宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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5章 星からのキカン

52.キカン(18/20)

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 ひとりで頭を悩ませる私を銀太郎はニコニコと見ている。
 ホント、この宇宙人にはどこまで伝わっているのだろう。どこまで私が見えているのだろう……。
 知ってほしいけれど、勝手に知られるのはイヤだな。
 ああ私って、結構めんどうな性格かも。
 ため息が出たとたん、手を伸ばしてきた銀太郎に頭をポンポンとなでられた。

「アオイ様のオコトバ、素直にうれしいでしよ。アオイ様の優しさ、ワタシいっぱいもらって幸せでし。……そうでしね、ワレワレ地球を自由に歩かない。それは制約ではなくマナーでし。地球人混乱させてはダメでし。アオイ様、宇宙人に理解ありましね。優しくて愛らしくて、ワレワレみんなアオイ様に会ったら好きになりまし」
「あ、またそれ言ってる。私がアイスあげたから好きなんでしょう?」
「そうでし」
「ほら、やっぱり……」
「見返りナシの親切、うれしかったでし」

 見返り……アイスを食べたらさっさと出て行ってって思っちゃったけど?

「食べたら出て行って、て先に約束させなかった。交換条件なしでワタシ心配してくれまづた」
「……銀太郎、今テレパシーで心をのぞいた?」
「今のはテレパシーちがいましよ?   えと、かんがイイ範囲でセーフでし。ああ、日本語で顔色をうかがう言いましか」
「ん?   なんかそれ藤井君にも言われたな。藤井君は最初、テレパシーが使えるって言ったの。でも実は顔色をうかがっていたっていう……結局からかわれただけなんだけど」
「アオイ様はわかりやすいのでしよ。考えていることが顔に出やすいいうことでし」

 お子様ってことだよね。

「素直なのは良い性質でしよ。ケイちゃんもそうでしね」
「でも、パパは銀太郎に味方して職場の人にウソをつき通したのでしょう?   ここにいることを隠しきったのでしょう?」
「ワタシ行方不明の取り調べで、ケイちゃんの関与すぐにバレバレでしよ。顔に書いてあるって、みんながケイちゃんに言いまし。それでも隠しきったのは、ケイちゃんが『僕は居場所を知っているけれど言いません』言い張ったからでし。最後までワタシ守ってくれまづた」
「なんでそれを銀太郎が知っているの?」
「仲間に聞きました」

 いつ?   どうやって?
 宇宙人どうしでテレパシーみたいな通信ができるのかな。
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