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大事なものを守るため
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しおりを挟むホテルのエレベーターに乗るとそれは直接客室に繋がるエレベーター。
明は私の腰にギュッと掴まって・・・私は明を壁に押し付けるようにして昌也から遠ざけた・・・・。
12階に着くと扉が開き、昌也は笑って・・・。
「さぁ、降りて?」
明を抱っこしたまま降りると昌也も降りて来てまた歩き出した。
・・・・・・。
なにこれ・・・。
なんなの???
「ママ・・・・」
明が震えて私の手を握った。
「大丈夫よ・・・・」
それは・・・明にも・・・私にも・・・言い聞かせるように・・・・。
絶対大丈夫・・・。
何があっても私は貴方を守る。
廊下を歩き奥の部屋の前に立つと昌也はカードキーを出すと、扉に差し込んだ。
ガチャッ・・・とドアが開くと、
「入ってください」
部屋は、広いスイート???
確か・・・親が・・・代議士だって・・・前に淳君や達也君が言ってたけど、まだこんな事やってるの?
部屋には仲間はいないようで静か・・・・。
昌也は部屋のソファーに腰掛け、
「さぁ、・・・淳と蓮見が何処にいるか教えてください」
そう言って煙草を吸った。
私は明の口を塞ぎ、
「てか・・子供の前でタバコ吸わないで・・・あの子達の居場所は知らない・・・あれから連絡とってないし・・・」
「あー・・ごめんねぇー・・僕、煙草吸わないとイライラしちゃうんだよねぇー・・・由美さんは嘘下手だねぇ、もう嘘ばっかじゃん!!!!ね、君はパパに会ってるのかな???」
ヘラヘラ笑って私達に近づき・・・・明を見てまた煙を吐いた・・・・。
「もう止めて!子供は関係ないっ・・・」
明を抱っこしたまままた離れてそう言った。
「えーー、でも可哀そうじゃん!パパ逢いたいよねぇ??」
なっ・・・・・何言ってんの????
昌也はまた笑って、奥にある扉の前まで行くとその扉のドアノブを持ち
「パパが待ってるよ??メーーーイーーーーちゃん!」
え・・・・????
ドアがゆっくり開き、明はギュッと私にギュッと掴まって、
「・・・・パパ・・・・・」
そう言ったの・・・・。
「止めて・・・居るわけないじゃない!!何言ってんのッ???」
私が言うと昌也は笑って、
「じゃぁ見てみたら???・・・居るから・・・・・・」
・・・・・・・。
私は明を抱っこしたまま・・・昌也とは距離を取りながら、扉の方へ・・・・・。
まさか・・・。
そんな事は・・・・。
ゆっくり中を覗くと、
嘘・・・・。
—湊side
祐司さんが調べてる間俺はデスクに戻って仕事を片付けた。
「拓海~・・・・俺ちょっと出てくるから、・・・・後頼んでいい~???」
パチパチとキーボードを打ち込み言うと・・・・。
拓海は顔を上げて・・・・。
「何かあった?」
「あ~・・・、兄貴のパシリ・・・・さっき兄貴からまたラインが来て、なんか蒼太さんと半次さんと達也さん東京寄るらしい・・・明日だけどっ!!!」
俺がそう言うと奥に居た健二も顔を上げて、
「えっ??半次さん達どっか行ってんの???」
「兄貴に会いにね~・・・でもちょっと問題あり!!!・・・よし・・・俺もう行くわ!!!」
PCを閉じて立ち上がった。
すると受付の方から祐司さんが来て、
「湊・・・由美さんの自宅は麻布だ・・・・事務所は目黒・・・でもいい情報が見つかった・・・・。」
麻布と目黒か・・・・・。
「でも他にも情報が入って・・・・以前凛さんを追っていた記者がたまたま由美さんを乗せた車を渋谷で見たそうだ・・・・。飯田社長が連絡を貰ったらしい・・・・様子が変だったからとわざわざ連絡をくださったと・・・・・。」
渋谷?
「渋谷の・・・・コンチアードホテルだと・・・・車はレンタカーだったそうだ・・・・」
コンチアード・・・・・。
駅の直ぐ近くだったような・・・・・。
「分かりました・・・・行ってみます・・・・。」
—由美side
・・・・・・ッ?????
寝室のベットの脇に居たのは・・・・。
昌也はその部屋に入って来て、ベッドに腰かけ・・・・。
「ねぇ・・・ちゃんと明ちゃんに会わせてやんなってー・・・」
そう言ってゲタゲタ笑ってベッドに転がった・・・・。
明を抱えたまま部屋を出て
「明・・・・貴方は直ぐに逃げなさい・・・」
「ママッ・・・直ぐに戻る??」
涙をボロボロ流し・・・そう言ったの。
「大丈夫よ、ママも直ぐに行くから・・・明はママが立ち上がったらあの扉を開けて逃げるの。・・・ね??・・・明・・・・大人に助けてって言って・・・・」
涙を指で拭くと明は何度も頷いた。
昌也は寝室・・・・。
私は振り返って寝室に戻って・・・・。
ドアを閉めた。
「あれ~?感動の再会しないの?明ちゃんパパに逢いたいんじゃない???」
昌也はベットに勢いよく腰掛けて笑って言った。
・・・・・・。
こんな姿・・・・。
見せられるわけないじゃない・・・・。
「・・・翔太・・・・」
グッと下で拳を握ってその名を久しぶりに呼んだ。
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