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第3章 事前の準備は必須です
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しおりを挟む祝・全、回、復っ!
てなわけで風邪が完治したルカです。
皆さん、はい拍手~っ! ぱちぱちぱちぱち……と脳内で大拍手を浴びてみました。
さて、話を戻しますが現在、パパと兄。そして護衛にゼノさんというメンバーでお出掛けをしております。
どこへって一緒に帰ることになった辺境伯の次男さんのいるタウンハウスにですよ。
先日、速達なのかガルシア辺境伯から届いた手紙にはその次男さんが住んでいる家の引き払い手続きヨロシク~とだけ書かれていてパパは少しぶちギレてました。
読んだ瞬間、手に持っていた便箋がグシャッと握り潰されて、グレン兄さんと兄が宥めつつ力の入った手を緩めさせました。
直ぐ様俺が奪うと3人で手紙を読んだら全員苦笑いでしたよ。
パパの怒りも何となくわかるからねぇ。
辺境伯の家なんだから自分で手続きしろよ! とは誰しも思うよね。
ただ辺境伯さんは王都に一切来ない、顔を出さない代わりにランドルフ領地の警備も引き受けてくれているそうなので実は仲良しさんなのだと理解しました。
なのでパパはただの面倒くさがり。
そして家を売る際に家具など要らなそうなものは廃棄というか売り払いする予定なのだとか……。
旅の為にベッドは多目に欲しいなぁ……と言うとパパには引かれましたが兄にはうんうんと頷かれ、何やら兄は俺と同じ考えでいたようだ。
グレン兄さんはまた変なことを思いついたのかな? と言うような目をしてましたが気にしない。
逆に気にしたら負けだと思うの。何に負けるのかはわからないけど。
ついでに今、俺は地下に潜っています。
トンネルの改装工事です。
簡単に言うとこのウォルター家の地下には泥棒さんとかを入れておく牢屋があるのですが、その奥に通路をつくってトンネルに繋げろと兄に言われました。
理由は今日の夜から辺境伯の次男さん含めて従業員の皆様がやって来るからです。
数日の内に領地へ帰ります。
実を言うと辺境伯の家からこの家に来るのに大移動するのを見られたくないので静かに移動して欲しい。それだけです。
辺境伯の家からこの家までは兄が作ってゼノさんと騎士や侍女、メイドなどとやって来るそうですよ。
パパは馬車で次男さんと帰ってきます。
兄は既にトンネルをつくっているのだろう。
何せ俺の土属性はたった5%。ほぼ土属性な兄とは同じ魔法だとしても進みが違うのです。
辺境伯の所有する馬車数台ですぐに帰ってくるんだろうな……。
◆
「るー? 帰ったぞ、客もいるから起きろ~……」
ペチペチと頬を軽く叩かれたが眠いものは眠い。
「うにゃ~……ぼくは眠いんにゃよ……」
「るー? お尻ペンペンとグリグリどっちがいい?」
お尻ペンペン…………グリグリ……?
なんだっけそれ……。
お尻ペンペン……。ペンペン草……じゃなくてお尻ペンペンっ!?
「……っ!? 起きる!」
目の前には兄がいて勢いよく起き上がったらガツンっとお互いの額と額がぶつかって2人ともに踞った。
衝撃が思った以上に凄かった……。
「るー、お前……。覚えてろ? マジで痛い……」
「ヤですぅ。うぅ、寝起きにこれとかツラい……。一瞬、本当にキラリーンって星が飛んだような気がする……」
せっかくグレン兄さんの膝枕で気持ちよく寝てたのに……。
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