俺が嫁いだ神様は超ワンコ系男子でした

あんみつ~白玉をそえて~

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努力の朝ごはん

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「んぅ……」

起きようとして、異変に気づく。全身が、とてつもなく重い。と、やっと昨日のことを思い出す。

「そうだっ、シキっ」
「んー?俺はここだぞ」

台所の方から声がする。

「あともうちょっと、待っててくれよ~」

その声に、昨日の恐ろしさはどこにもない。ひとまずその事実に安堵して、俺はとりあえずシキを待った。
お待たせ!そう言ってシキが持ってきたのは、朝飯だった。ご飯に味噌汁にたくあんに卵焼き……焦げひとつない、美しい仕上がり。

「これっ、げほっ」
「ああ、まず水だな。ほら」

口元に湯呑みを添えられる。正直、今は腕1本動かすことすらしんどかったので、これには助かった……多少の恥ずかしさはあったが。
一気飲みして、聞きたかったことを再開する。

「これ、あなたが?」

彼しかいないとわかっていながら、信じられなかった。目を丸くする俺に、彼は笑顔で答える。

「おう!透ほど上手じゃないけど、味もちゃんと食えるから」

そういえば、この人は料理をしているとそれをいつも眺めてきていた。だとしても、この出来はすごい。

「にしても、本当に上手です……すごいですね。見ただけで?」
「あ、はは……実はそれ、作るの3回目なんだけどな」

彼いわく、前二つはあまりにも酷かったので自分で食べたとの事。思わず笑いが漏れる。

「むしろ、そっちを食べたかった気もしますね」
「あ……」
「?シキ?」

はああああと大きくため息をつくシキ。状況がわからず首を傾げていると、シキは顔を手で押さえながら話す。

「昨日、お前にすごい無理させただろ?だから嫌われたらどうしようって……本当によかったああ~昨日はごめんなあ、自分でも制御が聞かなくて……あんなドロっとした感情、初めてで。あれが嫉妬なんだなあ」

合点がいく。彼の態度が最初からどこか遠慮しがちだったのはこれが理由か。可愛いな、なんて思う。神様が、俺ごときの感情ひとつでこんなに振り回されるなんて。俺のような弱い人間1人にうろたえるなんて。安心させるように、シキの手を顔からどかして、目線を合わせる。

「大丈夫ですよ。元はと言えば俺のせいですし……ただ」
「……はい」
「あれはやりすぎです!!!」
「その通りです、ごめんなさい!!!」

本当に悪かったと謝り続けるシキに、聞こえるか聞こえないかの声で、ひとつ。

「ただ、まあ……その感情、嬉しくなくはないです」

自分で言って、自分で恥ずかしくなる。
途端にウキウキし出すシキに文句を言って、その日は朝飯を全部俺に食べさせる刑に処した……むしろよりデレてた気もするが。
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