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小さな事件簿
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しおりを挟む凛を達也に見ててもらい、半次と涼がいる軽の方に行くと・・・・・もう既に車から引きずり出されている後部席の男。
コイツ何処かで見た事がある・・・・・。
俺は地べたに転がっていたその男を掴み、
「おい・・・・凛に何した?」
そう言うと、その男はニヤニヤ笑って
「お前だってやってんだろ?・・・・ハーブだよハーブ・・・・」
ハーブだとっ?!
俺はその男の顔をジッと見て、
「おい・・・・・いい年して、そんなのやってるな・・・やるなら勝手に自分等だけでやってろ!関係ない奴を巻き込むな」
そう言うと、
「・・・・・・お前は・・・・何でそんなに格好良いんだ?・・・・昔から、見た目だけじゃなくて・・・正義感が強くて真っすぐで・・・悪さをしてそうでしてない・・・一体何なんだよ」
そう言ったんだ。
俺は別にそんな凄い人間じゃない。
ただ・・・・。
「人を騙すな・・・それだけだ、悪いけどこのままお前等を帰せない・・・・直ぐに警察官が来るから勝手に捕まれ!」
そう言ってそいつを離した。
顔を上げるともう大和が来てくれてて、凛の脈を図っていた。
「大和・・・・少しだけハーブ吸わされたみたいだ・・・・」
俺がそう言うと、大和は持ってきた水を凛に飲ませ
「多分大丈夫だと思うよ・・・一応診療所行ってー・・・血液検査と尿検査しておこう・・・少し脱水気味だから点滴打って様子を見よう・・・・」
俺は運転席に乗り、涼と達也はそのまま琢磨を待つと言ってくれて・・・半次は大和の車に乗り俺は凛を乗せ大和の診療所に向かった。
凛は少しグッタリしているが、水を飲みながらずっと俺を見てきた。
俺も凛の手を握りながら運転をし
「大丈夫か?・・・もう直ぐそこだから・・・・」
そう言うと、
「だ・・・だいじょ・・ぶ・・・・」
診療所には10分ほどで到着。
「んー・・・・・尿検査では特に問題ないかな・・・・血液検査はまた後日!でもー・・・吐き気も治まったみたいだし、一応薬出しておくから3日間飲み切って?」
凛はベットで横になりながら点滴中。
大和はニッコリ笑って
「声も出るし・・・明日食欲があれば略問題ないよ!ハーブも吸い込んでないみたいだし・・・匂い嗅いだ程度みたいだから良かったね・・・・・」
ハァァ・・・。
良かった・・・・・。
診察室の外で看護師さんに薬をもらっていると、半次が歩いて来た。
「あー・・・半次ごめんな、迷惑かけちゃって・・・・」
そう言うと、半次はニッコリ笑って
「イヤイヤ、マジでよかったよ・・・・声も出る様になったしさ!」
「あぁ、・・・本当・・・・沖縄に来てよかった・・・・」
凛が居なくなったって分った瞬間はかなり焦ったが・・・・まさかこのタイミングで声が出るなんて。
「なぁ、年明けの石垣・・・蓮見に聞いておいてな?」
と・・・半次!
てかー・・・コイツ本当凛大好きだなー・・・。
全く・・・・。
「分かったよー・・・てか、石垣でお前ら何処泊るの?」
半次は笑って、
「今回はインターコンチ!俺等は2ベットルームの部屋押さえた!」
あー・・・インターコンチか・・・・。
「わかった、ちょっと凛に聞いて大丈夫そうだったらホテルも確認する!」
凛の点滴が終わるのを待ち、病院を出たのは0時を回っていた。
お気づきだと思いますが、勿論凛は・・・・。
就寝。
せっかく声が聞けて・・・ってところだが、無事で居てくれて本当に良かった。
凛をベットに寝かせ、スース―と寝息を立てて眠る凛の頬を撫でた。
俺はクローゼットの奥にしまっておいたあの・・・小さな紙袋を出して、その中から小さな箱を出し・・・この前銀座で買った・・・凛が大好きなヴァンクリーフの・・・・指輪。
それを凛の左手の薬指にはめ、手を撫でた。
「結婚しよう・・・・・・・・」
そう言って凛の唇にキスをした・・・・・。
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