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貢献の橋
後の休息
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お姫様抱っこはそのままに、俺はバロンに鍵を開けてもらってノエラの部屋に入る。そして静かに眠る彼女をそっとベッドに下ろしてあげた。ほとんど動きを見せないノエラの姿に、扉の前で控えるバロンは心配そうに言う。
「彼女、何ともないんだな?」
「大丈夫だ。街を守るために精霊魔法を使って疲れただけだよ。ノエラは限界まで頑張ってくれたんだ。今はそっと休ませてあげたい」
「わかった。いつ目を覚ますかわからないが、体に優しい昼食を準備するよう言っておく。お前も昼はしっかり食べろよ」
「ああ。気を遣ってくれてありがとうな」
「ふっ。きちんと料金はもらうから遠慮はするな。ちゃんと降りてこいよ」
「わかったわかった」
バロンは含み笑いを見せつつ階段を下りて行った。俺は静かにノエラの部屋の扉を閉めて、近くにあった椅子に腰を下ろした。久しぶりに見たノエラの寝顔。本当に綺麗だ。目元も口元も、女性らしく柔らかくて整っている。
それでいてどこか凛々しいような、不思議な魅力が彼女にはある。俺はそんな寝顔を見ながら、今日の彼女の姿を思い出した。水が楽譜の旋律のように穏やかに流れ、彼女がそれを指揮するかのように調節していた。
激しい雨の中だったが、その麗しい姿は女神のようで、彼女と手を繋いでいたのが嘘のようだった。彼女と一緒にいられて俺は幸せだな。そうやって思いを巡らせていると、いつの間にか俺は椅子にもたれかかって、満たされた気分のまま眠ってしまったらしい。
物音がして目を覚ますと、扉の前にバロン、ベッドの上には目を覚ましたノエラがいた。
「おはようございます、サムさん」
「んー。おはよう。目が覚めたんだな。思ったより早くて良かったよ」
「お前が後に目を覚ますとはな。昼食の時間になったから呼びに来たらこれだ。まあ、お前も疲れていたんだろうが」
「そうだった、昼食の用意をしてくれてるって言ってたな。悪い悪い」
「今準備ができたばっかりだそうですよ。まずはご厚意に甘えて、昼食をいただきましょう」
「先に行ってるからな」
「おう。俺もすぐに行くよ」
俺はスッと立ち上がって、ゆっくりとベッドから降りたノエラと一緒に食事処に下りていった。昼食の内容はに崩した木の実のマガマニと野菜のスープ。柔らかくて食べやすく、消化にも良さそうだ。
温かい食事の恩恵を感じつつ、雨で冷えた体を温める。服は乾かしてもらったけど、体は地味に冷えたままだったから生き返った。
バロンに昼食代をしっかりと徴収されつつ、まだ本調子でないノエラをベッドに連れていく。そしてあの後、熟練の魔術師が報告を済ませるといっていたことや、お姫様抱っこでノエラを運んだことを伝えると、彼女はほっぺに手を当てて顔を赤くしていた。眼福だ。
そんな風に彼女をからかっていると、宿に来客があったみたいだ。バロンが俺の名前を呼び、下に来いと言っている。俺は渋々下に下りて行ってみると、そこにはゼブルとマーサ、そしてキーラがいた。
彼らは雨に濡れないように、水を弾く上着を着ていたが、俺が下りて来るとすぐに脱いで居住まいを正した。
「神官様、お忙しいところすみません。護衛の手筈が整ったので明日故郷に帰る予定なのですが、その前にどうしてもキーラがあなたとノエラさんに会いたいと駄々をこねてしまいまして……」
「そうだったのか。だがノエラは今調子を崩していてな。あまり人に会える状態じゃないんだが」
「お姉ちゃんびょうきなの? わたしがおおみまいに来たって伝えて!」
「うーん。……まあ仕方ないか。ちょっとくらいなら会ってもいいかもだぞ」
「お兄ちゃんほんと!? 会ってもいいの?」
「ああ。でもいい子にしてるんだぞ?」
「わかった!」
「何から何までご迷惑をかけてしまって申し訳ない」
「いいって。ノエラもきっと喜ぶからさ」
花束を大事そうに持ったキーラの手を引いて、俺はノエラの部屋の戸を開ける。するとノエラはキーラの姿を見てすぐに優しい笑顔になった。
「彼女、何ともないんだな?」
「大丈夫だ。街を守るために精霊魔法を使って疲れただけだよ。ノエラは限界まで頑張ってくれたんだ。今はそっと休ませてあげたい」
「わかった。いつ目を覚ますかわからないが、体に優しい昼食を準備するよう言っておく。お前も昼はしっかり食べろよ」
「ああ。気を遣ってくれてありがとうな」
「ふっ。きちんと料金はもらうから遠慮はするな。ちゃんと降りてこいよ」
「わかったわかった」
バロンは含み笑いを見せつつ階段を下りて行った。俺は静かにノエラの部屋の扉を閉めて、近くにあった椅子に腰を下ろした。久しぶりに見たノエラの寝顔。本当に綺麗だ。目元も口元も、女性らしく柔らかくて整っている。
それでいてどこか凛々しいような、不思議な魅力が彼女にはある。俺はそんな寝顔を見ながら、今日の彼女の姿を思い出した。水が楽譜の旋律のように穏やかに流れ、彼女がそれを指揮するかのように調節していた。
激しい雨の中だったが、その麗しい姿は女神のようで、彼女と手を繋いでいたのが嘘のようだった。彼女と一緒にいられて俺は幸せだな。そうやって思いを巡らせていると、いつの間にか俺は椅子にもたれかかって、満たされた気分のまま眠ってしまったらしい。
物音がして目を覚ますと、扉の前にバロン、ベッドの上には目を覚ましたノエラがいた。
「おはようございます、サムさん」
「んー。おはよう。目が覚めたんだな。思ったより早くて良かったよ」
「お前が後に目を覚ますとはな。昼食の時間になったから呼びに来たらこれだ。まあ、お前も疲れていたんだろうが」
「そうだった、昼食の用意をしてくれてるって言ってたな。悪い悪い」
「今準備ができたばっかりだそうですよ。まずはご厚意に甘えて、昼食をいただきましょう」
「先に行ってるからな」
「おう。俺もすぐに行くよ」
俺はスッと立ち上がって、ゆっくりとベッドから降りたノエラと一緒に食事処に下りていった。昼食の内容はに崩した木の実のマガマニと野菜のスープ。柔らかくて食べやすく、消化にも良さそうだ。
温かい食事の恩恵を感じつつ、雨で冷えた体を温める。服は乾かしてもらったけど、体は地味に冷えたままだったから生き返った。
バロンに昼食代をしっかりと徴収されつつ、まだ本調子でないノエラをベッドに連れていく。そしてあの後、熟練の魔術師が報告を済ませるといっていたことや、お姫様抱っこでノエラを運んだことを伝えると、彼女はほっぺに手を当てて顔を赤くしていた。眼福だ。
そんな風に彼女をからかっていると、宿に来客があったみたいだ。バロンが俺の名前を呼び、下に来いと言っている。俺は渋々下に下りて行ってみると、そこにはゼブルとマーサ、そしてキーラがいた。
彼らは雨に濡れないように、水を弾く上着を着ていたが、俺が下りて来るとすぐに脱いで居住まいを正した。
「神官様、お忙しいところすみません。護衛の手筈が整ったので明日故郷に帰る予定なのですが、その前にどうしてもキーラがあなたとノエラさんに会いたいと駄々をこねてしまいまして……」
「そうだったのか。だがノエラは今調子を崩していてな。あまり人に会える状態じゃないんだが」
「お姉ちゃんびょうきなの? わたしがおおみまいに来たって伝えて!」
「うーん。……まあ仕方ないか。ちょっとくらいなら会ってもいいかもだぞ」
「お兄ちゃんほんと!? 会ってもいいの?」
「ああ。でもいい子にしてるんだぞ?」
「わかった!」
「何から何までご迷惑をかけてしまって申し訳ない」
「いいって。ノエラもきっと喜ぶからさ」
花束を大事そうに持ったキーラの手を引いて、俺はノエラの部屋の戸を開ける。するとノエラはキーラの姿を見てすぐに優しい笑顔になった。
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