クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか？

第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る

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【さて、続けても大丈夫かな？】

　あ、はい。よろしくお願いします。
　新たに紙を用意して書き取る準備をした。

　・紅餅を一晩水につける。
　・アルカリ性の灰汁と、酸性の梅酢を順に加えて赤の色素を取り出す。
　・取り出した赤い液を麻の束にかけて紅く染め上げる。
　・麻の束にアルカリ水溶液をかけて再度絞り、濃縮した紅液をとる。
　・濃縮した紅液に酸液を加え混ぜる。
　・しばらく置くと赤色の色素が沈殿する。
　・セイロに流し入れ、余分な水分を飛ばすと泥状の紅が残る。
　・器に集めて、筆で適量を取り、お猪口と言った小さな小皿のような器の内側に湿布し、均一に伸ばす。
　・自然乾燥をさせて玉虫色の紅が完成。

　玉虫色？　と思ったが、口紅用の小さな筆を水につけて、余分な水を落とす。
　若干濡れてる感じの筆で溶かすように紅を取り、唇に点す。
　とりすぎ注意だそうで……。
　確かにとりすぎた場合、唇が紅と言うより玉虫色になりそうな気がする。
　想像するとなんかおしゃれと言うよりも金持ちというか成金の魔女感が出てきそうだ。

「だがしかし……」

　いや、駄菓子菓子？　え、違う？　まぁ、とりあえずだけど俺の手持ちに紅花はない。
　そう言えば紅花の花びらはサフラワーって言うハーブティーになるんだったっけ……。
　血の流れをよくするらしくて冷え性や生理不順等に効くとか効かないとか……。

【因みに近くの紅花の産地は魔神国でぇーす】

　はい、終わった！　はい、無理～っ！
　
【辞書る！　なにサボってんノヨ！】
【あ、見つかった！　じゃぁ、ルカ。またねーっ！】

　ブチッと電話のように回線を切られた気がした。
　紅花が手に入らないとわかったからには別のもので作ることが先決だよね。
　そうそう、先程出てきたアルカリ性の灰汁と言えば植物を燃やした灰から作るんだったよね？
　本によく出てくるのは椿の葉っぱだった気がするけどそれはこの場にはないから別のもので代用したい。

「灰汁かぁ……」
「灰汁なら確か稲とかの藁を燃やしても作れたはずよ？　……あら？　もしかして暖炉の灰でも作れるのかしら……」
「姉！　すごーい！　暖炉にいっぱいある灰を使えば石鹸もたくさん作れるね！」

　そんなことを言えば姉が何故か目を爛々と輝かせていた。
　え、何その目……。どうしたのかと聞いてみれば久し振りに体を泡で包みたかったらしい。
　うん、わかる！　日本人だしね。
　石鹸で体をゴシゴシとは言わないけど洗いたいよね！
　俺も石鹸でゴシゴシ洗いたい。
　魔法で綺麗になるけど、イメージでお風呂上がりのクリーンを作ったけど、垢とか取れてるのかすごく気になる！

　とにかく石鹸でさっぱりしたい！