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89.若者たちは前へと進む
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真央と未来は、3月1日に無事高校を卒業した。
3月中は、高校の友達と卒業旅行に行ったり、自分たちの新しい部屋の用意をしたり、カフェのバイトには時折入ってくれながらも、いろいろと忙しそうだった。
遊の学校の卒業式は10日だから、少しずれるけれど、もうすぐだ。
短い間だったが友達もできたようで、真央や未来のように旅行まではしないまでも遊びに行ったりしている。
「遊。卒業式には、お母さんも来るの?」
「来るらしい。」
「うちにお泊りしてもらう?」
「そんな必要はない。」
「なんでよ。」
「母親にここは見られたくないし、来るなって言ってある。」
「だから、それは、なんでなのよ。」
「理由なんかない。イヤなもんはイヤだ。」
「・・子どもだな。」
「余計なお世話だよ・・。」
・・・・。
母親には自分の部屋を見られたくない、ってなものだろうか。
「私は、ごあいさつしなくていいのかな?」
「いらないってば。」
「・・・。」
「だいたい、マキノがオレの親とどんな挨拶するんだよ。」
「んー・・いろいろあるじゃない。お互いお世話になりましたとか。うちも助かったし、一応未成年者預かってたんだし・・。」
「あっちから頼まれたんじゃないし、関係ないってば。」
「んなことないでしょっ!だいたい、じゃあ卒業式の日は?お母さんまさか日帰りするんじゃないんでしょうね?」
「前の日は学校の近くの・・電車で2駅のとこだけどビジネスホテルしたんだってさ。んで式が終わったらそのまま帰る。」
「・・・あっそ。」
まぁ・・そこはそうしないと仕方ないかもしれないな。うちから学校まで、電車で行くと遠回りになるから時間がかかるのだ。
「遊は、いつ引っ越しだっけ?」
「引っ越しは3月の17だけど、それ以後もしばらくいる。」
「今あるうちのお布団使うんだね。いつまでいられるの?」
「20日から25日ぐらい・・。」
「その時間差はなんなのよ?」
「決まってないもん。」
「さっさと出て行って、新しいところでバイトとか探したほうがいいんじゃないの?」
「それもあるけど・・そんなに追い出そうとしないでさ。もうちょっと名残惜しんでよ。」
「もちろん惜しんでるわよ。こき使える働き手がいなくなっちゃうんだから。」
「・・マキノは口が悪いなぁ。この下の部屋は、もしかしたらヒロトの部屋になるの?美緒さんまで来てたら、オレまじ居場所なくなるなぁ。」
「もー、遊、ぐちぐち言ってないでさっさと出て行きなさい。」
カフェの下の部屋は、遊が出て行ったあとは、ヒロトがしばらく居候するつもりのようだ。
しかし、不確定要素が高い。
ヒロトと美緒については、以前「提案がある」と言いかけたことを、時期をずらして打診してある。
るぽカフェと駅との中間地点位に、空き店舗があるという情報があり、そこは今の工房よりも設備が整っていて、広さもあり、ちょっとした宴会ができそうな座敷もあるとのことだった。
道路に面したその建物の1階は、半分が店舗で半分が厨房。るぽカフェと同じように、道の面よりも下に倉庫と部屋があり、ユニットバスもついているので、そこに住むこともできる。宴会のできる座敷というのは、3階にあるらしい。
るぽカフェが、民家を改築したものであるのに対して、その建物はもとからお店をするために建てられたもので、築年数もそれほど古くなく、それまでの経営者が頓挫した形で閉店してしまい、お店と道具一式が放置されたままなのだ。その設備全部を使わせてもらえるとしたら、願ったりかなったりの好条件ではないか。
迷っている間に誰かに借りられてしまう恐れもあったのだが、何故か、そこで飲食店を営業した者は長く続かなくて、その為、家主がすこし後ろ向きになっていることと、世界の狭い田舎の町でそんな噂が広がったこともあって借り手がつきにくくなっているようだった。
美緒の動向が不安定だった頃は、その話を持ちかけることが躊躇われたのだが、美緒自身がこちらの町に住む場所すら探しているようだったし、工房の狭さと使い勝手の悪さもあるし、ヒロトも実家に帰らなくていいほうが仕事が楽と、それぞれの状況を鑑みると、この案に現実味が増してきていた。
とにかく、一番大きいのは、ヒロトが結婚を視野に考えていると言ったことだ。
美緒も、こちらで生活するためには車が不可欠なのだが、今その免許を取るべく頑張っている。準備は着々と整ってきた。
夕方、ヒロトが一度カフェに戻ってくると、待ち構えていたようにマキノが話しかけた。
「ヒロト。2月分の集金もうすぐだね。売上はどうだった?」
「節分の巻ずしがあったからだけど、スーパーの分は全部の店舗で150万ありました。」
「やったねぇ。がんばったねヒロト。」
「いやぁ・・みんなが手伝ってくれるからですよ・・。」
「お弁当は?」
「数は、ちょっと増えたかな。その時その時の現金集金だから、いくらになっているか合計はしてないけど。」
「じゃああと、スーパー以外のお店と朝市と足せば、当初の目標には届いてる?」
「今月は充分過ぎてます。でも、節分の日がなくても3月もいけると思うんですよ。」
「おばちゃん2人はどう?」
「よく動いてくれて、にぎやかですよ。おもしろい人達だ。」
「ヒロトの仕事量は?大丈夫そう?」
「ほとんどこっちで寝泊まりするようになったし・・カフェに出なくなったのは申し訳ないと思ってますけど・・早朝に頑張って午後に休んで、夜仕込みしてって、リズムができつつあるんですよね・・。それで当分はやっていけそうに思います。」
「お休みの日も取らないとダメだよ。」
「ああ・・はい。」
「私も経験あるけどさ、ヒロトが休んでもおばさん2人に任せてできるように、しっかりやり方覚えてもらって、あとは度胸で任せてしまうのが一番いい。ヒロトは全部自分でやりたい方だと思うけど、誰にでもできるような作業はできるだけ分担しておくべきだからね。」
「はい。」
「じゃあ、10日に集金してきたら、通帳に入れといて。業者仕入の分はそこから振り込みするといいよ。現金触らなくていいし、通帳に数字が残ってあとで分かりやすいから。」
「はい。」
「くれぐれも、残高全部が儲けだはと思わないようにね。」
「わかってます。」
「ヒロトは、工房のお引っ越しをどう考えてる?」
「思案する点がいくつかありますね。まず、ルポカフェから遠くなる。」
「んー。それは何とかなるんじゃないかな。」
「もうひとつは、家賃が上がる。」
「そうだね。」
「あとひとつは、前ほどでもないけど、もう一度設備投資が必要になるかなと。」
「うん。・・・でもそれも、徐々にやってけばいいんじゃないかな。」
「工房の人達と仲良くなって家賃も払いはじめたのに、もうお引っ越しって、義理が悪くないですかねぇ・・。」
「それも大丈夫じゃないかな。朝市には行くんだし。」
「んー・・・。」
「店のことはどうでもいいんだけどさ。」
「いや・・いやいや、どうでもよくは・・・。」
「じゃあ言い換える。やろうと思えばどうとでもできると思うんだけどさ。」
「はぁ。」
「まずは、ヒロトと美緒ちゃんとがどうするかのほうが問題なんじゃない?」
「・・ま、まぁそうなんですけど・・。」
「ここはガツンと、『オレと一緒に苦労してくれ。』とか、言っちゃいなよ。」
「・・・マキノさん・・・シャレになりませんし、それ。」
「でも、ヒロトから言うことに意義があると思うけど?」
「・・・そうですかね・・。」
美緒がヒロトと一緒にやってくれれば、これ以上心強い事はない。
でも、そこは2人だけのデリケートな問題だ。
ヒロトの置かれている状況を、美緒がどれくらい受容できるか。
ヒロトはどれぐらい美緒を大事にできるのか。
いくら、お互いがお互いを思っていたって、大変な状況の中でうまくやって行けるかどうかは別物だ。
ヒロトの家族が苦しんでいるときは、ヒロトだって美緒と2人で気楽にはしていられないだろうし、ヒロトの家族のことで、美緒に負担がかかってくれば、ヒロトはまた悩まなければいけないだろう。
本当に微妙なギリギリのライン。
「お家賃12万は痛いかもしんないけど・・工房を引き上げたらその分は少し浮いてくるし、住み込んで夜にちょっとした宴会でも受けたら、すぐにそれぐらいは儲けが上がってくるんじゃないかな?」
「そうですね・・。それにはええと,・・お運びしてもらう人がいないと、ダメですね。」
「宴会のある日だけ雇えば?」
「あー・・それでもいいか。」
「スーパー出し手伝ってくれてるおばちゃん達でも、いいと思うよ。」
「そうですかね・・。」
「美緒ちゃんの今の仕事は?」
「3月いっぱいで辞めるらしいです。」
「そう・・。それは、次の予定を考えてのことかな?」
「いえ、美緒からはなんのために辞めるのか、次に何をするのかも言ってきませんね。」
「それはたぶん・・ヒロトの為に身軽になっておこうと思ったんだろうね。・・ヒロト、責任重大だね。いくら美緒ちゃんの言うこと聞くって言ったって、美緒ちゃんから押しかけますとは言えないんだから。」
「はぁ・・。」
ヒロトはしばらく黙って考えてから、口を開いた。
「工房の引っ越しのことは、美緒と話し合って考えます。」
「うん。じっくり考えてみて。」
ヒロトの返事は、いつものような受け身ではなかった。
3月中は、高校の友達と卒業旅行に行ったり、自分たちの新しい部屋の用意をしたり、カフェのバイトには時折入ってくれながらも、いろいろと忙しそうだった。
遊の学校の卒業式は10日だから、少しずれるけれど、もうすぐだ。
短い間だったが友達もできたようで、真央や未来のように旅行まではしないまでも遊びに行ったりしている。
「遊。卒業式には、お母さんも来るの?」
「来るらしい。」
「うちにお泊りしてもらう?」
「そんな必要はない。」
「なんでよ。」
「母親にここは見られたくないし、来るなって言ってある。」
「だから、それは、なんでなのよ。」
「理由なんかない。イヤなもんはイヤだ。」
「・・子どもだな。」
「余計なお世話だよ・・。」
・・・・。
母親には自分の部屋を見られたくない、ってなものだろうか。
「私は、ごあいさつしなくていいのかな?」
「いらないってば。」
「・・・。」
「だいたい、マキノがオレの親とどんな挨拶するんだよ。」
「んー・・いろいろあるじゃない。お互いお世話になりましたとか。うちも助かったし、一応未成年者預かってたんだし・・。」
「あっちから頼まれたんじゃないし、関係ないってば。」
「んなことないでしょっ!だいたい、じゃあ卒業式の日は?お母さんまさか日帰りするんじゃないんでしょうね?」
「前の日は学校の近くの・・電車で2駅のとこだけどビジネスホテルしたんだってさ。んで式が終わったらそのまま帰る。」
「・・・あっそ。」
まぁ・・そこはそうしないと仕方ないかもしれないな。うちから学校まで、電車で行くと遠回りになるから時間がかかるのだ。
「遊は、いつ引っ越しだっけ?」
「引っ越しは3月の17だけど、それ以後もしばらくいる。」
「今あるうちのお布団使うんだね。いつまでいられるの?」
「20日から25日ぐらい・・。」
「その時間差はなんなのよ?」
「決まってないもん。」
「さっさと出て行って、新しいところでバイトとか探したほうがいいんじゃないの?」
「それもあるけど・・そんなに追い出そうとしないでさ。もうちょっと名残惜しんでよ。」
「もちろん惜しんでるわよ。こき使える働き手がいなくなっちゃうんだから。」
「・・マキノは口が悪いなぁ。この下の部屋は、もしかしたらヒロトの部屋になるの?美緒さんまで来てたら、オレまじ居場所なくなるなぁ。」
「もー、遊、ぐちぐち言ってないでさっさと出て行きなさい。」
カフェの下の部屋は、遊が出て行ったあとは、ヒロトがしばらく居候するつもりのようだ。
しかし、不確定要素が高い。
ヒロトと美緒については、以前「提案がある」と言いかけたことを、時期をずらして打診してある。
るぽカフェと駅との中間地点位に、空き店舗があるという情報があり、そこは今の工房よりも設備が整っていて、広さもあり、ちょっとした宴会ができそうな座敷もあるとのことだった。
道路に面したその建物の1階は、半分が店舗で半分が厨房。るぽカフェと同じように、道の面よりも下に倉庫と部屋があり、ユニットバスもついているので、そこに住むこともできる。宴会のできる座敷というのは、3階にあるらしい。
るぽカフェが、民家を改築したものであるのに対して、その建物はもとからお店をするために建てられたもので、築年数もそれほど古くなく、それまでの経営者が頓挫した形で閉店してしまい、お店と道具一式が放置されたままなのだ。その設備全部を使わせてもらえるとしたら、願ったりかなったりの好条件ではないか。
迷っている間に誰かに借りられてしまう恐れもあったのだが、何故か、そこで飲食店を営業した者は長く続かなくて、その為、家主がすこし後ろ向きになっていることと、世界の狭い田舎の町でそんな噂が広がったこともあって借り手がつきにくくなっているようだった。
美緒の動向が不安定だった頃は、その話を持ちかけることが躊躇われたのだが、美緒自身がこちらの町に住む場所すら探しているようだったし、工房の狭さと使い勝手の悪さもあるし、ヒロトも実家に帰らなくていいほうが仕事が楽と、それぞれの状況を鑑みると、この案に現実味が増してきていた。
とにかく、一番大きいのは、ヒロトが結婚を視野に考えていると言ったことだ。
美緒も、こちらで生活するためには車が不可欠なのだが、今その免許を取るべく頑張っている。準備は着々と整ってきた。
夕方、ヒロトが一度カフェに戻ってくると、待ち構えていたようにマキノが話しかけた。
「ヒロト。2月分の集金もうすぐだね。売上はどうだった?」
「節分の巻ずしがあったからだけど、スーパーの分は全部の店舗で150万ありました。」
「やったねぇ。がんばったねヒロト。」
「いやぁ・・みんなが手伝ってくれるからですよ・・。」
「お弁当は?」
「数は、ちょっと増えたかな。その時その時の現金集金だから、いくらになっているか合計はしてないけど。」
「じゃああと、スーパー以外のお店と朝市と足せば、当初の目標には届いてる?」
「今月は充分過ぎてます。でも、節分の日がなくても3月もいけると思うんですよ。」
「おばちゃん2人はどう?」
「よく動いてくれて、にぎやかですよ。おもしろい人達だ。」
「ヒロトの仕事量は?大丈夫そう?」
「ほとんどこっちで寝泊まりするようになったし・・カフェに出なくなったのは申し訳ないと思ってますけど・・早朝に頑張って午後に休んで、夜仕込みしてって、リズムができつつあるんですよね・・。それで当分はやっていけそうに思います。」
「お休みの日も取らないとダメだよ。」
「ああ・・はい。」
「私も経験あるけどさ、ヒロトが休んでもおばさん2人に任せてできるように、しっかりやり方覚えてもらって、あとは度胸で任せてしまうのが一番いい。ヒロトは全部自分でやりたい方だと思うけど、誰にでもできるような作業はできるだけ分担しておくべきだからね。」
「はい。」
「じゃあ、10日に集金してきたら、通帳に入れといて。業者仕入の分はそこから振り込みするといいよ。現金触らなくていいし、通帳に数字が残ってあとで分かりやすいから。」
「はい。」
「くれぐれも、残高全部が儲けだはと思わないようにね。」
「わかってます。」
「ヒロトは、工房のお引っ越しをどう考えてる?」
「思案する点がいくつかありますね。まず、ルポカフェから遠くなる。」
「んー。それは何とかなるんじゃないかな。」
「もうひとつは、家賃が上がる。」
「そうだね。」
「あとひとつは、前ほどでもないけど、もう一度設備投資が必要になるかなと。」
「うん。・・・でもそれも、徐々にやってけばいいんじゃないかな。」
「工房の人達と仲良くなって家賃も払いはじめたのに、もうお引っ越しって、義理が悪くないですかねぇ・・。」
「それも大丈夫じゃないかな。朝市には行くんだし。」
「んー・・・。」
「店のことはどうでもいいんだけどさ。」
「いや・・いやいや、どうでもよくは・・・。」
「じゃあ言い換える。やろうと思えばどうとでもできると思うんだけどさ。」
「はぁ。」
「まずは、ヒロトと美緒ちゃんとがどうするかのほうが問題なんじゃない?」
「・・ま、まぁそうなんですけど・・。」
「ここはガツンと、『オレと一緒に苦労してくれ。』とか、言っちゃいなよ。」
「・・・マキノさん・・・シャレになりませんし、それ。」
「でも、ヒロトから言うことに意義があると思うけど?」
「・・・そうですかね・・。」
美緒がヒロトと一緒にやってくれれば、これ以上心強い事はない。
でも、そこは2人だけのデリケートな問題だ。
ヒロトの置かれている状況を、美緒がどれくらい受容できるか。
ヒロトはどれぐらい美緒を大事にできるのか。
いくら、お互いがお互いを思っていたって、大変な状況の中でうまくやって行けるかどうかは別物だ。
ヒロトの家族が苦しんでいるときは、ヒロトだって美緒と2人で気楽にはしていられないだろうし、ヒロトの家族のことで、美緒に負担がかかってくれば、ヒロトはまた悩まなければいけないだろう。
本当に微妙なギリギリのライン。
「お家賃12万は痛いかもしんないけど・・工房を引き上げたらその分は少し浮いてくるし、住み込んで夜にちょっとした宴会でも受けたら、すぐにそれぐらいは儲けが上がってくるんじゃないかな?」
「そうですね・・。それにはええと,・・お運びしてもらう人がいないと、ダメですね。」
「宴会のある日だけ雇えば?」
「あー・・それでもいいか。」
「スーパー出し手伝ってくれてるおばちゃん達でも、いいと思うよ。」
「そうですかね・・。」
「美緒ちゃんの今の仕事は?」
「3月いっぱいで辞めるらしいです。」
「そう・・。それは、次の予定を考えてのことかな?」
「いえ、美緒からはなんのために辞めるのか、次に何をするのかも言ってきませんね。」
「それはたぶん・・ヒロトの為に身軽になっておこうと思ったんだろうね。・・ヒロト、責任重大だね。いくら美緒ちゃんの言うこと聞くって言ったって、美緒ちゃんから押しかけますとは言えないんだから。」
「はぁ・・。」
ヒロトはしばらく黙って考えてから、口を開いた。
「工房の引っ越しのことは、美緒と話し合って考えます。」
「うん。じっくり考えてみて。」
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