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魔女の酒屋さん
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「じゃ、また来るよ」
「まいどどーもぉ。お爺様に飲み過ぎはほどほどにって、よろしくお伝えしてね」
「あぁ、伝えとくよ。ありがとな」
からん、とベルを鳴らして出て行く客に軽く手を振る。
窓の外を見ると、もう日が暮れそうで2つある双子の太陽がやや橙色に染まっている。今日は今の客で店仕舞いとしよう。
残金を確認し帳簿を開いて日付を書く。
異世界に来て早くも1年経とうとしていた。
私、水崎咲と友人、陽花と澄の3人で、卒業以来久々に海外旅行へ行くところであった。
早朝、滅多に行かない空港に早めに行って、搭乗前に空港内を見て回ろうとホームで静かに友人達とはしゃいでいたところに、床が光り気付いたら神殿のようなところで旅行用に新調した大きめのスーツケースを持って突っ立っていた。
気を失って倒れていた大学生くらいの女の子と、同じく倒れていた陽花を澄と手分けして起こしたところで、何やらきらきらしい一団が、唯一あった木製の扉から入ってきた。
きらきらしいって比喩じゃなく、アレだ、確かに全員お綺麗な顔なんだけど、服がね・・・豪華絢爛、贅沢してますーって感じにキラキラしていたのだ。金糸銀糸、宝石飾りの縫取り。うう、目がチカチカする。
なのに、連れて行かれた先で何かきらきらしい(比喩ではない)広い部屋で王様の話では、現在他国からの侵略や魔物の被害により大層困っている、聖女のお力が必要なのです、だそうだ。
いやいや、ある程度威厳が必要なのだろうが、この部屋といいこの部屋の人間の服や体型、肌艶といい、贅沢してます感がぷんぷんしている。もうちょっと質素な部屋で疲弊感ある顔していれば理解できるものの、そんな気配はまったくない。
陽花の機転で城を出て、隣接している森に行かなきゃいけないとの事で、そのまま魔国へ移動。
道中に聞いた話では、陽花はこの世界の女神より、この世界の緑の精霊王の伴侶として連れてこられたらしい。私と澄は巻き込まれたのだそうで、元の世界には帰れないんだとか。しかし、巻き込んだ代わりとして貰った私のユニークスキル、『水崎商店』を使って、元の世界と連絡が取れた。
水崎商店は私の実家で酒の卸売、販売をしている。代表取締役が私の父で、5代目なのでそこそこ長くこの商売を続けているのだが、最近ではコンビニで手軽にお酒が買えてしまうため、居酒屋などの飲食店への卸の数も少しずつ減り、店も外観が昔ながらの専門店と言うような威厳のある佇まいなのでなかなか人が入らず、来店者数が減ってしまい売上も右肩下がりだった。
そこで、家族の中で唯一インターネット環境に詳しかった(兄もスマホは使えるが、触れる程度でそんなに詳しくなかった)私がネット通販を提案しホームページを作成、スマホ用ページも用意したところ売上も徐々に回復した。
その中に何となく思いつきで作った、お客様のおすすめのお酒を投稿してもらうコーナーがちょっと評判になった。うちで買ったものに問わず、その名の通りお客様が美味しいおすすめのお酒を写真も添付してメールフォームで送信してもらい、私と兄で内容を精査してホームページ内のワンコーナーに週替りで紹介するのだ。地元でしか売っていない珍しいお酒の写真を送ってくれる人や、うちで買ったワインやビールを仲間や家族と一緒に楽しく飲んだなどの報告とともに写真を送ってくれるグループもあり、なかなか人気のあるコーナーになり売上向上にも貢献している。
そのコーナーのおかげで、こちらの写真と状況をやり取り出来たのだ。作った当時の私を褒め称えたい。
最初は疑われまくったが、私達と一緒にうつる見たことない植物や精霊、獣人や魔人などを見て何とか納得してくれた。
今ではホームページからお酒を大量に注文し、緑の精霊王が住む森の入り口で酒屋を開いて、秘蔵のお酒として売っている。海外の人からも買ってもらえるようドルや元などで表示できるようにしていたら、こちらの単位でも変換されるようになっていたのだ。便利か。
それに気付いてからは、持って来ていた日本円でお酒を買って、宿屋の食堂に売り込みちまちま稼ぎながら魔国まで旅をした。魔国の主要都市ダリアに着くと、城門に待ち構えていた国の筆頭魔術師に緑の精霊王からお告げがあったからとそのまま森へ連れて行かれ、あれよあれよと目的だった緑の精霊王と面会に至った。
現在は、巻き込んだ詫びにと緑の精霊王に作ってもらったツリーハウスの1階で、森の入口を挟んで反対に立っているツリーハウスで朝から夕方まで食堂を開いている陽花と澄の店に卸したり、そこから流れて来たり口コミで来てくれたお客相手にお酒を売って暮らしている。
因みにこのツリーハウス、お世話は朝に1回水崎商店で買ったお酒をそれぞれ1本あげるだけなんだけど、家の中のお掃除を勝手にやってくれるし、森に近づこうとする、良からぬ考えを持つ輩は払って――物理的に。あの魔法学校の暴○柳みたいに枝でサヨナラ満塁ホームランを打ってくれる。めっちゃしなる――くれるし、お願いすれば家の拡張までしてくれる。お酒を上げると、次の日にはその原料がなるし――ワインなら葡萄がなる。焼酎で芋や米がなったときはほんとに驚いた。しかも全部めちゃくちゃ美味しいし沢山なるから隣の食堂でも使っている――、なかなか有能な木なのだ。お酒もそれぞれ好みがあり食堂のツリーさんはワイン、うちのツリーさんは米焼酎が好きらしく、なる量や質が段違いだ。緑の精霊王の好みに似たのかと思ったが、彼はウイスキー派だ。個人(木?)的なもののようだ。
酒屋を開いてから知ったが、先々代の緑の精霊王――精霊王の代替わりなんてそんなにしないから、数千年は前のことらしいけど詳しい年数は分からないそうだ――の伴侶も地球から連れてこられたそうで、黒髪・黒目のその人はスキルを魔法のようだと言い、魔女だと名乗って暮らしていたそうだ。その名残か、黒髪――陽花は茶色に染めてたけど、だんだん伸びてプリンになったから、精霊王に頼んで魔法で黒に戻してもらった――黒目の私達を、初対面の人やお客さんは『魔女さん』と呼んでくる。おかげで、この店も『魔女の酒屋さん』として広まってしまったため、そのまま店名として使っている。
「――よし、帳簿終わりっと」
お金の残金を入れた鍵付きの鉄の箱と帳簿を纏めてカウンター下の引出しにしまい閉めるとカウンター下が木目が消え一枚板のようになる。
ここは私と、私が認めた人が触らないと元の引出しに戻らないようになっている。
ツリーさん最高すぎる。下手な城壁よりもセキュリティ最強。一生ここで暮らすわ。
発注は上でやることにして。どんな種族でも通れるようにと大きくしてある扉から出て店前に出している看板を店内にしまう為に外に出ると、昼に寄ってくれた商隊にいた、犬の獣人さんが立っていた。
「こ、こんばんは!」
「こんばんは、どうかされました?」
「えっと、あの」
「・・・あ、もしかしてうちの商品に何か不具合でも」
「いえ!そんな、全然何とも無かったです!!じゃなくて」
「なら良かったです・・・?」
何だかそわそわした様子で、お尻から出ている尻尾もふらふら揺れている。
かわいい、来たときも思ったけど、やっぱり実家のちゃーこに似てる。撫でちゃだめかな。
揺れるしっぽを目で追っていると、がし、と手を掴まれた。
「へぁ?」
「今晩、食事でもいきませんか?街の方で」
「え?」
「しっぽ、触りたいんでしょ?どうです?」
キラキラした目で、きゅうん、と見つめてくる犬獣人にどうしたものかと息を吐く。
取り敢えず手を離してほしいし、どう断ろうかと口を開く。と。
「ただいま、咲」
「あら、お帰りなさい。早かったわね、シロエ」
ぬ、と影が出来たと思ったら、シロエが帰ってきた。
珍しい、いつもはもう少し低いのに、今日は3mくらいの大きさだ。
どうしたのかな、と考えながらも放置したままだったお客様に向き直る。
「すみませんが、夫が帰ってきましたので行けません。食事はお昼なら出れないこともないですが」
「え、夫って・・・・・まさか、近衛騎士団長様!?」
「えぇ、そうですが・・・うちの妻に、何か?」
「え、ご結婚されてたんですか!?」
「? そうですが・・・?」
「・・・し、失礼しました!!」
がば、と頭を下げたかと思うと、びゅん、と王都の方向へ駆け出してあっという間に消えていった。
さすが獣人、足速いなぁ。
「しっぽ、可愛かったのに・・・・・」
「獣人の耳や尻尾を触るのは、求愛の証だって前に教えただろう。絶対触るな」
いつの間にか人間サイズになっていた――といっても2mはある。身長168cmある私より30cmは高い――シロエに抱えられて店の中に入る。カチリ、と自動で鍵の閉まるドアを見ながら、抱えられたまま店のカウンター奥の階段を上がる。日本人の私に合わせて作ってくれた玄関で乱暴にブーツを脱ぎ捨てると、私の足からそっと靴を抜く。リビングを通り過ぎダイニングにあるソファにやっと下ろされた。巨人である彼にあわせて大きめなソファに座ると、普通の人間サイズな私はその柔らかさに埋もれそうになる。
動作の丁寧さはいつも通りだが、いささか乱暴な口調と、団服上からつけている胸当てや篭手を外す手付きに怒りを感じて腰を浮かせる。
「そこで待機」
「や、疲れたでしょ、お茶でも」
「た、い、き」
ぴしゃり、と言い放たれ思わず正座になる。
脱ぎ捨てた防具を乱暴に足で隅に押しやると、抱き上げられ向かい合わせになるように足を跨いで座らせられる。
逃げられない。
「さて、さっきのは何だ?」
「なに、とは」
「何故、食事に誘われてた。あれは客か?」
「今日仕入れに来た商隊にいた人でした。茶色の毛並みがちゃーこに似てて可愛いと思って声はかけましたが、しっぽふわふわで素敵ですねって、それだけです。食事の件はよく分かりませんです、はい」
「毛並みを褒めるのも好意を持っていると伝える一種だ。前に言っただろう・・・忘れてたな?」
「・・・・え、えへ」
ぎろり、と睨まれ笑って誤魔化すと、にや、と口角が上がるのを見て背筋が震える。黄金糖のような透き通った黄色の目が、赤く染まっている。
こ、これはヤバいぞう!?
「ご、ごめんなさ」
「お仕置き、だな」
……………………………………
「ひゃぅ、あぁぁんっ」
ビシャビシャと潮を吹きながら、びくびくと身体が震えイッたことを中に挿れられたシロエの指に伝えてしまう。もう何回イッたのか、イッてもイッても間をおかず責めたてられているため殆どイきっぱなしだ。
「あーあ、また潮を吹いたのか、制服がびしょびしょなんだがなぁ」
「ゃ、ま、って」
「だあめ」
「ぅやんっ」
イッてもイッても、ずっと指でぐちゅぐちゅと中を掻き混ぜられる。
がり、とたくし上げられたシャツとブラから出ている胸を乳首ごと噛まれ、その刺激に身体がまた震えた。
「はは、噛まれてイッたのか?」
「にやあっ」
いんらん、と囁かれながら下肢の花芽を摘まれ再度イッてしまう。
その刺激でイッたのか、指でイッたのか声でイッたのか。ぐずぐずに溶けた頭の中は、もう理性のかけらも残っちゃいない。
欲しい、ほしい、ホシイ。
「やらやら、ごめな、しゃ」
「っ、おい」
「も、ゆぅして、これ、ほしいよう」
「・・・」
「おなか、せつないよぉ」
これ、と言いながらズボンを押し上げているシロエの半身に手を持っていく。
脱がせようとベルトに手を伸ばすが、力の入らない手ではうまく外せず、ぼろぼろ涙が出る。
ぐずぐず泣いていると、はぁ、と上からため息。
「・・・・仕方ないなぁ」
「ふ、ぇ」
「ほら、もういいから。ベッド行くぞ」
ひょい、と横抱きされ、階段を上がって寝室へ行きシロエの身長に合わせて作った寝台に下ろされる。
離れたくなくて首に回した腕に力を入れると、少し笑ってその体制のままベルトを外して前を寛げた。
「はや、ああぁぁっ」
「っは、まだキツい、か」
ずん、と一気に挿れられたそれに、嬌声を上げてまたイッてしまう。
ひくん、ひくんと痙攣する腰を掴まれると、一度ゆっくり抜かれて、また一気に挿れられる。その度にイッてるんじゃないか、というくらいに中が収縮している。動くと、中のシロエのモノの形が分かり、頭が焼ききれそう。
「ゃ、あうっ、あ、ん♡」
「嬉しそうな顔して、そんなに欲しかったのか?」
「んっ♡ほしかった、のっ♡」
「そうか、ならいっぱい、突いてやらないと、なっ」
「ゃあああああああんっっっ」
ゆっくりゆっくり、出し入れされるそれに合わせて腰を押し付けていると、急にギリギリまで抜いたと思ったら、がつん、と子宮を潰さんばかりに突き上げられ、快感に星が飛んだ。その勢いで、ガツガツと何度も子宮口を突かれる。
「♡ ♡ ♡」
「は、声、出てねぇ、し・・・おら、出すぞっ」
「ふ、あ♡ にああああぁぁ・・・っ♡」
びゅーびゅー、出される熱い飛沫に中に広がっていく熱を感じてその刺激にまたイく。
「あ、あ♡ しろえのいっぱい、でてる・・・・♡」
震えながらも、その愛おしい熱にふわふわする頭でお腹を撫でていると、入ったままなのに身体を起こされてシロエの半身を深く咥えこんでしまう。
しかも、なんか、大きくなって、る?
「し、しろえ、おっきぃ」
「あ?誰が1回で終わる、つったか?」
「でも、もう、おなか、いっぱい・・・」
「だぁいじょうぶ。まだまだ出来るって」
ぐぐぐ、と硬く大きくなっていくそれとシロエの身体に青くなりながら無理だと首を振るが、態とらしい笑顔で残酷に否定される。
逃げようとするも、いつの間にか赤色から戻った、大好きな黄金糖の瞳で見られると逆らえない。
「いっぱい愛してやるからな♡」
……………………………………
「で?何で指輪をしてなかった?」
ぎゅうぎゅう、ベッドに寝転がって人間サイズのシロエに抱き締められながら、うとうとしていると落ち着いた声で問われる。
あれから、半巨人サイズで3回、汚れを落とすからと人間サイズに戻って挿れたまま連れて行かれたお風呂で1回、またベッドで勃ったからと2回もヤラれてくったくただ。何度も意識を失ったが、その度回復魔法をかけられ突かれて起こされた。もう指一本も動かない。
その後、またお風呂で洗われてマッサージまでしてくれて、やっとベッドに戻った。
「お掃除してて、汚したくないし傷付いたらやだから、外したの」
「ずっと着けてろって言っただろう。壊れたら、また買うから」
「それはやだ。・・・・これが、いいの」
黄金糖の瞳と同じ、黄色の透き通った石。
私の為に、わざわざ遠く危険な雷竜の住んでいる山まで行って採って来てくれたこの石が付いている、この指輪がいいのだ。
「これじゃないと、やなの」
ふふふ、と夢心地にくすくす笑うと、ギシリと音を立ててシロエが身体を起こした。
「・・・・勃った」
「は?」
「可愛すぎて勃った。責任取れ」
「え、ちょ、ま、きゃああああんっ」
やっと眠れたのは、三つ子の月が山に隠れ、双子の太陽が顔を出した頃だった。
……………………………………
ばっさばっさ
「・・・すまん」
ばさばさばさ
「後悔はしていない。が、反省はしている」
ばさっばさっ
「いっ・・・す、すまん・・・」
翌朝、2つのツリーの枝に叩かれながら、酒をやるシロエの姿があった。
その日1日、店は開けられず咲の姿を見たものは居なかったという。
「まいどどーもぉ。お爺様に飲み過ぎはほどほどにって、よろしくお伝えしてね」
「あぁ、伝えとくよ。ありがとな」
からん、とベルを鳴らして出て行く客に軽く手を振る。
窓の外を見ると、もう日が暮れそうで2つある双子の太陽がやや橙色に染まっている。今日は今の客で店仕舞いとしよう。
残金を確認し帳簿を開いて日付を書く。
異世界に来て早くも1年経とうとしていた。
私、水崎咲と友人、陽花と澄の3人で、卒業以来久々に海外旅行へ行くところであった。
早朝、滅多に行かない空港に早めに行って、搭乗前に空港内を見て回ろうとホームで静かに友人達とはしゃいでいたところに、床が光り気付いたら神殿のようなところで旅行用に新調した大きめのスーツケースを持って突っ立っていた。
気を失って倒れていた大学生くらいの女の子と、同じく倒れていた陽花を澄と手分けして起こしたところで、何やらきらきらしい一団が、唯一あった木製の扉から入ってきた。
きらきらしいって比喩じゃなく、アレだ、確かに全員お綺麗な顔なんだけど、服がね・・・豪華絢爛、贅沢してますーって感じにキラキラしていたのだ。金糸銀糸、宝石飾りの縫取り。うう、目がチカチカする。
なのに、連れて行かれた先で何かきらきらしい(比喩ではない)広い部屋で王様の話では、現在他国からの侵略や魔物の被害により大層困っている、聖女のお力が必要なのです、だそうだ。
いやいや、ある程度威厳が必要なのだろうが、この部屋といいこの部屋の人間の服や体型、肌艶といい、贅沢してます感がぷんぷんしている。もうちょっと質素な部屋で疲弊感ある顔していれば理解できるものの、そんな気配はまったくない。
陽花の機転で城を出て、隣接している森に行かなきゃいけないとの事で、そのまま魔国へ移動。
道中に聞いた話では、陽花はこの世界の女神より、この世界の緑の精霊王の伴侶として連れてこられたらしい。私と澄は巻き込まれたのだそうで、元の世界には帰れないんだとか。しかし、巻き込んだ代わりとして貰った私のユニークスキル、『水崎商店』を使って、元の世界と連絡が取れた。
水崎商店は私の実家で酒の卸売、販売をしている。代表取締役が私の父で、5代目なのでそこそこ長くこの商売を続けているのだが、最近ではコンビニで手軽にお酒が買えてしまうため、居酒屋などの飲食店への卸の数も少しずつ減り、店も外観が昔ながらの専門店と言うような威厳のある佇まいなのでなかなか人が入らず、来店者数が減ってしまい売上も右肩下がりだった。
そこで、家族の中で唯一インターネット環境に詳しかった(兄もスマホは使えるが、触れる程度でそんなに詳しくなかった)私がネット通販を提案しホームページを作成、スマホ用ページも用意したところ売上も徐々に回復した。
その中に何となく思いつきで作った、お客様のおすすめのお酒を投稿してもらうコーナーがちょっと評判になった。うちで買ったものに問わず、その名の通りお客様が美味しいおすすめのお酒を写真も添付してメールフォームで送信してもらい、私と兄で内容を精査してホームページ内のワンコーナーに週替りで紹介するのだ。地元でしか売っていない珍しいお酒の写真を送ってくれる人や、うちで買ったワインやビールを仲間や家族と一緒に楽しく飲んだなどの報告とともに写真を送ってくれるグループもあり、なかなか人気のあるコーナーになり売上向上にも貢献している。
そのコーナーのおかげで、こちらの写真と状況をやり取り出来たのだ。作った当時の私を褒め称えたい。
最初は疑われまくったが、私達と一緒にうつる見たことない植物や精霊、獣人や魔人などを見て何とか納得してくれた。
今ではホームページからお酒を大量に注文し、緑の精霊王が住む森の入り口で酒屋を開いて、秘蔵のお酒として売っている。海外の人からも買ってもらえるようドルや元などで表示できるようにしていたら、こちらの単位でも変換されるようになっていたのだ。便利か。
それに気付いてからは、持って来ていた日本円でお酒を買って、宿屋の食堂に売り込みちまちま稼ぎながら魔国まで旅をした。魔国の主要都市ダリアに着くと、城門に待ち構えていた国の筆頭魔術師に緑の精霊王からお告げがあったからとそのまま森へ連れて行かれ、あれよあれよと目的だった緑の精霊王と面会に至った。
現在は、巻き込んだ詫びにと緑の精霊王に作ってもらったツリーハウスの1階で、森の入口を挟んで反対に立っているツリーハウスで朝から夕方まで食堂を開いている陽花と澄の店に卸したり、そこから流れて来たり口コミで来てくれたお客相手にお酒を売って暮らしている。
因みにこのツリーハウス、お世話は朝に1回水崎商店で買ったお酒をそれぞれ1本あげるだけなんだけど、家の中のお掃除を勝手にやってくれるし、森に近づこうとする、良からぬ考えを持つ輩は払って――物理的に。あの魔法学校の暴○柳みたいに枝でサヨナラ満塁ホームランを打ってくれる。めっちゃしなる――くれるし、お願いすれば家の拡張までしてくれる。お酒を上げると、次の日にはその原料がなるし――ワインなら葡萄がなる。焼酎で芋や米がなったときはほんとに驚いた。しかも全部めちゃくちゃ美味しいし沢山なるから隣の食堂でも使っている――、なかなか有能な木なのだ。お酒もそれぞれ好みがあり食堂のツリーさんはワイン、うちのツリーさんは米焼酎が好きらしく、なる量や質が段違いだ。緑の精霊王の好みに似たのかと思ったが、彼はウイスキー派だ。個人(木?)的なもののようだ。
酒屋を開いてから知ったが、先々代の緑の精霊王――精霊王の代替わりなんてそんなにしないから、数千年は前のことらしいけど詳しい年数は分からないそうだ――の伴侶も地球から連れてこられたそうで、黒髪・黒目のその人はスキルを魔法のようだと言い、魔女だと名乗って暮らしていたそうだ。その名残か、黒髪――陽花は茶色に染めてたけど、だんだん伸びてプリンになったから、精霊王に頼んで魔法で黒に戻してもらった――黒目の私達を、初対面の人やお客さんは『魔女さん』と呼んでくる。おかげで、この店も『魔女の酒屋さん』として広まってしまったため、そのまま店名として使っている。
「――よし、帳簿終わりっと」
お金の残金を入れた鍵付きの鉄の箱と帳簿を纏めてカウンター下の引出しにしまい閉めるとカウンター下が木目が消え一枚板のようになる。
ここは私と、私が認めた人が触らないと元の引出しに戻らないようになっている。
ツリーさん最高すぎる。下手な城壁よりもセキュリティ最強。一生ここで暮らすわ。
発注は上でやることにして。どんな種族でも通れるようにと大きくしてある扉から出て店前に出している看板を店内にしまう為に外に出ると、昼に寄ってくれた商隊にいた、犬の獣人さんが立っていた。
「こ、こんばんは!」
「こんばんは、どうかされました?」
「えっと、あの」
「・・・あ、もしかしてうちの商品に何か不具合でも」
「いえ!そんな、全然何とも無かったです!!じゃなくて」
「なら良かったです・・・?」
何だかそわそわした様子で、お尻から出ている尻尾もふらふら揺れている。
かわいい、来たときも思ったけど、やっぱり実家のちゃーこに似てる。撫でちゃだめかな。
揺れるしっぽを目で追っていると、がし、と手を掴まれた。
「へぁ?」
「今晩、食事でもいきませんか?街の方で」
「え?」
「しっぽ、触りたいんでしょ?どうです?」
キラキラした目で、きゅうん、と見つめてくる犬獣人にどうしたものかと息を吐く。
取り敢えず手を離してほしいし、どう断ろうかと口を開く。と。
「ただいま、咲」
「あら、お帰りなさい。早かったわね、シロエ」
ぬ、と影が出来たと思ったら、シロエが帰ってきた。
珍しい、いつもはもう少し低いのに、今日は3mくらいの大きさだ。
どうしたのかな、と考えながらも放置したままだったお客様に向き直る。
「すみませんが、夫が帰ってきましたので行けません。食事はお昼なら出れないこともないですが」
「え、夫って・・・・・まさか、近衛騎士団長様!?」
「えぇ、そうですが・・・うちの妻に、何か?」
「え、ご結婚されてたんですか!?」
「? そうですが・・・?」
「・・・し、失礼しました!!」
がば、と頭を下げたかと思うと、びゅん、と王都の方向へ駆け出してあっという間に消えていった。
さすが獣人、足速いなぁ。
「しっぽ、可愛かったのに・・・・・」
「獣人の耳や尻尾を触るのは、求愛の証だって前に教えただろう。絶対触るな」
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動作の丁寧さはいつも通りだが、いささか乱暴な口調と、団服上からつけている胸当てや篭手を外す手付きに怒りを感じて腰を浮かせる。
「そこで待機」
「や、疲れたでしょ、お茶でも」
「た、い、き」
ぴしゃり、と言い放たれ思わず正座になる。
脱ぎ捨てた防具を乱暴に足で隅に押しやると、抱き上げられ向かい合わせになるように足を跨いで座らせられる。
逃げられない。
「さて、さっきのは何だ?」
「なに、とは」
「何故、食事に誘われてた。あれは客か?」
「今日仕入れに来た商隊にいた人でした。茶色の毛並みがちゃーこに似てて可愛いと思って声はかけましたが、しっぽふわふわで素敵ですねって、それだけです。食事の件はよく分かりませんです、はい」
「毛並みを褒めるのも好意を持っていると伝える一種だ。前に言っただろう・・・忘れてたな?」
「・・・・え、えへ」
ぎろり、と睨まれ笑って誤魔化すと、にや、と口角が上がるのを見て背筋が震える。黄金糖のような透き通った黄色の目が、赤く染まっている。
こ、これはヤバいぞう!?
「ご、ごめんなさ」
「お仕置き、だな」
……………………………………
「ひゃぅ、あぁぁんっ」
ビシャビシャと潮を吹きながら、びくびくと身体が震えイッたことを中に挿れられたシロエの指に伝えてしまう。もう何回イッたのか、イッてもイッても間をおかず責めたてられているため殆どイきっぱなしだ。
「あーあ、また潮を吹いたのか、制服がびしょびしょなんだがなぁ」
「ゃ、ま、って」
「だあめ」
「ぅやんっ」
イッてもイッても、ずっと指でぐちゅぐちゅと中を掻き混ぜられる。
がり、とたくし上げられたシャツとブラから出ている胸を乳首ごと噛まれ、その刺激に身体がまた震えた。
「はは、噛まれてイッたのか?」
「にやあっ」
いんらん、と囁かれながら下肢の花芽を摘まれ再度イッてしまう。
その刺激でイッたのか、指でイッたのか声でイッたのか。ぐずぐずに溶けた頭の中は、もう理性のかけらも残っちゃいない。
欲しい、ほしい、ホシイ。
「やらやら、ごめな、しゃ」
「っ、おい」
「も、ゆぅして、これ、ほしいよう」
「・・・」
「おなか、せつないよぉ」
これ、と言いながらズボンを押し上げているシロエの半身に手を持っていく。
脱がせようとベルトに手を伸ばすが、力の入らない手ではうまく外せず、ぼろぼろ涙が出る。
ぐずぐず泣いていると、はぁ、と上からため息。
「・・・・仕方ないなぁ」
「ふ、ぇ」
「ほら、もういいから。ベッド行くぞ」
ひょい、と横抱きされ、階段を上がって寝室へ行きシロエの身長に合わせて作った寝台に下ろされる。
離れたくなくて首に回した腕に力を入れると、少し笑ってその体制のままベルトを外して前を寛げた。
「はや、ああぁぁっ」
「っは、まだキツい、か」
ずん、と一気に挿れられたそれに、嬌声を上げてまたイッてしまう。
ひくん、ひくんと痙攣する腰を掴まれると、一度ゆっくり抜かれて、また一気に挿れられる。その度にイッてるんじゃないか、というくらいに中が収縮している。動くと、中のシロエのモノの形が分かり、頭が焼ききれそう。
「ゃ、あうっ、あ、ん♡」
「嬉しそうな顔して、そんなに欲しかったのか?」
「んっ♡ほしかった、のっ♡」
「そうか、ならいっぱい、突いてやらないと、なっ」
「ゃあああああああんっっっ」
ゆっくりゆっくり、出し入れされるそれに合わせて腰を押し付けていると、急にギリギリまで抜いたと思ったら、がつん、と子宮を潰さんばかりに突き上げられ、快感に星が飛んだ。その勢いで、ガツガツと何度も子宮口を突かれる。
「♡ ♡ ♡」
「は、声、出てねぇ、し・・・おら、出すぞっ」
「ふ、あ♡ にああああぁぁ・・・っ♡」
びゅーびゅー、出される熱い飛沫に中に広がっていく熱を感じてその刺激にまたイく。
「あ、あ♡ しろえのいっぱい、でてる・・・・♡」
震えながらも、その愛おしい熱にふわふわする頭でお腹を撫でていると、入ったままなのに身体を起こされてシロエの半身を深く咥えこんでしまう。
しかも、なんか、大きくなって、る?
「し、しろえ、おっきぃ」
「あ?誰が1回で終わる、つったか?」
「でも、もう、おなか、いっぱい・・・」
「だぁいじょうぶ。まだまだ出来るって」
ぐぐぐ、と硬く大きくなっていくそれとシロエの身体に青くなりながら無理だと首を振るが、態とらしい笑顔で残酷に否定される。
逃げようとするも、いつの間にか赤色から戻った、大好きな黄金糖の瞳で見られると逆らえない。
「いっぱい愛してやるからな♡」
……………………………………
「で?何で指輪をしてなかった?」
ぎゅうぎゅう、ベッドに寝転がって人間サイズのシロエに抱き締められながら、うとうとしていると落ち着いた声で問われる。
あれから、半巨人サイズで3回、汚れを落とすからと人間サイズに戻って挿れたまま連れて行かれたお風呂で1回、またベッドで勃ったからと2回もヤラれてくったくただ。何度も意識を失ったが、その度回復魔法をかけられ突かれて起こされた。もう指一本も動かない。
その後、またお風呂で洗われてマッサージまでしてくれて、やっとベッドに戻った。
「お掃除してて、汚したくないし傷付いたらやだから、外したの」
「ずっと着けてろって言っただろう。壊れたら、また買うから」
「それはやだ。・・・・これが、いいの」
黄金糖の瞳と同じ、黄色の透き通った石。
私の為に、わざわざ遠く危険な雷竜の住んでいる山まで行って採って来てくれたこの石が付いている、この指輪がいいのだ。
「これじゃないと、やなの」
ふふふ、と夢心地にくすくす笑うと、ギシリと音を立ててシロエが身体を起こした。
「・・・・勃った」
「は?」
「可愛すぎて勃った。責任取れ」
「え、ちょ、ま、きゃああああんっ」
やっと眠れたのは、三つ子の月が山に隠れ、双子の太陽が顔を出した頃だった。
……………………………………
ばっさばっさ
「・・・すまん」
ばさばさばさ
「後悔はしていない。が、反省はしている」
ばさっばさっ
「いっ・・・す、すまん・・・」
翌朝、2つのツリーの枝に叩かれながら、酒をやるシロエの姿があった。
その日1日、店は開けられず咲の姿を見たものは居なかったという。
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