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@さくらside
12.つながった翌朝@さくらside
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藤堂さんに心のモヤモヤを流させてもらって、キスや体の温もりで癒してもらった。
憧れの藤堂さんが処女を大事にもらってくれて夢みたいで現実感がない。
気付くと、藤堂さんの肩を枕にして寝入っていた。
無防備に、すやすや眠る藤堂さん。こんな姿、見ることになるなんて。
足の間の違和感も、ああ、昨日の事、夢じゃないんだなって確証をくれる。
外はまだ暗い。
付き合ってるわけでもないのに、体の関係持つなんて、自分にはあり得ないと思ってたし、客観的にみれば、やましい。
でも、ずっと憧れてた藤堂さんに大事にされて今の私は幸せだし、泣いてた私をこうして温もりで癒してくれた藤堂さんに感謝しかない。
大人の藤堂さんは、こういう慰めかたが有効なのがわかっていたし、体を繋げることに、大きな意味もないはず。
高峯さんが、支店に行ってるのに、避妊具、持ってたし。
私も、大人の対応しよう。
これで私が藤堂さんにまとわりつけば、勘違いした迷惑な女になる。藤堂さんにそんな風に思われたくない。
藤堂さんが重そうだし、私の体の動きで起こしたら申し訳ないので少し体を離す。
隣のベッドに移ればいいんだろうけど、もう少しだけ、側にいさせて欲しい。
スーツにあわせて整えた髪が乱れている藤堂さんは、少し若く見える。
藤堂さんの限られたプライベートの時間のうち、一晩中、私のために使ってくれた。仕事中の藤堂さん以外、知るはずなかったのに、横で熟睡してる藤堂さんの姿。
満足。
藤堂さんみたいな人の隣にいつもいられる自信はない。高峯さんみたいな大人の女性に敵うはずないし、高峯さんも私にとっては憧れの女性だ。
ふたりがお似合い。引き剥がしたいなんて思わない。
藤堂さんの横顔を見ながらうつらうつらしたり、また意識か戻ったりしているうちに、またいつの間にか眠っていた。
再びはっきり目を覚ますとカーテンの隙間から陽の光が漏れている。5時過ぎになっている。電車、動いてるな。
そっと起きる。藤堂さんに脱がされて散らばった服と、昨日コンビニで買ったショーツを持ってバスルームへ行って着替える。
化粧、落とさないままだった。これも昨夜買ったお泊まり化粧品セットで整え、髪を梳かす。
部屋に戻り、藤堂さんに脱がされたショーツをコンビニ袋に入れてバッグへ。藤堂さんの脱いだ服をクローゼットに掛けて、自分のジャケットを着る。
バッグを肩にかけ、一度出口に向かおうとして戻る。藤堂さんの寝顔をもう一度見る。
ありがとうございました。
心の中で。
部屋を出て、部屋の会計だけ済ませる。
まだ人気のない街を歩いて家へむかう。
このホテルに入った時は処女で、今は違う。別に何が変わる訳じゃないな。すれ違う人が気付く訳もないし。
「何だ」
そんなもんか。
でも、私は昨夜のこと、忘れない。ずっと大切な思い出。
憧れの藤堂さんが処女を大事にもらってくれて夢みたいで現実感がない。
気付くと、藤堂さんの肩を枕にして寝入っていた。
無防備に、すやすや眠る藤堂さん。こんな姿、見ることになるなんて。
足の間の違和感も、ああ、昨日の事、夢じゃないんだなって確証をくれる。
外はまだ暗い。
付き合ってるわけでもないのに、体の関係持つなんて、自分にはあり得ないと思ってたし、客観的にみれば、やましい。
でも、ずっと憧れてた藤堂さんに大事にされて今の私は幸せだし、泣いてた私をこうして温もりで癒してくれた藤堂さんに感謝しかない。
大人の藤堂さんは、こういう慰めかたが有効なのがわかっていたし、体を繋げることに、大きな意味もないはず。
高峯さんが、支店に行ってるのに、避妊具、持ってたし。
私も、大人の対応しよう。
これで私が藤堂さんにまとわりつけば、勘違いした迷惑な女になる。藤堂さんにそんな風に思われたくない。
藤堂さんが重そうだし、私の体の動きで起こしたら申し訳ないので少し体を離す。
隣のベッドに移ればいいんだろうけど、もう少しだけ、側にいさせて欲しい。
スーツにあわせて整えた髪が乱れている藤堂さんは、少し若く見える。
藤堂さんの限られたプライベートの時間のうち、一晩中、私のために使ってくれた。仕事中の藤堂さん以外、知るはずなかったのに、横で熟睡してる藤堂さんの姿。
満足。
藤堂さんみたいな人の隣にいつもいられる自信はない。高峯さんみたいな大人の女性に敵うはずないし、高峯さんも私にとっては憧れの女性だ。
ふたりがお似合い。引き剥がしたいなんて思わない。
藤堂さんの横顔を見ながらうつらうつらしたり、また意識か戻ったりしているうちに、またいつの間にか眠っていた。
再びはっきり目を覚ますとカーテンの隙間から陽の光が漏れている。5時過ぎになっている。電車、動いてるな。
そっと起きる。藤堂さんに脱がされて散らばった服と、昨日コンビニで買ったショーツを持ってバスルームへ行って着替える。
化粧、落とさないままだった。これも昨夜買ったお泊まり化粧品セットで整え、髪を梳かす。
部屋に戻り、藤堂さんに脱がされたショーツをコンビニ袋に入れてバッグへ。藤堂さんの脱いだ服をクローゼットに掛けて、自分のジャケットを着る。
バッグを肩にかけ、一度出口に向かおうとして戻る。藤堂さんの寝顔をもう一度見る。
ありがとうございました。
心の中で。
部屋を出て、部屋の会計だけ済ませる。
まだ人気のない街を歩いて家へむかう。
このホテルに入った時は処女で、今は違う。別に何が変わる訳じゃないな。すれ違う人が気付く訳もないし。
「何だ」
そんなもんか。
でも、私は昨夜のこと、忘れない。ずっと大切な思い出。
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