悪役令嬢の乗っ取り

nekomaru

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狩人の忘備録

狩人の忘備録 その2

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ガルムとブレアの狂気なハンター生活

ガルムは自然と遊んでいた。毒のない生物には触り、手のひらで遊んでいた。
歩く場所に甲虫がいたら、それを掴んで人が通らないところの木につけた。

それを見たブレは口角をつりあげて笑う。
「ふふ」
「なにがおかしい……」
「あんなに弱肉強食を歌っていたくせに、小さな生き物に情をかけるんだね?」
「ガキころ…親父とよく取りに行っていたんだ……」
「やっぱり人間って気まぐれな生き物だよ」
「……そうだな」
「北西に50の場所に逃げたよ うん?なんかこっちに向かってるよ?」
ブレアの言葉にガルムは反応する。
「なに?乱入モンスターか!歓迎だぜぇ…!」
ガルムは喜び、次の獲物を待つ!

そして奴らは現れた!
「なんだてめえらは?」
「オレたちは人間どもから魔族を守るハンター。人間ハンターだ」
「ほう、人間相手に負ける魔族とは名ばかりな連中だなぁ?魔族なら魔族らしく片っ端に生き物を殺し回れ!!腐っても魔族だろ!!
テメエは魔族失格だぁ!!で、そのハンターが何の用だ?」
「人間の数を減らす。それが我々の使命」
「ほう」
「キサマの命、もらい受ける」
「なるほどな、いいぜぇ相手してやる。オレが狩っているのは動物、人間、魔物、宇宙人、エイリアン、魔王に勇者に山賊、海賊、チーターだ!!」
「それは光栄だ」
「おまえ……ランクは…?」
「ブロンドだ」
「ゴールド行ってからやれぇ!!!このボケぇ!!」
ガルムは魔族を名乗る人間に蹴りを入れる。
「うわぁあああ?!!」
「ブラッティングはハンター同士のじゃれ合いだ!!オレとじゃれ合いたかったら宇宙を何度も消せるようなモンスターを一人で狩ってこい!!マヌケぇ!!」
ガルムはベテランハンターである

ここは、とあるギルド。そこには、人間のハンターたちが集会している場所だ。
そこにベテランハンターのガルムが姿を見せる。
彼を見たローマのグルメ・ハンターのペスカトロが声をかける。
「あ、ガルム!」
「おい」
「なんだ?」
「ハチミツよこせ」
「はぃィィィー?」
ガルムは地雷ハンターである。
ペスカトロは、ガルムに聞く。
「アンタ、プロだろ?!!なんでハチミツなんかいるんだよ!?」
「何言ってやがる?プロになるためにハチミツをよく使うんだろ?」
「なるほど、やりこみか…」
ガルムは、やりこみハンターである。

そしてここは、とある訓練施設。
ガルムの独特な大剣の振り方に憧れた新人ハンターたちがここへやってくるのだ。
「よぉう、久々にオレに会いたくなったか?」
ガルムは腕を組んで、新人ハンターたちをほほえましく歓迎していた。

「解毒薬だと?甘ったれんな!己の力でやり遂げて見せろ!!
クックックックック……」
ガルムは、ドケチな教官である


「………やべぇ……やりてぇ……チート使いてぇ……!」

翌日、ガルムは両腕を手錠で拘束され、警察官たちに連行された。
ガルムは人間のハンターである


そんな波乱万丈な日常。そんなあるとき、また奇妙な光景が現れた。
黒い毛の素早い動きをしそうな大きな猛獣。それは、なにやら生き物をとらえて捕食しているようだ。
それは人間だった。
「アハァア~~~~~ン♡ガルガちゃぁあン♡ボクの肉をいっぱい食べてぇ~~♡」
男は鼻水と涙をあふれんばかりに垂らして、声を上げる。
「君の親を殺したハンターを!ぉげぇ…!ン♡あん♡いっぱいコロちてねぇ~~♡うわぁ?ああ~~~ン♡」
森に響く男の奇声。その声はガルムのキャンプからも聞こえていた。
そしてその様子は、ガルムも見えていた。

「見ろ!これが神様が作った世界だ!素晴らしいだろぉ!」
ガルムはブレアの前で両手を広げ興奮していた。

そして、あるとき。
ブレアはガルムとまた狩りに出ていた。
仕掛けた生肉の様子を見ているのだ。
するとそこに純白な鱗を持った大きな飛竜が生肉につられてやってきたのだ。
ブレアは、ガルムに聞く。
「どうする?狙ってる奴じゃないよぉ?」
「まずい!追っ払わなくては!」
ガルムは肉斬り包丁を抜いて、飛竜を追っ払おうと振り回す。

「なにすんだテメー!」
飛竜は怒りを見せる。
「それはオレの肉だ!勝手に食うな!」
すると飛竜が反論する。
「はあ?地面に捨てあるのは誰のものでもない。当たり前だろ?いやなら捨てんな」
「捨ててなんかない!置いてるだけだ!帰れー!」

すると白い飛竜のミカエルがガルムに言う。
「いいか?この肉は誰のものだ?この肉はどこからとってきた?」
「クマだ!クマの肉だ!オレが手に入れたんだ!」
「つまりこれはクマの肉であって、お前の物じゃない。そしてお前は、地面にそれを置いた」
「おう」
「そして、オレはそれを見つけた」
「おう」
「つまり、オレのものだ。わかった?カス」
「なんだとぉテメー!!ぶち殺してやるぅ!!」

ブレアは飛竜と会話をしているガルムに素朴な疑問を投げる。
「君さ、モンスターと会話してるよ。おかしくない?言葉わかるの?」

するとガルムはブレアにこう答えた。
「いいか!ハンターの忘備録その一!モンスターの気持ちになることだー!」
「あ~あ。親を殺されたモンスターの気持ちにもなってみたら?」
「何言ってやがる?キツツキはヒナの頭をつついて、脳みそをすすっているぞ?」
「うわ……聞かなきゃよかった…」
「ヴァイエルンの番組でよくある動物たちの会話を忘れろー!現実を見ろー!世の中は残酷だ!
ホトトギスやカッコウなんか元の親の子供を全部殺してるぞぉー!!」
「ベジタリズム!禁煙!科学優越論!命の優劣!魚の殺し方!一人の人間がある人種を根絶やしにするために考えた、その独裁者の忘れ物は忘れろー!」

「あ~あ。ボロが出たね?命の優劣は君が今やっていることだろ?あ~あ、論破論破」
「そんなことはねぇ!頭を真っ白にしろ!!そうすればこの世界で生き残れる!!」
「詰まんない男だね~きみ~」
ブレアはあざ笑うようにガルムを見下す。


そして、ガルムとブレアは、依頼を終えて、村に戻ってきたころだった。
ガルムはブレアに言う。
「いいか…世の中は食うか食われるか だ。お前に王様がいたら、お前はそいつを守るだろ?それはなぜだ?ルールがあるからだ
つまりだ。自分のルールを作りたければ、最強になるしかねぇ。最強になれば自分でルールを決めることができる」
「へぇ~~わかったよぉ…それじゃぁ… まずは君の住んでいる村の村長を殺して、この村にルールを決めて、この村の人間みんな殺して
最後に君を殺してあげるよ」
「クククク!ダメだなぁ。この宇宙の… いや、すべて生き物を全部ぶっ殺して来い!それができたら、オレのところに来い!」
ガルムは続けて言う。
「その時はオレがお前を踏み心地のいい毛皮のジュータンにしてやる!」
「いいねぇ!それじゃぁボクが勝ったら!キミの肉をいただくから!文句なしだよぉ!」

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