1 / 3
プロローグ
しおりを挟む
「今日の相手は…なかなか手強いな… でもその分やり甲斐がある!」
部屋の片隅でPCと睨めっこをしている俺は桐生 仁、21歳の大学生3年生で実家を出て一人暮らしをしている。
「よし、攻め込んでやるか…!」
…で、なにをしているかというと、簡単に言えばオンラインゲームだ。
『Tale of Messiah Online』、通称TMOという名のMMORPGで、自由度が高いことを売りにしているゲームだ。広大なマップ、重厚感のあるストーリー、ギルド単位でのモンスター討伐、他のプレイヤーとのコミュニティ、毎月行われるイベントなどプレイヤーを飽きさせぬたくさんの要素があり、リリースされて5年以上経過しているがユーザーは増える一方で、現在日本だけでも500万人近くの人達がプレイしている。
リリースされた当時、俺は高校に入学したばかりだったがこのゲームに魅せられてすぐに始めた。いわゆる最古参プレーヤーだ。
このゲームはタイトルの通り、救世主となって自分が選択した国を強大にしていくというストーリーがある。どこかの国に属し、兵士から始め最終的には英雄となれる。
しかし、俺はどこの国にも属さず『傭兵』というジョブを選んだ。
『傭兵』は各国のストーリークエストを進めることはできないが代わりに高難易度のクエストを受注しやすい。そして何より得られる経験値と報酬が普通より多い。
ギルド単位での対人戦やモンスター討伐を好む俺としてはまさにうってつけのジョブだった。
こうして俺はストーリーを進めることなくただひたすらに強さを求めて毎日プレイしていた。
こういうゲームに課金は付き物で、俺も既にバイト代を注ぎ込んで何十万もの額を入れている。ギルドのメンバーも俺と同じ様な人達で、重課金勢が多かった。そのため俺の所属していたギルドは瞬く間に強くなり、一時期は最強ギルドとして君臨していたこともあった。
時は過ぎ、同じギルドのメンバー達もリアルの忙しさを理由に辞めていく者や隠居する者が増え、最終的にギルドには俺だけが残った。
かつて最強を誇り、数々のイベントを制覇してきたこのギルドでも一人で残るのは寂しく思い、このギルドを出て他のギルドに短期で戦力として雇ってもらい報酬を得る、自身のジョブと同じ傭兵稼業をしていた。
最強ギルドの一員として活動していた俺は気づけばレベルはカンスト、スキルやアビリティも全制覇しており既にトッププレイヤーの一人だった。
そのためギルドを出た後もたくさんのギルドから勧誘された。現在最強ギルドだったり、昔よく対戦していたギルドだったり、発展途上のギルドだったり…
そんなギルドを転々としてきて、今はかつての知り合いがマスターをしているギルドに世話になっていた。
「よし!今日も勝ち!」
無事に対人戦に勝利し、チャットで一言、「お疲れ様!」と入力した。
「そういえば今日でここも1ヶ月か… 楽しかったけどまた別の所に行くか…!」
そう決めて、ギルドバトルの報酬を受け取り別れの挨拶をチャットで済ませた後、ギルドを脱退した。
「次はどんな所へ行こうか…」
久しぶりに発展途上のギルドのお手伝いでもするか… そんなことを考えながら勧誘待ちをしていた。
「…ん?」
たくさん来る勧誘の中で一つ、目を引くものがあった。
『JIN様、どうかこの国をお助けください』と短い文章。よく勧誘に使われる定型文でもなく、わざわざ俺のプレーヤーネームである”JIN”と入れて、しかもこの”ギルド”ではなく”国”と書かれていることが違和感を覚える。
普通なら迷惑メールの類として流す様なものかもしれないが今回はどうしてか興味が湧いた。
「とりあえず入るだけ入ってみるか」
興味本位でギルドへ加入のボタンを押した時だった。突然一面は白い光に包まれ、俺の意識は遠のいていった…
部屋の片隅でPCと睨めっこをしている俺は桐生 仁、21歳の大学生3年生で実家を出て一人暮らしをしている。
「よし、攻め込んでやるか…!」
…で、なにをしているかというと、簡単に言えばオンラインゲームだ。
『Tale of Messiah Online』、通称TMOという名のMMORPGで、自由度が高いことを売りにしているゲームだ。広大なマップ、重厚感のあるストーリー、ギルド単位でのモンスター討伐、他のプレイヤーとのコミュニティ、毎月行われるイベントなどプレイヤーを飽きさせぬたくさんの要素があり、リリースされて5年以上経過しているがユーザーは増える一方で、現在日本だけでも500万人近くの人達がプレイしている。
リリースされた当時、俺は高校に入学したばかりだったがこのゲームに魅せられてすぐに始めた。いわゆる最古参プレーヤーだ。
このゲームはタイトルの通り、救世主となって自分が選択した国を強大にしていくというストーリーがある。どこかの国に属し、兵士から始め最終的には英雄となれる。
しかし、俺はどこの国にも属さず『傭兵』というジョブを選んだ。
『傭兵』は各国のストーリークエストを進めることはできないが代わりに高難易度のクエストを受注しやすい。そして何より得られる経験値と報酬が普通より多い。
ギルド単位での対人戦やモンスター討伐を好む俺としてはまさにうってつけのジョブだった。
こうして俺はストーリーを進めることなくただひたすらに強さを求めて毎日プレイしていた。
こういうゲームに課金は付き物で、俺も既にバイト代を注ぎ込んで何十万もの額を入れている。ギルドのメンバーも俺と同じ様な人達で、重課金勢が多かった。そのため俺の所属していたギルドは瞬く間に強くなり、一時期は最強ギルドとして君臨していたこともあった。
時は過ぎ、同じギルドのメンバー達もリアルの忙しさを理由に辞めていく者や隠居する者が増え、最終的にギルドには俺だけが残った。
かつて最強を誇り、数々のイベントを制覇してきたこのギルドでも一人で残るのは寂しく思い、このギルドを出て他のギルドに短期で戦力として雇ってもらい報酬を得る、自身のジョブと同じ傭兵稼業をしていた。
最強ギルドの一員として活動していた俺は気づけばレベルはカンスト、スキルやアビリティも全制覇しており既にトッププレイヤーの一人だった。
そのためギルドを出た後もたくさんのギルドから勧誘された。現在最強ギルドだったり、昔よく対戦していたギルドだったり、発展途上のギルドだったり…
そんなギルドを転々としてきて、今はかつての知り合いがマスターをしているギルドに世話になっていた。
「よし!今日も勝ち!」
無事に対人戦に勝利し、チャットで一言、「お疲れ様!」と入力した。
「そういえば今日でここも1ヶ月か… 楽しかったけどまた別の所に行くか…!」
そう決めて、ギルドバトルの報酬を受け取り別れの挨拶をチャットで済ませた後、ギルドを脱退した。
「次はどんな所へ行こうか…」
久しぶりに発展途上のギルドのお手伝いでもするか… そんなことを考えながら勧誘待ちをしていた。
「…ん?」
たくさん来る勧誘の中で一つ、目を引くものがあった。
『JIN様、どうかこの国をお助けください』と短い文章。よく勧誘に使われる定型文でもなく、わざわざ俺のプレーヤーネームである”JIN”と入れて、しかもこの”ギルド”ではなく”国”と書かれていることが違和感を覚える。
普通なら迷惑メールの類として流す様なものかもしれないが今回はどうしてか興味が湧いた。
「とりあえず入るだけ入ってみるか」
興味本位でギルドへ加入のボタンを押した時だった。突然一面は白い光に包まれ、俺の意識は遠のいていった…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる