愛されベータ

マロン

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 シェルターでの生活ももうすぐ1年が経つ。

 たくさんの検査をしながらさまざまな抑制剤を試す。

 抑制剤も体質に合うものができてフェロモンのコントロールも出来るようになってきた。

 僕は覚醒しても自分のフェロモンはもちろんアルファやオメガのフェロモンもわからなかった。

 自分のフェロモンが出ているかはリストバンドでしかわからないのだ。

 湯川先生はベータだから僕のフェロモンの匂いの確認はアルファである梶浦所長にしてもらう。

 ただし僕の両性ベータフェロモンはアルファやオメガには強烈らしく、番がいるから番以外のフェロモンには反応しないはずの梶浦所長でも危ないかもしれないということで両手両足を縛ってから僕の匂いを嗅ぐという側から見たらかなりやばい感じの構図になっていた。

 そんな目にあいながらも僕に協力してくれる梶浦所長には本当に感謝だ。

 最近は匂いもしないよと太鼓判を押してもらえるようになった。

 もう外へ出ても大丈夫そうだ。

 シェルターの中で高3の課程を終わらせた。

 一応通信制とはいえ高卒の肩書きはついた。

 大学は湯川先生の勧めで国の交換留学生という形でアメリカへ留学することになった。

 湯川先生も両親もすぐに帰って来て良いからね…なんて言ってくれたけど僕は帰ってくるつもりはなかった。

 きっと日本で生活していたら否が応でも小鳥遊家の動向は耳に入ってくる。

 高人と汐李のことはもう考えたくなかった。

 こうして僕はアメリカへ渡った。
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