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仮面を被った私達

第19話

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その後も撮影は進み、食事、挙式、挙式和装、披露宴、お色直し等、結婚式ってこんなにも大変なのかという思いの中で撮影を続けた。因みにウチのマネージャーでもある島田さんは、食事シーンが終わった頃に戻って来て一緒に見学し、延べ8時間の撮影は終了したのだが、疲れどころか好きな人と‥というか、『彼氏』と夢のある仕事が出来た事もあり、嬉しさが勝っていた。

「はい、本日の撮影は終了でーす。出来上がりは早くて来月以降で、その時にはお手数ですけど何処かのタイミングで再度お越し頂いて最終確認をし、5月末に発行という形になります」

それを聞いた瞬間、私はまた西君と会えると思って内心嬉しくなった。

「そうなんですね、西さんの所と何処かで日程を合わせないといけないという事ですね?」

「なるほど…」

想いに浸る中、島田さんと西君マネージャー同士がそう言った。

「そうですね、出来ればお互いが揃ってた方が確認も早いので、30分くらい時間を頂ければ助かります。こちらの方も完成が見えてきましたら早めにご覧楽差し上げますね」

「助かります」

「それでは、改めましてこれで撮影は終了です、お疲れ様でした」

「「お疲れさまでした」」

そう言って我々は控室に戻る。その最中、西君のマネージャーからある提案を出される。

「折角なんで打ち上げしますか?」

「良いですねー」

そう答えたのはウチのマネージャーの島田さん。実は今日丸1日の撮影という事もあり、西君のマネージャーともすっかり意気投合していた。しかも2人共大のお酒好き。撮影の終盤でも”この後の飲むお酒は美味しいですよー”とか言っていた。
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