俺の許嫁は小学生!?

marimo

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第一話「俺の相手はまさかの小学生でした」

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俺は都心で育ったいわゆる都会っ子、祖父はリゾート地を経営していて、祖母はビルを持っている。父は不動産の副社長なのだが、母は父の束縛のため、離婚をして今はいない。そんな俺は裕福のために私立に行っていた。奨学金制度等もちろん利用せずに。それなりに頭もよくて成績はいつも一番だった。しかし、そんな俺には一つ、盲点があった。それはモテないということだ。顔はブスって程じゃないが、極度のコミュ障のため、女子とはもちろん、男子ともさほど話さない。これが現実だった。将来はきっと社畜になる。そして、孤独で死んでいく。そんな時、俺は祖父母にビルのレストランで飯を食べることになった。
そこは、プレミア会員にならないと入れないレストランで、月額1000万円するらしい。流石だ。
俺は祖母に注文されたフランス料理を食べた。最近の事など他愛のない話をしてる中、一つ提案をされた。
「女の子とは上手くやれてるかい?」
「もう、無理だよ。これからも」
そう、答えると祖母は悲しそうな顔をした。しかし、少し間を置いた後、こう言った。
「島には興味はあるかい」
いきなりなんなのか?と、思いを抱きながら
「いや、どちらでもないけど……」
と、答えた。すると、
「そうかい。なら、島に行ってみなかい?」
突然のことで驚いた、そして
「なんで、島って不便じゃん。色々と面倒臭そうだし…なんかなぁ……」
と言った。それを聞いた祖母は
「そこだったら彼女、いや、嫁が作れるかもしれんのにかい?」
といやみくさく言った。
「どういうこと??」
「じぃさんのリゾートの事は知ってるかい?」
「はぁ、もちろんだよ。」
「そこでは、私達の名が知られてね……物凄く感謝されてるんだけど、そこがね……古くから「許嫁」が、伝統的に行われていてねぇ……」
「許嫁!?あの伝説の!?」
「あぁ…多分候補が来てくれると思うんだけど…どうかしら」
「なんだよ!そのいい話は!でもさ、俺学校があるんだけど……」
「その話なら、大丈夫よ。毎年夏休みでどう?」
「あ、そうかぁ、去年までは母の故郷に帰ってたけど今年から行くところもないもんなぁ……よし。それなら、行こうかな?」
「良かったわぁ…なにか、こんな女性が良い~みたいな希望はあるかい?」
「ん~…………恥ずかしいんだけど……」
「なんだい。言わないと後で後悔するよ。」
恥ずかしかった。でも、それ以上に後悔はしたくなかった。俺は考えた。そして、
「年下で大人しめで童顔だと嬉しいです……」
俺はこの言葉を言ってしまった。これが、今後まさかの事態を引き起こすとは思ってなかったが……
「わかったわ。それで募集してみるから、島で暮らす準備をしといてね」
そう、祖母に告げられこの話は終わった。
しかし、こんな俺が……、それに赤の他人と嫁になるなんて人がいるはずないと思いながら帰路についた。

ついに、島に初めて向かう当日。俺は雲背愛島(うせなじま)と言う場所に向かうらしい。そこで、祖父がリゾートを経営している。
俺はそこの許嫁の父母となる地元の人の元で暮らすらしい。
俺は本島の港を10時に出発した。
これから、どんなことになるのかワクワクとドキドキをしながら……

13時、俺はすっかり眠ってしまってたようだ。そりゃ、朝4時に家を出れば当たり前だ。外を見ると目の前には小さな島が浮かんでいた。これが多分、雲背愛島だろう。いよいよ着いたのだと、俺は心臓の鼓動が鳴り響いた。 
船は汽笛を鳴らし、ようやく港にたどり着いた。
俺は、船を降りると一人の叔母さんが手を降っていた。これが今日からお世話になるおばさんだろう。大体40から50代といった感じかな?自分の母親は37という年齢で最近不倫していなくなったため、違った感じなのだろう。そう思いながらおばさんに着いていった。
「ここはやはり暑いかい?」
おばさんが俺に問う。
「はい。暑いですね。」
そう、俺は答える。すると、また無言の時間が続く。早速コミュ障を発症させる。許嫁となる相手のことを聞きたかったが、聞く自信もなく、流れに任すことにした。
10分ほど歩くと、今日から俺が過ごす家が見えてきた。2階建ての小さな家だった。
「実家のようにゆっくりしてね」
そう、おばさんが言うと自分をこれから生活する俺の部屋を紹介された。
部谷の使い方を一通り聞くと最後に
「15時位には貴方のお相手が帰ってくるからぁ」
と、言ってその場を去った。
まさかの同じ家で暮らしていくなんて、実質、事実婚ってやつだろwなんて、思いながら部屋でその時が来るのを待った。
胸の鼓動が鳴り響く、どんな人が来るのか、顔は良いのか……そんなことをぐるぐる悩んでるうちに15時になった。
しかし、まだ帰ってくる気配のない。
実は、本当は今までの話は嘘だったのか。そう、悩みに明け暮れていると、
ガシャ
ドアの音がした。
「ただいま!!!」
大分高い声がした。
お!声が高いぞ!うひょ~ってなっていたのもつかの間、僕がそろりと玄関の様子を見るとそこにいたのは
"小学生"だった。

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