案内人は苦労中！

プロローグ、と見せかけて第1章！

捨てないで！

こんにちは、毎度おなじみ琴音です。
いやぁ、最近よく思うんですけど、異世界に来てから現実逃避することが多くなってきたっぽいです。
やっぱりただの人間が異世界へ行くなんて無理だったんだよ。
こういうのはやっぱりチート能力を付けてやって貰わないと。
私は、もう無理だ。
家に帰りたいよぉ～
お母さん～
お父s…はどうでもいいか。
弟よ～
二人共私が居なくなったこと、気にしてなさそうだけど私は寂しい。
寂しくて死んでしまいそうだ。
うさぎは寂しいと死んじゃうんだよぉ。
私はうさぎじゃないけど。
しかも周りの人がいい人ばっかりだから寂しくもないけど。
あれ？これ、帰っても帰らなくても同じじゃね？
周りが変わるだけじゃないか。
それに私は寂しいくらいで死なないし。
はっ！
そう考えると私って最強じゃないか⁉︎
よし来た！
これで勝つる！
フハハハハハ
遂に、遂に私の時代が来る！
よし、それじゃあ今から元号をコトネに変えよう。
話はそれからだ！


…となる訳も無く、私は一人でに違う世界へと旅立っていた相棒意識をリアルへと戻した。
今回はちゃんと自分で戻って来ましたよ。
誰か～褒めて褒めて！
アリシアさん、そんな呆れた顔をせずに褒めてください！

「…本当にそうなのよね？」

そう言うとアリシアさんはおじさんに視線だけを向けた。
おや？どういたしましたか？
そんなことよりアリシアさん、褒めてくださいよ！
おじさんと見つめ合わずに！

「残念ながら、本当だ」

おじさん、なぜ首を振る？
私を褒めるなってか？
何故だ。
少し調子に乗るかもしれないけど、褒めるのはタダだよ！
さぁ！

「コトネ、これから大切な話しがあるの。心して聞いて頂戴」

いや、大切な話しがあるという事はもうこの部屋に入ってきた時から感じていたよ。
それにしても、心の準備？
私、やっぱり何かしたのか⁉︎
もしかして捨てられる？
え、ちょっと待ってください。
まだまだ心の準備は…

「まだ先の話なんだけど、コトネちゃんを貰いたいって人が居るのよ」

え？
そ、それって捨てられないという事ですか？
よっしゃ！私は生きながらえたぞ！
でも、私を貰いたい人？
貰う＝おじさんたちと離れる
やっぱり私は捨てられる？
嗚呼、さようなら皆さん。
コトネはよくわからない人に貰われます。
せめて、私の冥福をお祈りください。
それでは、御手を合わせて貰いたいと思います。

「別に、コトネちゃんが嫌なら断っても良いのよ？」

だからそんな絶望した顔をしないで、とアリシアさんは言った。
それじゃあ、私は捨てられる訳ではないのか。
マジで良かった。
それにしても、何故にそんな話を？