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ゲーム大会

第7話

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「それが意外と織ちゃんの場合は、ゲームに結構お金かけてるって言ってまして、ヘッドセットもいくつも試して今に至るって言ってましたので、案外対応できるかもしれないです(笑)。なので、問題は愛ちゃんですかね」

「へぇーなるほど、それは初耳です。もう趣味の粋を超えてますね(笑)」

「どっちが本業なのかってたまに思います(笑)」

そうこうしていると銃撃戦が始まった。と思えば最初のキル、ファーストキルが即座に表示されて実質の試合開始となり、ついに均衡が破れた瞬間でもある。

「あーっと頭を狙われたかー!?なんと今回の優勝候補のヒロ選手脱落ー!なんという波乱な展開‼これで全体予選上位3人が全て全国大会予選で敗れるという面白い試合になりました!」

まさかの予選全体の一位の選手があっさりと敗れた事により会場がどよめく。このゲームは先手必勝な部分があると言っているが、とはいえ、部位でダメージ数が違う。特にヘッドショットと言われる、頭を打ち抜く行為は、武器によって一撃で殺られる。だからこそみんな最初は慎重なのだ。誰かが打ってしまえば、大体の位置が分かるので、それから動き出す選手が殆ど。

現時点で地区予選トップ10の内、5人が既に敗戦するという波乱の展開が起きている様子。一気にメンバーに勝利が見えて来た。

「ここで南側の方で何か動きがあった様です」

家村さんがそう言うと画面が南エリアに映る。するとそこには愛花を含めで4人の選手が居て、その4人に動きがあった様子。その中で愛花視点となり、周りの騒動で物陰から動けない状況にいる。因みにMCに映る画面は観戦画面。声自体もYouTV用なので、プレイヤーからは分からない。現場はというと観覧席も居るので、所在をバラさない様に状況実況をする。

「愛花選手、幸い見つかってない様子だがそこを中心に周りで戦闘しているので身動きが取れない状態の様ですね」

「八方塞がり状態ですね、どうする愛ちゃん」

家村さんの言葉に私がそう言う。とここで愛ちゃんは数ある武器の中でスナイパーライフルを持ち、一人に照準を合わせる。

「おっとなんとスナイパーライフルを構える!しかも一撃武器で、部位に当たっても瀕死状態に出来るウルトラレア武器だ!」

なんとここで形勢逆転かと思える武器を入手していた愛花。とはいえ、状況は変わらず、恐らく打った瞬間位置バレして、一気に袋の叩きになる。
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