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カロクは突然のクラウスの訪問に戸惑っていた。そのハシバミ色の瞳は険しく歪められ、友好的な色は見えない。
傍に侍る魔族達も、警戒するようにクラウスを見つめたまま、カロクを守るように身を寄せた。
「‥‥魔族か。」
クラウスの目が眇られる。
そんなクラウスの様子に、ビクリとカロクは肩を竦めた。
「クラウス様‥!!」
ようやく追いついたローレンスが、クラウスを呼ぶ。その声にクラウスは一瞥だけくれると、そのままズカズカと入室してきた。
「‥‥っ、ダメだよ‥。」
魔族達の警戒が高まり、カロクはそれを宥める。クラウスは激情型ではあるが、無意味に暴力を振るうことはなかったはずだ。こちらが大人しくしていれば、暴言だけで済むかもしれない。
「おい。」
クラウスが言う。
「それを、下がらせろ。」
魔族達を指さしてクラウスが言う。
怖い。
カロクの身体が強ばる。
魔族達はカロクの身を守る生命線でもある。それを敵意をむき出しにしたクラウスの前で仕舞うことは躊躇われた。
「みんな‥大丈夫、だから。」
カロクはそう言って無理やり笑うと、1番近くに侍る黄金の頭を撫でた。
魔族達は戸惑いながらも、シュンと姿を消してくれた。それでもカロクが危なくなれば、直ぐにでも姿を見せてくれるだろう。カロクは視線を下げ、クラウスの言葉を待つ。
「消えた‥。どういう原理だ‥?」
クラウスが言う。
その時、ようやく息が整ったローレンスがポンッとクラウスの肩を叩いた。
「クラウス様、カロク様はまだー‥」
「分かっている。」
ローレンスの言葉を遮るように、クラウスが言う。そのままローレンスの腕を振り切ると、カロクのすぐそばまで歩いてきて威圧的に見下ろした。
突き刺さる視線に、カロクは居心地が悪そうに身をすくめる。ジロジロと頭のてっぺんからつま先まで視線でなぞられ、カロクは所在なさげにまつ毛を伏せた。
「‥‥‥。」
うむ、とクラウスは何か納得したような声を出すと不意に腕を振り上げた。
殴られる。カロクは思わず肩をすくめる。
しかし予想に反して、その腕がそのまま振り下ろされる事はなかった。
恐る恐るカロクが視線をあげると、ガシリと頭を鷲掴まれる。そのままガシガシと乱暴にかき混ぜられると、カロクは驚いたようにクラウスを見上げた。
「‥‥‥よし。」
クラウスは思う存分カロクの髪をかき乱すと、満足したようにそう落とす。カロクは何が何だか分からずクラウスを見つめた。
しかしクラウスは欲しい答えをくれぬまま、くるりと踵を返してしまう。そしてそのまま入室時と同じく大股で部屋を出て行ってしまった。
「‥‥‥‥?」
訳が分からず、カロクは残ったローレンスを見上げる。するとローレンスは、ニッコリと穏やかな笑みを浮かべてカロクへ言った。
「クラウス様は、カロク様を心配されたようですね。」
「しん、ぱい‥‥」
かき乱された頭を抑えながら、カロクは呆然とそう繰り返す。嫌われたわけではないのだろうか?
クラウスは暫く屋敷に滞在するという。カロクはその時に答えを貰えるだろうかと、ぼんやり考えていた。
傍に侍る魔族達も、警戒するようにクラウスを見つめたまま、カロクを守るように身を寄せた。
「‥‥魔族か。」
クラウスの目が眇られる。
そんなクラウスの様子に、ビクリとカロクは肩を竦めた。
「クラウス様‥!!」
ようやく追いついたローレンスが、クラウスを呼ぶ。その声にクラウスは一瞥だけくれると、そのままズカズカと入室してきた。
「‥‥っ、ダメだよ‥。」
魔族達の警戒が高まり、カロクはそれを宥める。クラウスは激情型ではあるが、無意味に暴力を振るうことはなかったはずだ。こちらが大人しくしていれば、暴言だけで済むかもしれない。
「おい。」
クラウスが言う。
「それを、下がらせろ。」
魔族達を指さしてクラウスが言う。
怖い。
カロクの身体が強ばる。
魔族達はカロクの身を守る生命線でもある。それを敵意をむき出しにしたクラウスの前で仕舞うことは躊躇われた。
「みんな‥大丈夫、だから。」
カロクはそう言って無理やり笑うと、1番近くに侍る黄金の頭を撫でた。
魔族達は戸惑いながらも、シュンと姿を消してくれた。それでもカロクが危なくなれば、直ぐにでも姿を見せてくれるだろう。カロクは視線を下げ、クラウスの言葉を待つ。
「消えた‥。どういう原理だ‥?」
クラウスが言う。
その時、ようやく息が整ったローレンスがポンッとクラウスの肩を叩いた。
「クラウス様、カロク様はまだー‥」
「分かっている。」
ローレンスの言葉を遮るように、クラウスが言う。そのままローレンスの腕を振り切ると、カロクのすぐそばまで歩いてきて威圧的に見下ろした。
突き刺さる視線に、カロクは居心地が悪そうに身をすくめる。ジロジロと頭のてっぺんからつま先まで視線でなぞられ、カロクは所在なさげにまつ毛を伏せた。
「‥‥‥。」
うむ、とクラウスは何か納得したような声を出すと不意に腕を振り上げた。
殴られる。カロクは思わず肩をすくめる。
しかし予想に反して、その腕がそのまま振り下ろされる事はなかった。
恐る恐るカロクが視線をあげると、ガシリと頭を鷲掴まれる。そのままガシガシと乱暴にかき混ぜられると、カロクは驚いたようにクラウスを見上げた。
「‥‥‥よし。」
クラウスは思う存分カロクの髪をかき乱すと、満足したようにそう落とす。カロクは何が何だか分からずクラウスを見つめた。
しかしクラウスは欲しい答えをくれぬまま、くるりと踵を返してしまう。そしてそのまま入室時と同じく大股で部屋を出て行ってしまった。
「‥‥‥‥?」
訳が分からず、カロクは残ったローレンスを見上げる。するとローレンスは、ニッコリと穏やかな笑みを浮かべてカロクへ言った。
「クラウス様は、カロク様を心配されたようですね。」
「しん、ぱい‥‥」
かき乱された頭を抑えながら、カロクは呆然とそう繰り返す。嫌われたわけではないのだろうか?
クラウスは暫く屋敷に滞在するという。カロクはその時に答えを貰えるだろうかと、ぼんやり考えていた。
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