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アユタの秘密
第56話
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アユタ:「何とかならないかな?その溜乃とやらをギャフンと言わせる方法とか、せめてデータを取り返すとか。」
カケル:「難しいね。少なくとも優媛さんが作成したっていうことを証明できないとね。もうリリースされちゃってるし。」
優媛:「一応ね、私、フリーランスっていう風に言えなくもないかなと思って、自分のマークを商標登録してあるの。
ゲーム以外でも自分の作品にはいつもそれ使ってる。
で、その企画のデータとデモムービーにはそれを入れてあるんだよね。」
俺:「じゃあ、それが証明になって返してもらえるんじゃ?」
優媛:「それがね、溜乃の会社の規定でUSBの使用が禁止されてるからって、最初から溜乃が用意したPCで全部制作したんだよね。
会社へはそのPCごと持ってったの。
そのPCはインターネットも接続できなくしてあるし、溜乃は外部機器に絶対接続しないでって言ったからバックアップもとれなくて。
ただ、私のマークだけは入れておいたの。見つかるとうるさそうだから、バレないようにね。」
カケル:「携帯で画面の写真とか撮ってないよね?」
優媛:「そこまではしてない。マーク入れたのだって、画家の絵のサインみたいな感覚で、ただいつもの習慣ってだけだし。」
カケル:「こっちの手元に証拠となる何かがないと、難しいね。
相手は大手だから、普通に戦っても勝ち目なさそうだし。
リリース前ならまだしも、後だったらそんな問題になるようなこと、きっともみ消されるよ。」
俺:「例えばさ、カケルくんの会社通してデータ見せてもらうとか…は無理だよね?」
カケル:「会社同士は全然関わりないし、同業者だし。全く持って無理な話だな。
それに、ウチの会社は優媛さんがいた会社だって知ってるだろうし、俺の事もきっと知ってるよね?」
優媛:「うん。溜乃と同じ名前でアユタと同い年の子がいるって話してた。」
カケル:「ほらオレ、めっちゃ警戒対象になるね。」
アユタ:「やっぱ泣き寝入りか…。」
俺:「オレは何の役にも立たないし。」
佑:「オレが何かできればいいんだけど…。」
優媛:「フフッ皆本当に優しいのね。」
佑:「あ、参考までに、その登録したマーク見たいです。」
優媛:「いいわよ。コレだよ。
ネットでも検索できるから、また見てみてね。」
佑:「ありがとうございます。」
優媛:「皆本当にありがとうね。
もう、あのゲームのことは忘れた。今日ここに来て、吹っ切れたよ!
また別の新しいゲーム考えるわ!」
結構いい時間になったのでお開きとなる。
後片付けをして、寝る準備をする。
優媛さんとアユタはキャンピングカーで、俺と佑とカケルくんは外のテントで寝ることにした。
テントの中では今回、俺が真ん中で佑とカケルくんが両端で寝る。
寝る体制に入ったところで、聞きたかったことをカケルくんに聞く。
俺:「カケルくんはどうして優媛さんのためにこんなに一生懸命だったの?やっぱり好きだから?」
カケル:「好き…かぁ。どうかな?
オレ、そういう感情よく分からないな。ずっと本宮くん以外の人間に興味無かったからね。
優媛さんとは去年初めて会社で会ったんだけど、最初あの人だけがオレに普通に接してくれたんだ。
オレ、アメリカの大学に通ってて、夏休みの間だけ会社でバイトしに日本に来たんだ。
でもオレ社長の息子だし、人付き合い下手だからかなり浮いてた。
仕事ってチームワークだから、ずっと1人に慣れてるオレでも、結構キツイって思ったんだ。
その中で優媛さんが普通にしてくれて、いっぱい話かけてくれて、それが周りにも伝わって、今じゃ会社での居心地が良くなった。だから、すごく感謝してる。」
俺:「そうなんだね。ごめんね、好きとかそういう次元の話じゃなかったね。」
カケル:「全然いいよ。それもまあ、きっと間違いではないと思うよ。」
俺:「そっか、じゃあ上手くいくといいね。」
カケル:「ありがとう。」
それからすぐ、皆眠りについた。
朝起きて、またアユタの作ってくれた朝飯を食べてからキャンプ場を後にした。
帰り道の優媛さんは、来た時と全然雰囲気が変わっていて、よく笑い、よく喋る、素敵なお姉さんオーラが全開になってた。
カケル:「難しいね。少なくとも優媛さんが作成したっていうことを証明できないとね。もうリリースされちゃってるし。」
優媛:「一応ね、私、フリーランスっていう風に言えなくもないかなと思って、自分のマークを商標登録してあるの。
ゲーム以外でも自分の作品にはいつもそれ使ってる。
で、その企画のデータとデモムービーにはそれを入れてあるんだよね。」
俺:「じゃあ、それが証明になって返してもらえるんじゃ?」
優媛:「それがね、溜乃の会社の規定でUSBの使用が禁止されてるからって、最初から溜乃が用意したPCで全部制作したんだよね。
会社へはそのPCごと持ってったの。
そのPCはインターネットも接続できなくしてあるし、溜乃は外部機器に絶対接続しないでって言ったからバックアップもとれなくて。
ただ、私のマークだけは入れておいたの。見つかるとうるさそうだから、バレないようにね。」
カケル:「携帯で画面の写真とか撮ってないよね?」
優媛:「そこまではしてない。マーク入れたのだって、画家の絵のサインみたいな感覚で、ただいつもの習慣ってだけだし。」
カケル:「こっちの手元に証拠となる何かがないと、難しいね。
相手は大手だから、普通に戦っても勝ち目なさそうだし。
リリース前ならまだしも、後だったらそんな問題になるようなこと、きっともみ消されるよ。」
俺:「例えばさ、カケルくんの会社通してデータ見せてもらうとか…は無理だよね?」
カケル:「会社同士は全然関わりないし、同業者だし。全く持って無理な話だな。
それに、ウチの会社は優媛さんがいた会社だって知ってるだろうし、俺の事もきっと知ってるよね?」
優媛:「うん。溜乃と同じ名前でアユタと同い年の子がいるって話してた。」
カケル:「ほらオレ、めっちゃ警戒対象になるね。」
アユタ:「やっぱ泣き寝入りか…。」
俺:「オレは何の役にも立たないし。」
佑:「オレが何かできればいいんだけど…。」
優媛:「フフッ皆本当に優しいのね。」
佑:「あ、参考までに、その登録したマーク見たいです。」
優媛:「いいわよ。コレだよ。
ネットでも検索できるから、また見てみてね。」
佑:「ありがとうございます。」
優媛:「皆本当にありがとうね。
もう、あのゲームのことは忘れた。今日ここに来て、吹っ切れたよ!
また別の新しいゲーム考えるわ!」
結構いい時間になったのでお開きとなる。
後片付けをして、寝る準備をする。
優媛さんとアユタはキャンピングカーで、俺と佑とカケルくんは外のテントで寝ることにした。
テントの中では今回、俺が真ん中で佑とカケルくんが両端で寝る。
寝る体制に入ったところで、聞きたかったことをカケルくんに聞く。
俺:「カケルくんはどうして優媛さんのためにこんなに一生懸命だったの?やっぱり好きだから?」
カケル:「好き…かぁ。どうかな?
オレ、そういう感情よく分からないな。ずっと本宮くん以外の人間に興味無かったからね。
優媛さんとは去年初めて会社で会ったんだけど、最初あの人だけがオレに普通に接してくれたんだ。
オレ、アメリカの大学に通ってて、夏休みの間だけ会社でバイトしに日本に来たんだ。
でもオレ社長の息子だし、人付き合い下手だからかなり浮いてた。
仕事ってチームワークだから、ずっと1人に慣れてるオレでも、結構キツイって思ったんだ。
その中で優媛さんが普通にしてくれて、いっぱい話かけてくれて、それが周りにも伝わって、今じゃ会社での居心地が良くなった。だから、すごく感謝してる。」
俺:「そうなんだね。ごめんね、好きとかそういう次元の話じゃなかったね。」
カケル:「全然いいよ。それもまあ、きっと間違いではないと思うよ。」
俺:「そっか、じゃあ上手くいくといいね。」
カケル:「ありがとう。」
それからすぐ、皆眠りについた。
朝起きて、またアユタの作ってくれた朝飯を食べてからキャンプ場を後にした。
帰り道の優媛さんは、来た時と全然雰囲気が変わっていて、よく笑い、よく喋る、素敵なお姉さんオーラが全開になってた。
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