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起転承[乱]結Λ
47話 帰還。
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老将パトリック・ハイデマンが帝国の行く末に暗雲を感じ始めたのは今より十年以上遡った日からとなる。
帝国歴2790年――。
臣下臣民に愛された偉大な女帝イドゥンは病に倒れ、宰相を通じ退位を表明した。
以来、太上宮に移った先帝は、先頃の快気祝いに至るまで人前に出る事は無くなっていたのである。
代わって女帝の座を継いだのは、癇気癖の噂される年端もいかないウォルデンの少女だった。
奇しくも同年、ベルニク領邦においても悲劇が起こる。
領主エルヴィン・ベルニクの逝去、邦笏を継いだ息子トールの放蕩、そして奸臣オリヴァー・ボルツの台頭――。
状況が良くなる見込みなど無い様に思えていた。
――よもや――このような日を迎えるとはな。
最敬礼で並び立つ将校達へ軽く目礼した後、数名の近習を従え乗艦タラップを登る女帝の背を見詰め、パトリックは感慨めいたものを感じていた。
火星方面管区艦隊の旗艦マウォルスⅣ世は、親征艦隊の主を自身の土手腹に招じたのである。
全ては、女帝ウルドによる、この言葉で始まった。
「余を使え」
オソロセア外征軍司令エカテリーナとの会談後、合従の困難さに思いを巡らせていたパトリックは、名誉近習レイラに呼ばれ女帝の許へ再び参じる次第となった。
跪いた彼の頭に、ウルドは先の言葉を告げたのである。
「――」
咄嗟には女帝の意図を汲み取れず、パトリックは黙したまま思案気な表情を浮かべた。
「あの――パトリック様」
そこへ、名誉近習レイラが、女帝の許しを得た上で声を掛ける。
「姉妹の中では私だけなのですけれど――、父ロスチスラフの語る戦話と謀議が大層好きな子供で御座いました」
ロスチスラフの国盗りについても、彼は娘に対し明け透けに実情を聞かせている。
彼が頸を取った愚物と同じ轍を踏む事が無いように、という教訓だったのかもしれない。
「文武を問わず、高官方々の人物評に及んだ事も――」
と、言葉の末を濁して、レイラは柔に笑んだ。
――なるほど――エカテリーナ殿の評を陛下に耳打ちされたのだな。
――女傑ではあろうが、合従するには確かに難のある人物と思える。
「パトリック」
老将の腑に落ちた様子を見て取り、再び女帝は口を開いた。
「虫も好かぬ老婆でありながら童子の仮面を被り衆目を謀る許し難き女豹が――」
ここまでを、息もつかず一気にまくし立てた。
余程、腹に据えかねている相手なのだろう、とパトリックは推察する。
「宮攻めなどと愚挙に及ぶ隙を生んだのも、合従の難儀さであろ」
邦の異なる将兵が和するには、諸侯達の弄んで来た権力争いの歴史が長すぎた。
「はい。真――真に仰せの通りに御座います」
それは、彼自身が予てより抱いていた思いである。
封建制の性とはいえ、諸侯達の下らぬ権力争いこそが、帝国の制度疲労を起こしていた真因なのだ。
同じ懸念を女帝が共有していると解した老将は、気の晴れる思いから笑みそうになるのを鋼の意思で抑えた。
彼は己の感情を軽々に表に出す事を好まない。
かくして、パトリックは類例なき女帝の提案を実現すべく動く意を固めた。
――親征である。
件の女帝宣下により、ベルニク、オソロセア連合による三万隻の連合艦隊は、ノルドマン領に巣食う賊的を掃う親征軍となった。
さすがのエカテリーナ・ロマノフも、女帝が座する旗艦より発せられる下知に、あれやこれやといらぬ口を挟みはしないだろう。
つまり、パトリック・ハイデマンは女帝の威を借りて親征軍を差配すれば良いのである。
――稀に見る豪気な御方だ。
――癇気癖などと、世迷言であったな。
と、大いに好感と畏敬の念を新たにした老将だったのだが、女帝ウルドより発せられた最後の問いには些かの疑問を残している。
「ところで、パトリック」
謁見の間を去ろうとした彼の背をウルドが呼び止めた。
「卿の主人、うむ――その――いや、ほれ――アレの事じゃ」
「トール様――で御座いますか」
名を忘れるはずもなかろうが、と幾分か不審の念を抱きつつパトリックは応えた。
「それよそれ。して、つかぬことを尋ねるのだがな」
女帝ウルドは、なぜか居住まいを正して告げた。
「アレの好む――」
◇
「ニコライ様」
埋伏の毒として七つ目が蒔いた種は、奇禍に在って存分に芽吹いたと言えるだろう。
マクギガンを離反させ、親殺しの大罪で息子を狂わせた。
結果として、依るべき主を喪った領邦は瞬く間に腐り、強勢なアラゴン選帝侯の犬と成り果てたのである。
だが――、
「暫し待て」
使用人の女に声を掛けられたニコライだったが、旅支度の手を休める事は無かった。
彼は急ぎマクギガンを離れる必要があるのだ。
――名家の馬鹿息子は始末に負えん。
現状の顛末に抱くニコライの感想である。
逆らえぬよう弱体化させた庇護すべ子熊を捨て置き、今を煌めく牡鹿を狩る名誉を欲した浅はかさに呆れていたのだ。
――だが、七つ目殿が止められなかった点は気になるな……。
逃げるベルニクなど追わず、クルノフに艦隊を留めておきさえすれば全ては上手く運んだはずなのである。
多数の天秤衆を喪ったとはいえ、マクギガンは危地に陥らず、尚且つクルノフも手に入っただろう。
――あるいは、ベルニクに対する復讐に逸る天秤衆の横槍という可能性もある。
――レオ殿が倒れたイリアムは、あの気狂い共を御し切れていないのでは……。
「ニコライ様――お急ぎ頂きませんと――」
自らの想念に沈む様子を見せる男に、使用人の女が再び声を掛けた。
「ああ、うむ」
「お迎えが屋敷の外に参っております」
「そうか」
錦の御旗を持つ三万隻の親征軍に、マクギガンの領邦軍が抗し得るはずがない。
アラゴンの援軍が期待できない以上、ニコライの取るべき選択肢は一つである。
「では、私は行く」
「お気をつけて」
「何を言う」
ニコライは珍しく笑みを浮かべながら言った。
「気を付けるべきは、お前の方だろう」
手に持っていた荷物を床に降ろし、ニコライは両手で女の肩を掴んだ。
彼女が持つ漆黒の瞳を覗き込み、不安と快楽の狭間を揺さぶる響きを帯びた声音で囁いた。
「マクギガンが陥ちたとて、屋敷の使用人はそのままとされるだろう」
「――はい」
「必ずや、ノルドマンの信を得よ」
己に代わる毒を置いてゆくのだ。
「そして刻を見て――お前の毒牙で喰らい付け」
◇
オビタルの都合で様々な惑星に移住させられた地表人類の多くは、さほど豊かとは言えない生活を送っている。
地球という矮小な空間における覇者の末裔は、宇宙時代に適合した種に仕える存在へ堕していたのだ。
だが、インフィニティ・モルディブの地表人類は幸運な部類と言えた。リゾート開発がホモ・サピエンスを潤わせていたからである。
ビーチサイドに建つアパートメントで暮らすモリスという男も、インフィニティ・モルディブの恩恵を受けている者のひとりだった。
だが、この日のモリスは、最悪の気分で目を覚ました。
夢うつつの微睡から、大きな音で鳴り響く警報音に起こされたのである。
「──昨日は飲み過ぎたな。何も覚えちゃいねぇ」
海風を感じれば二日酔いも治まるかと考え、モリスは寝室の窓を開け放つ。
空、海、ビーチ、そしてヨットハーバー。
彼の愛する眺望が眼下に拡がっていた。
「ん――」
だが、すぐにモリスは常と様子が異なる事に気付く。
「――誰も――いない?」
砂浜に人影は無く、帆を掲げセーリングを愉しむヨットの姿も見えない。
「どういう事だ」
地表人類はニューロデバイスに適合しないが、照射モニタを扱うデバイスは身に着けている。
モリスが腕を軽く振ると、地元メディアの報道が映し出された。
「ま、まじかよ――」
昨夜未明にインフィニティ・モルディブの地表管轄院は、彼の暮らす地域住民への避難命令と一般人の立ち入り禁止命令を布告していたのである。
その他、百カ所以上の広い地域で、避難命令あるいは勧告が出されていた。
理由は――、
「な、何だ、こりゃ!?」
モリスは微振動する地面と、遠くから響いて来る地鳴りのような音に顔色を失った。
見た事も無い速度で潮が引いている。
その現象が津波の来る前兆という知識はモリスにも有った。
即座に行動すべき時なのだが、彼はもう一つの異常現象に目を奪われてしまう。
「島が――」
微量ながら有毒ガスの確認されており、地元では誰も近付こうとしない島である。
今、その島が、ゆっくりと動いているのだ――。
「に、逃げねぇとっ!!」
そう叫んで窓に背を向けたモリスの判断は正しかったのだが、惜しむらくは次なる絶景を見逃した点だろう。
巨大な地下格納庫の天盤部だった島が二つに割れ、渦を巻く海水を白鯨の如く腹に飲み込んでいった。
押し寄せる濁流を跳ね除け、地中に隠されて来た少女艦隊が浮上を開始したのだ。
海水を滴らせながら姿を現した千隻の艦艇は、メタリックシルバーの外殻部が陽光に照らされ鈍い輝きを放っている。
島の直上千二百フィートまで音も無く上昇した後、咆哮のような炸裂音を轟かせると瞬く間に青空の小さな黒点となった。
かくして少女達は、母なる宇宙へ帰還したのである。
帝国歴2790年――。
臣下臣民に愛された偉大な女帝イドゥンは病に倒れ、宰相を通じ退位を表明した。
以来、太上宮に移った先帝は、先頃の快気祝いに至るまで人前に出る事は無くなっていたのである。
代わって女帝の座を継いだのは、癇気癖の噂される年端もいかないウォルデンの少女だった。
奇しくも同年、ベルニク領邦においても悲劇が起こる。
領主エルヴィン・ベルニクの逝去、邦笏を継いだ息子トールの放蕩、そして奸臣オリヴァー・ボルツの台頭――。
状況が良くなる見込みなど無い様に思えていた。
――よもや――このような日を迎えるとはな。
最敬礼で並び立つ将校達へ軽く目礼した後、数名の近習を従え乗艦タラップを登る女帝の背を見詰め、パトリックは感慨めいたものを感じていた。
火星方面管区艦隊の旗艦マウォルスⅣ世は、親征艦隊の主を自身の土手腹に招じたのである。
全ては、女帝ウルドによる、この言葉で始まった。
「余を使え」
オソロセア外征軍司令エカテリーナとの会談後、合従の困難さに思いを巡らせていたパトリックは、名誉近習レイラに呼ばれ女帝の許へ再び参じる次第となった。
跪いた彼の頭に、ウルドは先の言葉を告げたのである。
「――」
咄嗟には女帝の意図を汲み取れず、パトリックは黙したまま思案気な表情を浮かべた。
「あの――パトリック様」
そこへ、名誉近習レイラが、女帝の許しを得た上で声を掛ける。
「姉妹の中では私だけなのですけれど――、父ロスチスラフの語る戦話と謀議が大層好きな子供で御座いました」
ロスチスラフの国盗りについても、彼は娘に対し明け透けに実情を聞かせている。
彼が頸を取った愚物と同じ轍を踏む事が無いように、という教訓だったのかもしれない。
「文武を問わず、高官方々の人物評に及んだ事も――」
と、言葉の末を濁して、レイラは柔に笑んだ。
――なるほど――エカテリーナ殿の評を陛下に耳打ちされたのだな。
――女傑ではあろうが、合従するには確かに難のある人物と思える。
「パトリック」
老将の腑に落ちた様子を見て取り、再び女帝は口を開いた。
「虫も好かぬ老婆でありながら童子の仮面を被り衆目を謀る許し難き女豹が――」
ここまでを、息もつかず一気にまくし立てた。
余程、腹に据えかねている相手なのだろう、とパトリックは推察する。
「宮攻めなどと愚挙に及ぶ隙を生んだのも、合従の難儀さであろ」
邦の異なる将兵が和するには、諸侯達の弄んで来た権力争いの歴史が長すぎた。
「はい。真――真に仰せの通りに御座います」
それは、彼自身が予てより抱いていた思いである。
封建制の性とはいえ、諸侯達の下らぬ権力争いこそが、帝国の制度疲労を起こしていた真因なのだ。
同じ懸念を女帝が共有していると解した老将は、気の晴れる思いから笑みそうになるのを鋼の意思で抑えた。
彼は己の感情を軽々に表に出す事を好まない。
かくして、パトリックは類例なき女帝の提案を実現すべく動く意を固めた。
――親征である。
件の女帝宣下により、ベルニク、オソロセア連合による三万隻の連合艦隊は、ノルドマン領に巣食う賊的を掃う親征軍となった。
さすがのエカテリーナ・ロマノフも、女帝が座する旗艦より発せられる下知に、あれやこれやといらぬ口を挟みはしないだろう。
つまり、パトリック・ハイデマンは女帝の威を借りて親征軍を差配すれば良いのである。
――稀に見る豪気な御方だ。
――癇気癖などと、世迷言であったな。
と、大いに好感と畏敬の念を新たにした老将だったのだが、女帝ウルドより発せられた最後の問いには些かの疑問を残している。
「ところで、パトリック」
謁見の間を去ろうとした彼の背をウルドが呼び止めた。
「卿の主人、うむ――その――いや、ほれ――アレの事じゃ」
「トール様――で御座いますか」
名を忘れるはずもなかろうが、と幾分か不審の念を抱きつつパトリックは応えた。
「それよそれ。して、つかぬことを尋ねるのだがな」
女帝ウルドは、なぜか居住まいを正して告げた。
「アレの好む――」
◇
「ニコライ様」
埋伏の毒として七つ目が蒔いた種は、奇禍に在って存分に芽吹いたと言えるだろう。
マクギガンを離反させ、親殺しの大罪で息子を狂わせた。
結果として、依るべき主を喪った領邦は瞬く間に腐り、強勢なアラゴン選帝侯の犬と成り果てたのである。
だが――、
「暫し待て」
使用人の女に声を掛けられたニコライだったが、旅支度の手を休める事は無かった。
彼は急ぎマクギガンを離れる必要があるのだ。
――名家の馬鹿息子は始末に負えん。
現状の顛末に抱くニコライの感想である。
逆らえぬよう弱体化させた庇護すべ子熊を捨て置き、今を煌めく牡鹿を狩る名誉を欲した浅はかさに呆れていたのだ。
――だが、七つ目殿が止められなかった点は気になるな……。
逃げるベルニクなど追わず、クルノフに艦隊を留めておきさえすれば全ては上手く運んだはずなのである。
多数の天秤衆を喪ったとはいえ、マクギガンは危地に陥らず、尚且つクルノフも手に入っただろう。
――あるいは、ベルニクに対する復讐に逸る天秤衆の横槍という可能性もある。
――レオ殿が倒れたイリアムは、あの気狂い共を御し切れていないのでは……。
「ニコライ様――お急ぎ頂きませんと――」
自らの想念に沈む様子を見せる男に、使用人の女が再び声を掛けた。
「ああ、うむ」
「お迎えが屋敷の外に参っております」
「そうか」
錦の御旗を持つ三万隻の親征軍に、マクギガンの領邦軍が抗し得るはずがない。
アラゴンの援軍が期待できない以上、ニコライの取るべき選択肢は一つである。
「では、私は行く」
「お気をつけて」
「何を言う」
ニコライは珍しく笑みを浮かべながら言った。
「気を付けるべきは、お前の方だろう」
手に持っていた荷物を床に降ろし、ニコライは両手で女の肩を掴んだ。
彼女が持つ漆黒の瞳を覗き込み、不安と快楽の狭間を揺さぶる響きを帯びた声音で囁いた。
「マクギガンが陥ちたとて、屋敷の使用人はそのままとされるだろう」
「――はい」
「必ずや、ノルドマンの信を得よ」
己に代わる毒を置いてゆくのだ。
「そして刻を見て――お前の毒牙で喰らい付け」
◇
オビタルの都合で様々な惑星に移住させられた地表人類の多くは、さほど豊かとは言えない生活を送っている。
地球という矮小な空間における覇者の末裔は、宇宙時代に適合した種に仕える存在へ堕していたのだ。
だが、インフィニティ・モルディブの地表人類は幸運な部類と言えた。リゾート開発がホモ・サピエンスを潤わせていたからである。
ビーチサイドに建つアパートメントで暮らすモリスという男も、インフィニティ・モルディブの恩恵を受けている者のひとりだった。
だが、この日のモリスは、最悪の気分で目を覚ました。
夢うつつの微睡から、大きな音で鳴り響く警報音に起こされたのである。
「──昨日は飲み過ぎたな。何も覚えちゃいねぇ」
海風を感じれば二日酔いも治まるかと考え、モリスは寝室の窓を開け放つ。
空、海、ビーチ、そしてヨットハーバー。
彼の愛する眺望が眼下に拡がっていた。
「ん――」
だが、すぐにモリスは常と様子が異なる事に気付く。
「――誰も――いない?」
砂浜に人影は無く、帆を掲げセーリングを愉しむヨットの姿も見えない。
「どういう事だ」
地表人類はニューロデバイスに適合しないが、照射モニタを扱うデバイスは身に着けている。
モリスが腕を軽く振ると、地元メディアの報道が映し出された。
「ま、まじかよ――」
昨夜未明にインフィニティ・モルディブの地表管轄院は、彼の暮らす地域住民への避難命令と一般人の立ち入り禁止命令を布告していたのである。
その他、百カ所以上の広い地域で、避難命令あるいは勧告が出されていた。
理由は――、
「な、何だ、こりゃ!?」
モリスは微振動する地面と、遠くから響いて来る地鳴りのような音に顔色を失った。
見た事も無い速度で潮が引いている。
その現象が津波の来る前兆という知識はモリスにも有った。
即座に行動すべき時なのだが、彼はもう一つの異常現象に目を奪われてしまう。
「島が――」
微量ながら有毒ガスの確認されており、地元では誰も近付こうとしない島である。
今、その島が、ゆっくりと動いているのだ――。
「に、逃げねぇとっ!!」
そう叫んで窓に背を向けたモリスの判断は正しかったのだが、惜しむらくは次なる絶景を見逃した点だろう。
巨大な地下格納庫の天盤部だった島が二つに割れ、渦を巻く海水を白鯨の如く腹に飲み込んでいった。
押し寄せる濁流を跳ね除け、地中に隠されて来た少女艦隊が浮上を開始したのだ。
海水を滴らせながら姿を現した千隻の艦艇は、メタリックシルバーの外殻部が陽光に照らされ鈍い輝きを放っている。
島の直上千二百フィートまで音も無く上昇した後、咆哮のような炸裂音を轟かせると瞬く間に青空の小さな黒点となった。
かくして少女達は、母なる宇宙へ帰還したのである。
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