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バランス
第四話
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(……マジで、気まずい)
俺は食堂のラーメンを黙々と食べながら、今の光景があまりに怖すぎて、顔を上げられないでいた。
いつもは美味しく感じるラーメンも、今日は砂を噛んでるみたいだ。
「夕希、美味しい?」
右隣に座っている暁に話掛けられ、俺は無言で頷いた。
「そりゃ、美味いよな。夕希はラーメン大好物だもんな」
今度は左隣に座っている兄貴に、俺は曖昧に頷く。
(兄貴がいなけりゃ、もっと美味いけど……)
内心そう思ったが、兄貴の親衛隊が大勢いる前でそれを言うほど、俺は命知らずじゃない。
「なんでお前が、夕希の好きなもの知ってるんだよ?」
暁の尤もな質問に、兄貴がニヤリと笑う。
(なんか、嫌な予感がする……)
余計なことは言うなよ!という意味を込めて、俺は兄貴を睨んだ。
だが兄貴は素知らぬ顔で、俺が一番嫌がるであろう言い方で、その場を騒然とさせた。
「なんで?そんなの決まってるだろ?夕希は、……俺のものだからだ」
「はぁ!?」
一瞬、周りが怖いほどの静寂に包まれた。
それを破ったのは、俺の間抜けな声だった。
驚き過ぎて、食べていたラーメンを危うく吹き出すところだった。
「一体、何言ってんの!?」
「俺はただ真実を言っただけだけど?」
悪びれもせずに言われて、俺の怒りは頂点に達した。
(せっかく、高校生活は兄貴に左右されずに過ごせると思ったのに)
……これで台無しじゃん。
俺は食堂のラーメンを黙々と食べながら、今の光景があまりに怖すぎて、顔を上げられないでいた。
いつもは美味しく感じるラーメンも、今日は砂を噛んでるみたいだ。
「夕希、美味しい?」
右隣に座っている暁に話掛けられ、俺は無言で頷いた。
「そりゃ、美味いよな。夕希はラーメン大好物だもんな」
今度は左隣に座っている兄貴に、俺は曖昧に頷く。
(兄貴がいなけりゃ、もっと美味いけど……)
内心そう思ったが、兄貴の親衛隊が大勢いる前でそれを言うほど、俺は命知らずじゃない。
「なんでお前が、夕希の好きなもの知ってるんだよ?」
暁の尤もな質問に、兄貴がニヤリと笑う。
(なんか、嫌な予感がする……)
余計なことは言うなよ!という意味を込めて、俺は兄貴を睨んだ。
だが兄貴は素知らぬ顔で、俺が一番嫌がるであろう言い方で、その場を騒然とさせた。
「なんで?そんなの決まってるだろ?夕希は、……俺のものだからだ」
「はぁ!?」
一瞬、周りが怖いほどの静寂に包まれた。
それを破ったのは、俺の間抜けな声だった。
驚き過ぎて、食べていたラーメンを危うく吹き出すところだった。
「一体、何言ってんの!?」
「俺はただ真実を言っただけだけど?」
悪びれもせずに言われて、俺の怒りは頂点に達した。
(せっかく、高校生活は兄貴に左右されずに過ごせると思ったのに)
……これで台無しじゃん。
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