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衝撃
第三話
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「それで、こっちが後輩の翼」
タカが後ろにいた華奢な少年の手を引き、自分の隣に並ばせた。
俺は自分から注目が逸れたことにほっとし、改めて少年を見た。
(綺麗な子だな)
男にそんなことを言うのは変かもしれないが、彼の繊細な美貌は神が丹念に作った最高傑作みたいだ。
艶やかな黒髪に、深い漆黒の瞳。
瞬きする度に揺れる睫毛は、影が出来るほど長い。
煌めくような金髪を持つタカと並ぶと、全く正反対だが、驚くほどに違和感がない。
「で、コイツが今回俺の相手役だ」
「そっか、モデルだったのか」
それなら群を抜くほどの美貌も理解できる。
前作のCMはタカ一人だったが、今回は相手役がいるみたいだ。
それにしても制作側も、タカの存在感に潰されない逸材をよく見つけてきたと思う。
並みの相手じゃ、引き立て役にもならないからな。
「あの……、俺モデルじゃないですけど」
勝手に自己解決していた俺は、翼君の控えめな声で我に返った。
「……モデルじゃない?」
じゃあ、タレントということだろうか。
それもありそうな気がする。
テレビじゃ見たことないけど、俺が知らないだけなのかもしれないし。
「奏君。翼は一般人だよ。俺の学校の後輩」
「ええっ!?」
驚いてデカイ声を上げた俺に、タカは笑いを噛み殺している。
(一般人って……。ありえないだろ)
俺は呆然として、二人を見た。
タカが後ろにいた華奢な少年の手を引き、自分の隣に並ばせた。
俺は自分から注目が逸れたことにほっとし、改めて少年を見た。
(綺麗な子だな)
男にそんなことを言うのは変かもしれないが、彼の繊細な美貌は神が丹念に作った最高傑作みたいだ。
艶やかな黒髪に、深い漆黒の瞳。
瞬きする度に揺れる睫毛は、影が出来るほど長い。
煌めくような金髪を持つタカと並ぶと、全く正反対だが、驚くほどに違和感がない。
「で、コイツが今回俺の相手役だ」
「そっか、モデルだったのか」
それなら群を抜くほどの美貌も理解できる。
前作のCMはタカ一人だったが、今回は相手役がいるみたいだ。
それにしても制作側も、タカの存在感に潰されない逸材をよく見つけてきたと思う。
並みの相手じゃ、引き立て役にもならないからな。
「あの……、俺モデルじゃないですけど」
勝手に自己解決していた俺は、翼君の控えめな声で我に返った。
「……モデルじゃない?」
じゃあ、タレントということだろうか。
それもありそうな気がする。
テレビじゃ見たことないけど、俺が知らないだけなのかもしれないし。
「奏君。翼は一般人だよ。俺の学校の後輩」
「ええっ!?」
驚いてデカイ声を上げた俺に、タカは笑いを噛み殺している。
(一般人って……。ありえないだろ)
俺は呆然として、二人を見た。
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