ブラザー・キス

椎奈風音

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ブラザー・キス

第一話

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「あお兄って、ほんっとにエロいよね。……こんなことされて感じるなんて」
「ち、ちょっと!椎奈しいなくん……っ!」

 目の前には、苦しそうに涙を流しているあお兄の分身。
 根元を縛られているせいで、イクことが出来ない。

 普段はカッコイイあお兄が乱れる所なんて、滅多に見られるもんじゃない。
 それに、頬を染めて涙目なんて、誘ってるとしか思えないよ?

「あお兄、イキたい?」
「……っ!」

 直裁的な台詞に、あお兄は赤くなった顔を隠すように下を向いた。
 耳まで赤くなって、羞恥に震える姿は可愛い。
 僕のこと、煽ってんの?

「僕はこのままでも構わないよ?あお兄が耐えれるんならね」
 もう限界だとわかっていながら、こんなことを言う僕は本当に性格が悪いと思う。
 だけど、僕をそんな風にしたのは、あお兄なんだからね?
 わかってる?

「……椎奈くんっ!お願いだから……っ」

「……っ!」

 油断してた。
 ……今のは本当にキタ。
 下半身直撃の色気に、頭の芯が沸騰しそうだ。
 そんなにエロくて、どうすんの。
 他のヤツにもそんな姿見せたら、僕何するかわからないよ?

「淫乱なあお兄に、ご褒美をあげる。……きっとちょっと痛いのも快感に変わっちゃうよね」
 尿道を爪の先で、ぐりっと弄ると、あお兄の身体がビクリと跳ねた。
「や……、やだ」
「そう?あお兄の身体は嫌がってないと思うけど」
 その証拠に、その部分は全く萎えていない。
 男の身体って、本当にわかりやすいよね。
 感じてるか、そうじゃないかなんて、一目でわかる。
 嘘なんて吐けない。


 ……いっそのこと、僕なしじゃ、いられない身体になればいいのに……。

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