうにかするわけじゃありませんね?」
「勿論だよ。物騒なことなんかあるわけがない」
俺は門とイリスから手を放して言う。
「俺たちはヒースローにお願いをしに来たんだ。ルーミアと彼のかつての仲間、拳聖オーギュストが、これまた彼らの元仲間である弓術士のシュリファによって殺害されたから、冒険者ギルドにお尋ね者として手配してほしいってね」
俺は利用できるのであれば仇だって利用する。
ルーミアがそうであるように。
俺の顔に、抑えようのない歪な笑みが浮かんだ。
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