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第2話・領地に到着しました。
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馬車を乗り継ぎ二十日もかけてやっと領地ツヴァイルドに到着した。
「あれが、俺の領地か」
「領地ではありますが、その、何て言うか…」
「うん。完全に村だな」
小さな町の領地と聞いていたのだが、どうみても村としか思えないそこの防備は簡素な木の板を並べただけの柵?のような物があるだけ。一応門番兵みたいなのはいるが、その門番兵の持つ槍もボロボロだった。
「何者だ!?」
槍を構えて警戒するのは良いけれど、この場合に限っては悪手だ。
「私の名前はリヒャルト・タイラー。この村の領主になった者だ」
「領主?お前みたいなガキが…ヒィッ!」
ガキがと言いかけた門番兵の右目にアリアのレイピアの切先が突きつけられる。
「ガキ?そうか。確かに俺はガキだが…名乗りを上げてからの無礼は許されざる大罪だぞ。斬首刑か火刑か選ばせてやる」
一人称が私から俺に変わったリヒャルトから放たれる殺気とアリアのレイピアに門番兵は腰を抜かしてしまい、股座には大きな染みが出来ていた。
「ああ。因みにコレが領主である証しだ」
三日月に三つ星の家紋が施された短剣わ見せると、門番兵は口をパクパクさせながら必死に命乞いをする。
「お、おゆ…お許しを…お許し、下さい」
「死にたくないか」
門番兵は全力で何度も頷く。
リヒャルトは門番兵の胸倉を掴んで更に殺気を強くして一言だけ言った。
「次は殺す」
しかし、その警告は門番兵には届かなかった。何故なら既に気を失っていたからだ。
リヒャルトの殺気とアリアのレイピアという二つの恐怖に耐えられなかったのだろう。
リヒャルトは蔑みに満ちた目で門番兵を一瞥すると、アリアと共に町に入っていく。
「此処か?」
「はい。町民が言っておりましたので、間違いはないかと」
「そうか」
領主邸…と呼ぶには余りにも簡素で質素な建物だったが、今日からは此処がリヒャルト達の住む家になる…のだが、ぶっちゃけて言うとボロ屋敷でしかなかった。
中を見て回ると尚のことボロボロだった。
しかしリヒャルトとアリアはニヤリと笑った。
「コレはコレで魔改造のしがいがあるな」
「でございますね」
リヒャルトの魔術スキル【創造】を使えば直ぐにでも綺麗に、いや、それ以上の機能を持った屋敷にする事ができるからだ。
【創造】
それは読んで字の如く、有りと凡ゆる物体や物質を創造、つまり造れるというスキルで、コップや食器、戸棚からベッドなどの家具から武器防具まで自由自在に造りだせるという「超」が付くくらいの凄まじい有能スキルなのだ。
しかし、長兄で王太子であるロバートを除く家族(国王ロマノフ、王妃マチルダ、次兄ハイド、妹のエリザベス)は、その有能さを誰一人として認められなかった。だからリヒャルトを王家から除籍して、こんな辺境の田舎町の領主として追放したのだが…。
「そろそろかな?」
「そうですね。あの方々の悲鳴が聞こえる気がしますね」
リヒャルトの魔術スキルは【創造】の他にも【付与】というものもあり、王家で使われている凡ゆる製品に便利機能を付与していたのだが、追放されると決まった瞬間に、十五日後に付与が解けるようにしたので、これまでのような便利さが無くなり、使い物にならなくなっているだろうから、どんな反応をするのかを想像するだけで笑いが込み上げてきた。
「まあ、良いか。それじゃあ、始めますか。『魔改造』を、な」
リヒャルトは床に両手を突いて、
「【創造】」
と呟いた。
「あれが、俺の領地か」
「領地ではありますが、その、何て言うか…」
「うん。完全に村だな」
小さな町の領地と聞いていたのだが、どうみても村としか思えないそこの防備は簡素な木の板を並べただけの柵?のような物があるだけ。一応門番兵みたいなのはいるが、その門番兵の持つ槍もボロボロだった。
「何者だ!?」
槍を構えて警戒するのは良いけれど、この場合に限っては悪手だ。
「私の名前はリヒャルト・タイラー。この村の領主になった者だ」
「領主?お前みたいなガキが…ヒィッ!」
ガキがと言いかけた門番兵の右目にアリアのレイピアの切先が突きつけられる。
「ガキ?そうか。確かに俺はガキだが…名乗りを上げてからの無礼は許されざる大罪だぞ。斬首刑か火刑か選ばせてやる」
一人称が私から俺に変わったリヒャルトから放たれる殺気とアリアのレイピアに門番兵は腰を抜かしてしまい、股座には大きな染みが出来ていた。
「ああ。因みにコレが領主である証しだ」
三日月に三つ星の家紋が施された短剣わ見せると、門番兵は口をパクパクさせながら必死に命乞いをする。
「お、おゆ…お許しを…お許し、下さい」
「死にたくないか」
門番兵は全力で何度も頷く。
リヒャルトは門番兵の胸倉を掴んで更に殺気を強くして一言だけ言った。
「次は殺す」
しかし、その警告は門番兵には届かなかった。何故なら既に気を失っていたからだ。
リヒャルトの殺気とアリアのレイピアという二つの恐怖に耐えられなかったのだろう。
リヒャルトは蔑みに満ちた目で門番兵を一瞥すると、アリアと共に町に入っていく。
「此処か?」
「はい。町民が言っておりましたので、間違いはないかと」
「そうか」
領主邸…と呼ぶには余りにも簡素で質素な建物だったが、今日からは此処がリヒャルト達の住む家になる…のだが、ぶっちゃけて言うとボロ屋敷でしかなかった。
中を見て回ると尚のことボロボロだった。
しかしリヒャルトとアリアはニヤリと笑った。
「コレはコレで魔改造のしがいがあるな」
「でございますね」
リヒャルトの魔術スキル【創造】を使えば直ぐにでも綺麗に、いや、それ以上の機能を持った屋敷にする事ができるからだ。
【創造】
それは読んで字の如く、有りと凡ゆる物体や物質を創造、つまり造れるというスキルで、コップや食器、戸棚からベッドなどの家具から武器防具まで自由自在に造りだせるという「超」が付くくらいの凄まじい有能スキルなのだ。
しかし、長兄で王太子であるロバートを除く家族(国王ロマノフ、王妃マチルダ、次兄ハイド、妹のエリザベス)は、その有能さを誰一人として認められなかった。だからリヒャルトを王家から除籍して、こんな辺境の田舎町の領主として追放したのだが…。
「そろそろかな?」
「そうですね。あの方々の悲鳴が聞こえる気がしますね」
リヒャルトの魔術スキルは【創造】の他にも【付与】というものもあり、王家で使われている凡ゆる製品に便利機能を付与していたのだが、追放されると決まった瞬間に、十五日後に付与が解けるようにしたので、これまでのような便利さが無くなり、使い物にならなくなっているだろうから、どんな反応をするのかを想像するだけで笑いが込み上げてきた。
「まあ、良いか。それじゃあ、始めますか。『魔改造』を、な」
リヒャルトは床に両手を突いて、
「【創造】」
と呟いた。
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