夢の世界を救うには(仮)

雨野まいく

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精霊王救出編

身近な場所に

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さっそく家族の協力を得ることに成功した私達は、部屋に戻ってからこの付近に精霊が封じられたものがないか探してみることにした。
専属侍女のマリアとメリアはテーブルの上の鈴を鳴らすまでは他の仕事をしているので気軽に探せる。


『マグノリア、どこに精霊が封じ込められていると思う?ありそうな場所知らない?』

『え?探す必要ないと思うわよ?レイに聞いたらすぐよ!』


はっ!さすがマグノリア、確かにレイに聞けばすぐわかるのにどうして忘れてたかなぁ…
では近くにないか、レイに聞いてみますか!


『レイー、ちょっといいかな?この付近で精霊が封じ込められたアクセサリーがないか分かるかな?』

『もぐもぐ、ごっくん。ん?全然大丈夫だよ!早速探すの手伝ってくれるの!?ありがとう!
 えっとねー、……見つけた!この家の中にいるみたい!』


お菓子食べてる、クッキー食べてる!大きなクッキーを両手で抱えて食べる光景、とっても可愛いわ!

っと、まった!家の中にあるって…えええええ!
そんなに近くにあったの!?
マグノリアからも驚きがひしひしと伝わってくる。


『レイ!?それって本当!?どこにあるの!探しに行きましょう!』

『えっと、それみたい…?』


うん? それ? 「それ」って目に見える範囲にあるものをさして使う言葉よね?
レイの指す方向へ目を向けていく…

それは花瓶だった。そう、アクセサリーではなく宝石がパラパラと埋め込まれた花瓶だった。
なぜっ!?


『うん、僕も見つけた時驚いたんだよ?花瓶とか身につけないようなものになってるのを見た事なかったから… でもほんとここにいるみたいなんだ。ちょっと気配が弱い気がするけどこのピンク色の石かな?』


レイが言う花瓶に近づいて、レイの指し示すピンク色の小さな石に手を近づけていき、そっと触れてみる。
すると体の中から少しだけ、力が抜けるように魔力が抜けたと思えば小さなピンク色の石が暖かい熱を出しながら強く一瞬だけ光った。
それはとても短い間だけれど目を開いていられず、再び目を開けるとそこにはもうピンク色の石が無くなっていた。

そして、とても小さな声が聞こえてきた。
花瓶の近くを目を凝らして見つめてみると花瓶の横にペットボトルのキャップほどのピンク色のヘビがこちらを見つめていた。小さくつぶらな瞳がこちらを見ていて可愛い!


『お主が助けてくれたのか?ありがとうなのじゃ。私はもう、このまま消えるんだと思ってたのじゃ、ずっと長い間石にされていたからのう…』


そのヘビはとても弱っているようでぐったりして見えた。でもどうして弱ってしまったのか分からない。けれどとても悲しそうな雰囲気も伝わってくる。だから話しかけてみることにした。


『はじめまして、私はマグノリア。この子はあなたと同じ精霊でレイっていうの。』

『マグノリア?レイ? 誰かと話すのは久しぶりじゃ。でも人族と会話出来るわけないし、もしかしてこれは最後に見る幻覚で、本当はまだ石にいて、もう消えてしまうのではないかのう…? でも最後にこんな幸せな幻覚が見られるなら、もう満足なのじゃ…』

『マグノリア!この精霊、このままだと本当で消えてしまうよ!今まで封印されて力を搾り取られたせいで体を構成していた魔力が減少しすぎているみたい!』


え!?そんなこと言われてもどうすればいいの!?


『マグノリア!もう時間が無い、助けるなら契約しかない!契約することで魔力の共有ができるよ!』

『精霊さん!これは幻覚ではないわ!あなたを助けたいの、契約を…』


ピンクの精霊に手を伸ばしながら契約したいことを伝えようとすると、触れた瞬間に指輪だったレイに触れた時のようにピンクの精霊の意識世界だろう場所に連れていかれた。




その場所はイメージ通り、薄いけれどほんの少し赤が入ったような白色に限りなく近い赤色の何も無い空間だった。

目の前には自分と同じくらいの背丈だろう赤色のヘビがいる。そう、ペットボトルのキャップサイズではなく8歳児くらいの大きさ。そして、ピンクではなく赤色をした蛇が目の前にとぐろを巻いてこちらを見つめていた。
説明するのが下手へただから、こう言うと怖いような気がするけど本当は怖くない。なんだか優しそうな雰囲気が伝わってくる。
もしかしたらこの姿があのピンク色の蛇の姿なのかもしれない?
ずっと見つめられるのに耐えられず、ついつい契約したいという言葉の理由を聞かれてないのに言ってしまう。


「精霊さん、私は本当にあなたを助けたいの。そして精霊王が封印されてしまったから助けるのに協力して欲しいの…」

「ああ、おぬしの気持ちはわかっている。先程は取り乱してすまなかったのじゃ。久しぶりに会って話せたのが人族で驚きと戸惑いもあったみたいじゃ。そして、最後の精霊王が封印されたことも知っているのじゃ。
 さっき我を助けるために契約したいと言っておったのう?実を言うと我は誰とも契約するつもりはなかったのじゃ。だが、我はおぬしの心に触れ、惹かれている。我もおぬしの力になりたい。じゃから、本当に契約してもらえないかのう?」


私は元々この精霊と契約したいと思っていたのでもちろん拒否するつもりは無い。それに、この落ち着いた雰囲気、何かありそうな気がする。


「もちろんよ!私はマグノリア、私からもお願いするわ!」

「ありがとうなのじゃ!私は火の精霊。マグノリア、我に名をくれんかのう?」


あ、名前…
やばい!火とか炎とか、赤色だとか全然名前になりそうなものが思いつかない!どうしよう。名付けをするまで契約は完了しない、もちろんつけ直しも不可能だ…
赤から連想するとしたら花なら薔薇とか?
宝石ならルビーとかかな?
でもしっくり来ない!
言い換えなら朱色とか、緋色とかある…
朱色、なんだか似合いそうな響きを感じる!シュリなんでどうかな?なんか似合う!これで行こう!

「火の精霊。あなたの名前はシュリよ。」


そう名前をつけた瞬間、魔力が共有されたからか、目の前の精霊の力が増大した事を表すように赤い炎で包まれた。
もちろん熱くはなく、なんなら封印を解いた時のように暖かい。

こうしてまた新しい仲間が増えた。


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