クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

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第7章 ○○ストーリーは突然に

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「ねぇ、お姉さん」
「えっ、えっと、ボク、どうし──何かございましたか?」

 あれ? 今「ボク、どうしたの?」と、迷子の泣きわめく子供に声かけるみたいに言おうとしましたか?
 だとしたら本気で俺は何歳設定なんですか?
 いや、本当に兄さんとパパを筆頭に皆、俺を抱っこしてくれるけど何歳に見えてるんですか?
 そう思いながらもお風呂上がりとか率先して声出してくれた彼女と少し話をして女の子同士で話をすると勇気を出して取りに来てくれた。
 はじめの一歩って大事だよね!
 ホクホクと思いながらも食事をする彼女達を見つめていると急に自身の体が宙へと浮き、ストンと下ろされた場所はパパの膝の上だった。

「パパ?」

 えーっと、もしかして風の魔法を使われたんですかね。
 人の気配も、人に触られた感触もありませんでしたけど……。

「ルカ。お前はちゃんとご飯を食べないと大きくなれないよ? いっぱい動いた分たくさん食べようねぇ~……、もう少し体に丸みをつけようね?」
「丸……。それもそうですね。はい、ルカ。お口、あーん……」

 グレン兄さんに出されたシチューを掬ったスプーンを向けられパクリと口に含むと隣から絶妙なタイミングでゼツさんに温野菜を刺したフォークを向けられた。
 それもパクリと食べてモグモグしてると目の合った彼女達は頬を赤く染めてこちらを凝視してました。
 一体全体どうしたと言うのだろう。
 目が合ったのに気付くとパッと目を反らされ、またあーんされてモグモグしているとやっぱりこちらをじっと見つめている。
 あれ? 何て言うか姉とミリアムの行動に似てる気がするよ?

【兄君から手紙が届きましたぞ?】

 ム・ゲンさんからの突然のお知らせに「ありがとう」とお礼を言うと手紙を取り出して静かに読んだ。
 もちろん後ろにいるパパも横にいるグレン兄さんにゼツさんもバッチリ読んでいる。
 皆が皆、無言でいると俺はとっさ彼女のたちが見えないように高さのある壁を作った。
 そしてぴょこっとパパから降りて例のお姉さんのところに行った。

「お姉さん、あのね? ちょっと僕達に来客が来るみたいだから用が終わるまで好きなだけご飯食べたり、休んだりしてて欲しいんだけど良いかな?」
「そ、それは構いませんが……。でも、私達……」
「とりあえず眠かったら寝ても構わないよ。ご飯を好きなだけ食べて今はなにも考えないで休んでて? 大丈夫だから」

 有無を言わさず空いたスペースには勝手に兄が改良した絨毯にクッションをたくさん出した。
 とにかく休んでてねと伝えて元の場所に戻ると兄が指定した場所に壁穴を開けた。
 しばらくしてゆっくりと入ってきた一行(俺の所とかわらず少人数)の中に兄を見つけて突進したのだが俺はピタッと立ち止まった。

「え? ルー? 急に立ち止まるとかどうした?」
「兄ぃ~、なんかその馬車、嫌な感じがするんだけど!」

 俺が指差した馬車にいたのは気を失ったのか幌馬車のなかで数人が眠っていて、縄でグルグル巻きの猿轡に目隠しといった何やら犯罪色の強い状態だった。

「あー、うん。なんか想定外な所で餌を発見したからさ……」

 そう言うと近くにいた姉も兄も苦笑いしていた。




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