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堕天の刺客
共鳴 ☆ノエラ視点
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サムさんが動けなくなってしまった今、他でもない私が戦わなきゃいけない。今から戦うのは、以前戦った魔物とは比べ物にならない相手。神に仕える神聖な天使だ。私は、何もできずにここで殺されるかもしれない。
天使ならきっと慈悲があると、知らず知らずの内に信じていた。いつからかはわからないけれど、自然と、神聖な存在ならば慈愛に満ち溢れているはずだと。
だけど私の前にいるこの天使は違う。明確な敵意の視線、殺意の意思が私を貫く。だから私はここで殺されるだろう。天使なら力は強いはず。最近になってようやく力をきちんと扱えるようになったくらいの精霊使いでは、歯が立たないだろうことくらいは私にもわかる。
だけど……ここは引けない。大切な彼を置いて逃げることは、天地がひっくり返ったってできない。たとえ殺されることになろうとも、逃げるくらいなら……立ち向かってみせる!
天使が止めていた歩を再びゆっくりと進める。そうすると、私の右肩に乗っていた糸の精霊がモコモコの綿を目一杯膨らませる。伝わってくる。この子は――怒っているのだ。
私の大切な人を殺そうとするその非道さに。私を取るに足らないとするその不遜な態度に。周りにいる精霊たちも皆同じように怒りの囁きを交わして、お互いの素直な気持ちを伝えあっている。
聞こえる。みんな私とサムさんのために怒ってくれている。そして怒っているのは、私も同じだった。
『静かなる囁きの調べ。疾風の刃を刹那に乗せて!』
精霊たちが生み出す風の刃が私の元から放たれる。放物線を描くように様々な角度から放たれた刃は、豪速で打ち出されて天使に予想外の一撃を与えたみたいだ。
目には見えにくい風の力は、そのほとんどが天使が展開した結界で防がれたが、ほんの一部だけその結界を突破して破壊する。そしてそのあとに放たれた風の刃が天使の体を傷つけた。
「何!? なんだこの威力は! おかしい。ただの小娘のはずでは? 一体どうやってこんな出力を!? いや、落ち着け。これは……共鳴か」
精霊使いの力は意思の力。精霊使いの思いが強ければ強いほど魔法も強くなっていく。そしてその精霊使いが精霊たちと明確に同じ意思を持ったのなら――その力は何倍にも膨れ上がる!
『虚空と虚無を、静寂と安寧を。すべてを呑んで闇を咲かせて』
闇の精霊が天使の足元に真っ黒の闇の渦をもたらし、光を取り込んで渦を膨張させる。月から降り注ぐ銀の光や、遠くの星々の小さな輝き。火山に舞う火の粉の小さな明かりまですべて、闇は光を奪い尽くす。
竜巻のように天使のあらゆる輝きを奪う闇の渦は、もはや逃れることを許さない。天使が翼を広げて逃げようともがいても、翼の煌めきは呑まれ、天に飛ぶ力を吸い尽くされる。
「小娘如きが図に乗りおって! いいだろう。天使の力を思い知れ!」
大きく広げた真っ白の翼から、奪われた光以上の輝きを放って、天使は私の闇の渦を消し去った。しかもその勢いのまま、光の槍を空中に幾つも出現させて、その槍の先を私に向ける。
「自らの愚かさを死を以て償うがいい!」
眩しい光で形作られた槍が一斉に飛んでくる。光だけあってその速さは凄まじく、避けることもできない。だけど闇の精霊たちが張った闇の障壁が私を守ってくれた。私が頼まずとも、精霊は私をしっかり守ってくれた。
これなら、天使が相手でも戦える。精霊たちは天使よりも格が低い存在。だけど、みんなにそれぞれ意思があって思いがある。みんなが私と同じ思いで戦ってくれる。そうだ。私には、たくさんの味方がいる。これなら――天使とだって渡り合える!
『燃え上がる魂の炎よ、吹き上がり大気さえ焦がし尽くして!』
天使が飛んでいる真下の地面から壮絶な熱量の太い炎の柱が吹き上がる。天使を丸ごと包んでも余る大きさの柱は、天使の体を煌々と焼き飛ばし、翼の大半を塵々に焦がした。天から墜ちて頭を垂れる天使は憎々しげにこちらを睨んでくる。それでも精霊たちも私も怯んだりしない。
「この下衆が! 地に縛られる愚かな人間が天使の私に危害を加えるだと!? 許せん!」
「人間の思いを……大事な人を守ろうとする気持ちは天使にも消せません!」
天使は言葉にならない声をあげながら歯を食いしばっている。このまま戦意を喪失して天界に帰ってもらいたかった。だけど、天使はそうしようとする素振りは見せてくれなかった。それどころか、何を賭してでも私たちを亡き者にしたいみたいだった。
「カロヌガン様、どうか私にお力を! 体が壊れても構いません! この者たちに天罰を与える力をください!」
必死な願い。残酷な願いなのに純粋な天使の言葉は神の元に届いてしまったようだった。私が警戒するのもよそに、天使の元に月から光が降り注ぐ。それを受けて天使の力はまた高まりを見せて、傷が治り、体から力の波動を放ち始めた。
これは……危険過ぎる。こんな力をここで放たれたら、精霊たちの力を合わせても防ぎきれない!
「もう終わりだ人間ども! カロヌガン様から直々に頂いた力、受けてみろ!」
一瞬にして高く舞いあがった天使から鋭い光が迸る。月と同じような光が天使の目の前に集まってすぐさま巨大な球形に。それが時間も置かずに私たちを消し去ろうと迫ってきた。
精霊たちも瞬時に力の強さを察して様々な力の障壁を張ってくれるけど、どれも一瞬で壊れて突破されてしまった。駄目だ。これじゃあ、サムさんが……! そう思った一瞬の内に――。
【邪悪なる守り】
黒い結界。それが迫ってきた巨大な光と拮抗した。だけどそれも一瞬で、球形の同士が接触した部分が、突き抜けるような閃光を散らしつつすべて闇に呑まれていった。これは……?
「ノエラ、ここまで守ってくれてありがとな。もう大丈夫だ」
「貴様!? どうやって浄化を解いた!」
「カロヌガンとか言ってたから知略の天使なんだろ? 無い頭で必死こいて考えてみればいいんじゃないか?」
「黙れ! いい気になるなよ人間が! 天使に勝てるなど夢の――」
「残念だけど勝てるよ。さっきのでお前の体はボロボロみたいだからな」
「なっ!」
本当だ。天使の顔にはひび割れるように光の筋が入ってる。きっと神の力に耐え切れなかったんだ。
「もう勝負はついてるぞ。さっきの一撃で決めきれなかった時点でお前の負けだ」
「そんなことは……」
天使が力を込めようとすると、真っ白な衣服の上からさらにヒビが入った。それでも天使は懲りずに力を解放する。
「止めとけよ。消滅しちまうぞ?」
「私はお前たちを殺さなくてはならないんだ! そうしなければ私は!」
さらに力を込める。そうすると……。
「ぐ、ぐわあああああ!」
天使の体が裂けて、中の光が溢れて霧散した。もはやそれは止めようがなくて、すべての光を失った天使は、火山の空を覆う闇に完全に溶けて消えてしまった。
天使ならきっと慈悲があると、知らず知らずの内に信じていた。いつからかはわからないけれど、自然と、神聖な存在ならば慈愛に満ち溢れているはずだと。
だけど私の前にいるこの天使は違う。明確な敵意の視線、殺意の意思が私を貫く。だから私はここで殺されるだろう。天使なら力は強いはず。最近になってようやく力をきちんと扱えるようになったくらいの精霊使いでは、歯が立たないだろうことくらいは私にもわかる。
だけど……ここは引けない。大切な彼を置いて逃げることは、天地がひっくり返ったってできない。たとえ殺されることになろうとも、逃げるくらいなら……立ち向かってみせる!
天使が止めていた歩を再びゆっくりと進める。そうすると、私の右肩に乗っていた糸の精霊がモコモコの綿を目一杯膨らませる。伝わってくる。この子は――怒っているのだ。
私の大切な人を殺そうとするその非道さに。私を取るに足らないとするその不遜な態度に。周りにいる精霊たちも皆同じように怒りの囁きを交わして、お互いの素直な気持ちを伝えあっている。
聞こえる。みんな私とサムさんのために怒ってくれている。そして怒っているのは、私も同じだった。
『静かなる囁きの調べ。疾風の刃を刹那に乗せて!』
精霊たちが生み出す風の刃が私の元から放たれる。放物線を描くように様々な角度から放たれた刃は、豪速で打ち出されて天使に予想外の一撃を与えたみたいだ。
目には見えにくい風の力は、そのほとんどが天使が展開した結界で防がれたが、ほんの一部だけその結界を突破して破壊する。そしてそのあとに放たれた風の刃が天使の体を傷つけた。
「何!? なんだこの威力は! おかしい。ただの小娘のはずでは? 一体どうやってこんな出力を!? いや、落ち着け。これは……共鳴か」
精霊使いの力は意思の力。精霊使いの思いが強ければ強いほど魔法も強くなっていく。そしてその精霊使いが精霊たちと明確に同じ意思を持ったのなら――その力は何倍にも膨れ上がる!
『虚空と虚無を、静寂と安寧を。すべてを呑んで闇を咲かせて』
闇の精霊が天使の足元に真っ黒の闇の渦をもたらし、光を取り込んで渦を膨張させる。月から降り注ぐ銀の光や、遠くの星々の小さな輝き。火山に舞う火の粉の小さな明かりまですべて、闇は光を奪い尽くす。
竜巻のように天使のあらゆる輝きを奪う闇の渦は、もはや逃れることを許さない。天使が翼を広げて逃げようともがいても、翼の煌めきは呑まれ、天に飛ぶ力を吸い尽くされる。
「小娘如きが図に乗りおって! いいだろう。天使の力を思い知れ!」
大きく広げた真っ白の翼から、奪われた光以上の輝きを放って、天使は私の闇の渦を消し去った。しかもその勢いのまま、光の槍を空中に幾つも出現させて、その槍の先を私に向ける。
「自らの愚かさを死を以て償うがいい!」
眩しい光で形作られた槍が一斉に飛んでくる。光だけあってその速さは凄まじく、避けることもできない。だけど闇の精霊たちが張った闇の障壁が私を守ってくれた。私が頼まずとも、精霊は私をしっかり守ってくれた。
これなら、天使が相手でも戦える。精霊たちは天使よりも格が低い存在。だけど、みんなにそれぞれ意思があって思いがある。みんなが私と同じ思いで戦ってくれる。そうだ。私には、たくさんの味方がいる。これなら――天使とだって渡り合える!
『燃え上がる魂の炎よ、吹き上がり大気さえ焦がし尽くして!』
天使が飛んでいる真下の地面から壮絶な熱量の太い炎の柱が吹き上がる。天使を丸ごと包んでも余る大きさの柱は、天使の体を煌々と焼き飛ばし、翼の大半を塵々に焦がした。天から墜ちて頭を垂れる天使は憎々しげにこちらを睨んでくる。それでも精霊たちも私も怯んだりしない。
「この下衆が! 地に縛られる愚かな人間が天使の私に危害を加えるだと!? 許せん!」
「人間の思いを……大事な人を守ろうとする気持ちは天使にも消せません!」
天使は言葉にならない声をあげながら歯を食いしばっている。このまま戦意を喪失して天界に帰ってもらいたかった。だけど、天使はそうしようとする素振りは見せてくれなかった。それどころか、何を賭してでも私たちを亡き者にしたいみたいだった。
「カロヌガン様、どうか私にお力を! 体が壊れても構いません! この者たちに天罰を与える力をください!」
必死な願い。残酷な願いなのに純粋な天使の言葉は神の元に届いてしまったようだった。私が警戒するのもよそに、天使の元に月から光が降り注ぐ。それを受けて天使の力はまた高まりを見せて、傷が治り、体から力の波動を放ち始めた。
これは……危険過ぎる。こんな力をここで放たれたら、精霊たちの力を合わせても防ぎきれない!
「もう終わりだ人間ども! カロヌガン様から直々に頂いた力、受けてみろ!」
一瞬にして高く舞いあがった天使から鋭い光が迸る。月と同じような光が天使の目の前に集まってすぐさま巨大な球形に。それが時間も置かずに私たちを消し去ろうと迫ってきた。
精霊たちも瞬時に力の強さを察して様々な力の障壁を張ってくれるけど、どれも一瞬で壊れて突破されてしまった。駄目だ。これじゃあ、サムさんが……! そう思った一瞬の内に――。
【邪悪なる守り】
黒い結界。それが迫ってきた巨大な光と拮抗した。だけどそれも一瞬で、球形の同士が接触した部分が、突き抜けるような閃光を散らしつつすべて闇に呑まれていった。これは……?
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本当だ。天使の顔にはひび割れるように光の筋が入ってる。きっと神の力に耐え切れなかったんだ。
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「そんなことは……」
天使が力を込めようとすると、真っ白な衣服の上からさらにヒビが入った。それでも天使は懲りずに力を解放する。
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