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コスプレ? CG?
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俺は驚きと狼狽、興奮で少し震えながら、つけられたコメントを読んでいった。
「なにこれ? むちゃくちゃかわいいやん!」
「本物のエルフ、初めて見た!」
「これ、コスプレ? 少なくとも日本人じゃないだろ?」
「CGだろ」
「コスプレにしろ、CGにしろ、ショウのオリジナルではない」
「そうだな、拾い物だろ」
「そんなの、勝手に上げていいのか?」
「ちょっと調べてやる」
「ああ、こいつ『見守り娘 俺がまとめて守りますっ!』の作者か……ロリ好きだな」
「これはロリじゃないだろ。二十歳ぐらいか?」
「エルフだから二百歳ぐらいだって!」
「違法アップロード、通報しました!」
「オリジナルの出どころ、はよっ!」
「すげえな、剣とかの質感、本物に見える……金かけてんな」
「ちょっと待て! 拡大したけど、この青い目、カラコンじゃないぞ!」
「だから外人だって」
「なんでショウのトゥイッターに外人が載ってるんだ?」
「確かに、背景とか石造りの廊下だし、芝生があるし、ずっと後ろは森っぽいし、日本ではないな」
「お前ら、ちゃんと説明読んでるか? 『ただいま、異世界訪問中!』って書いてるだろ? 異世界なんだよ」
「そうか、だからエルフがいるのか。納得」
「このクオリティなら、オリジナルは他でも拡散されてそうなものだけどな……」
「見つけたら炎上させられるぞ! ……まあ、ショウ程度の作家はその心配ないか」
「もっとエロいのないのか、エロいの!」
「一枚だけじゃ何とも言えないな……CGだとしたらものすごいクオリティだけど、たぶんそれはない」
「この美貌で、今にも切りかかってきそうな迫力……たまんないなっ!」
「この娘に切り刻まれたいっ!」
「はよ、この娘の画像、もっと! はよ!」
………………。
正直、わずか数時間でこんなことになっているとは思わなかった……。
炎上、というわけでもないが、俺のオリジナルとは思われていないので、そこまで大騒ぎというわけでもない。
もともと、俺はこれでも文学賞を受賞して書籍化までこぎつけた作家の端くれなので、フォロワーは3000人近くいてくれたのだが……それでも、リツイートが5000、というのは驚いた。今までの最高記録を、10倍ぐらい上回っている。
「……トゥエル、凄いことになっている……これ、いいのか?」
部屋の隅にちょこんと座っている白猫に、震えた声でそう尋ねた。
「ニャ? よく分からないけど、広まっているならいいことじゃないかニャ?」
「……けど、リツイートだけで、数時間で5000だぞ?」
「やっぱりよくわからないけど、この短時間に5000人が反応してくれたなら、確かにそれはすごいニャ。カガクの進歩、ってやつかニャ。でも、前にゲートを通った人は、その体験をもとにして物語を描いて、それが出版されて大ヒットして、もっと大勢の人に読まれてたと思うから、まだまだ大したことないニャ」
「……いや、一日で5000だぞ。まあ、大ヒットした本の売り上げとは比べられないけど……ちなみに、それっていつの話だ?」
「……えっと、たぶん、その作者が最初に本を出したのは80年以上前だと思うニャ。そのあと、シリーズ化して何冊も出してたはずニャ」
「80年!? そんなに前なのか……そんな昔に異世界のファンタジー小説って……」
と、そこである超有名な作家の名前が頭に浮かんで、鳥肌がたった。
ある世界的な大ヒット小説――ゾクゾクと、背筋に悪寒が走るというか、とんでもない事実に気づいたような気がして、震えが止まらなかった。
その小説にも、俺が撮影したソフィアと同じタイプのエルフが登場する――。
「……いや、まさかな……」
そんなことがあるわけないと、俺は無理やり自分を納得させた。
「なにこれ? むちゃくちゃかわいいやん!」
「本物のエルフ、初めて見た!」
「これ、コスプレ? 少なくとも日本人じゃないだろ?」
「CGだろ」
「コスプレにしろ、CGにしろ、ショウのオリジナルではない」
「そうだな、拾い物だろ」
「そんなの、勝手に上げていいのか?」
「ちょっと調べてやる」
「ああ、こいつ『見守り娘 俺がまとめて守りますっ!』の作者か……ロリ好きだな」
「これはロリじゃないだろ。二十歳ぐらいか?」
「エルフだから二百歳ぐらいだって!」
「違法アップロード、通報しました!」
「オリジナルの出どころ、はよっ!」
「すげえな、剣とかの質感、本物に見える……金かけてんな」
「ちょっと待て! 拡大したけど、この青い目、カラコンじゃないぞ!」
「だから外人だって」
「なんでショウのトゥイッターに外人が載ってるんだ?」
「確かに、背景とか石造りの廊下だし、芝生があるし、ずっと後ろは森っぽいし、日本ではないな」
「お前ら、ちゃんと説明読んでるか? 『ただいま、異世界訪問中!』って書いてるだろ? 異世界なんだよ」
「そうか、だからエルフがいるのか。納得」
「このクオリティなら、オリジナルは他でも拡散されてそうなものだけどな……」
「見つけたら炎上させられるぞ! ……まあ、ショウ程度の作家はその心配ないか」
「もっとエロいのないのか、エロいの!」
「一枚だけじゃ何とも言えないな……CGだとしたらものすごいクオリティだけど、たぶんそれはない」
「この美貌で、今にも切りかかってきそうな迫力……たまんないなっ!」
「この娘に切り刻まれたいっ!」
「はよ、この娘の画像、もっと! はよ!」
………………。
正直、わずか数時間でこんなことになっているとは思わなかった……。
炎上、というわけでもないが、俺のオリジナルとは思われていないので、そこまで大騒ぎというわけでもない。
もともと、俺はこれでも文学賞を受賞して書籍化までこぎつけた作家の端くれなので、フォロワーは3000人近くいてくれたのだが……それでも、リツイートが5000、というのは驚いた。今までの最高記録を、10倍ぐらい上回っている。
「……トゥエル、凄いことになっている……これ、いいのか?」
部屋の隅にちょこんと座っている白猫に、震えた声でそう尋ねた。
「ニャ? よく分からないけど、広まっているならいいことじゃないかニャ?」
「……けど、リツイートだけで、数時間で5000だぞ?」
「やっぱりよくわからないけど、この短時間に5000人が反応してくれたなら、確かにそれはすごいニャ。カガクの進歩、ってやつかニャ。でも、前にゲートを通った人は、その体験をもとにして物語を描いて、それが出版されて大ヒットして、もっと大勢の人に読まれてたと思うから、まだまだ大したことないニャ」
「……いや、一日で5000だぞ。まあ、大ヒットした本の売り上げとは比べられないけど……ちなみに、それっていつの話だ?」
「……えっと、たぶん、その作者が最初に本を出したのは80年以上前だと思うニャ。そのあと、シリーズ化して何冊も出してたはずニャ」
「80年!? そんなに前なのか……そんな昔に異世界のファンタジー小説って……」
と、そこである超有名な作家の名前が頭に浮かんで、鳥肌がたった。
ある世界的な大ヒット小説――ゾクゾクと、背筋に悪寒が走るというか、とんでもない事実に気づいたような気がして、震えが止まらなかった。
その小説にも、俺が撮影したソフィアと同じタイプのエルフが登場する――。
「……いや、まさかな……」
そんなことがあるわけないと、俺は無理やり自分を納得させた。
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楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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