秘密の関係

椎奈風音

文字の大きさ
2 / 68
結城家の兄弟達

第二話

しおりを挟む
「お前ら、朝っぱらから何してんの?」
 急に背後から第三者の声が聞こえて、僕はびっくりして振り返った。

きょう兄ちゃん!」
 背後で呆れたように僕らを見ていたのは、三番目の兄ちゃんだった。
 響兄ちゃんは、僕より3つ年上の大学一年生で、モデルのバイトをしている。
 そのせいか、垢抜けた男らしい美形なんだけど、ちょっとイジワルな所があるから、僕は少し苦手意識を持っている。

「な、何って、別に何もしてないよ!」
 僕がしどろもどろになって答えると、響兄ちゃんが意地悪な笑みを浮かべて、こそっと耳打ちをした。
「暁、見てドキドキしてたくせに」
「……っ!!」
 モロに図星をさされて、僕は焦った。

「違うって!!」
「図星なくせに――」
 追い討ちかけてこないでよ!!響兄ちゃん!
 だから僕、兄ちゃんのこと苦手なんだよ!

「まあまあ、そのくらいにしておいたら?……響兄も」
 にこっと笑みを浮かべて、暁ちゃんが響兄ちゃんをたしなめてくれるが、暁ちゃんの目が笑ってない気がするのは、僕の気のせいなのかな?
 周りの空気が、確実に何度か下がった気がする。
 響兄ちゃんもそれを感じ取ったのか、引きつった笑みを浮かべた。
 そして触らぬ神に祟りなしと思ったのか、さりげなく話題を変えてきた。

「そういや、お前なんでそんな眼鏡かけてるんだよ?」
 響兄ちゃんは、僕がかけていた分厚い黒ぶち眼鏡を指して言った。
 確かに、僕は今まで眼鏡をかけてなかったから、響兄ちゃんが不思議に思うのも頷ける。

はる兄ちゃんに、卒業祝いに貰ったの」
 高校受験の勉強で、視力が落ちた僕に、卒業祝いとして一番上の兄ちゃんがプレゼントしてくれたのだ。
「兄貴に……?なんで、わざわざそんなダサい眼鏡を……」
 内心、僕も貰った時そう思ったけど、流石に人からのプレゼントにケチはつけられない。
 なので、ありがたく(?)使用させてもらっているのだが……。

「ふ~ん。なるほどね」
 じっと僕を見ていた響兄ちゃんが、納得したように頷いた。
「???」
 僕には、さっぱり意味がわからないんですけど……?
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

自己肯定感低めの不幸な義弟が完璧な義兄と大揉めに揉める話

あと
BL
「こんな僕をお兄ちゃんは嫌ってるだろうな」 トップ俳優な完璧超人の義理の兄×不幸な自己肯定感低めのネガティブ義理の弟です。 お金ない受けが追い詰められて変なアルバイトしようとしたら、攻めと再会して……?みたいな話です。 攻めがヤンデレ気味で、受けがマジで卑屈なので苦手な人はブラウザバックで。 兄弟は親が離婚してるため、苗字が違います。 攻め:水瀬真広 受け:神崎彼方 ⚠️作者は芸能界にもお葬式ににもエアプなので、気にしないでください。 途中でモブおじが出てきます。 義理とはいえ兄弟なので、地雷の人はブラウザバックで。 初投稿です。 初投稿がちょっと人を選ぶ作品なので不安です。 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 内容も時々サイレント修正するかもです。 定期的にタグ整理します。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

処理中です...