裏側・クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

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ルカという名の子供

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 私は目の前にいるこの子は体の成長が早く背が高いだけの12、13くらいの子供だと思っていた。いや正直な話、私だけではなくこのテント内にいたメンバー全員が、だ……。アンドレアなんて頭を撫でて宥めていたし……。幼いと思った理由を上げろと言えば即答で誰もが同じことを言うのではなかろうか──。何故なら彼の顔付きはかなり幼く、あどけない顔をしている。強いて言えば自分の記憶の中だとしても12歳くらいの子よりも更に幼く見える。その思い出の中にいる一番小柄だった幼なじみのゼノと比べても12歳ですら当てはまらない。正直なところ身長がもう少し低かったら8~10歳くらいでも何らおかしくはないと思うのが実状。むしろソレだと言いたい。

 私が何が言いたいのかと言うと、ルカは中身も見た目も幼すぎる! 記憶がないと言う弊害なのだろうか──。

 そして何よりも奴隷商人と言うのは分かりやすい仕組みが出来ている。簡単に説明すれば見てくれがいい者は子供の時に買い取り、そして教育をする。少しでも付加価値を付けて高く売るためなのだろう。見目のいい者は少し時間をかけ貴族のような読み書きや計算などと言った一般的な教育をするのに対して、言葉は悪いが見た目が悪いと言うか、普通の子らはすぐに競売へとかけられ買った人の元で奴隷として下働きをさせられるのが通常なのだろう。しかし彼の口から放たれたのは「17」と言う大人の仲間入りをしている年齢だった。強いて言えば一年後には成人だ。その年齢の奴隷は主に教育はせずにそのまま性奴隷として売られるのが多いと聞く。特に顔が整っていれば大人も子供も関係なく商人に高く買ってもらえるし、商人は客に更に高く売れる。
 残念ながら本人の思いとは裏腹に、ルカは成人としてではなく背の高い子供と勘違いされたのだろう……。何故なら彼は見目の良い子供・・だけが集まる隠された部屋にいたのだから──。

 ふと考えるのをやめてちゃんとルカを見てみれば自分の失態ではあるが幼く見られた事に対して怒りと言うよりも不貞腐れているらしく、頬をプクッと膨らましている。そんなところもなんだか幼くて可愛らしいと思えるのだ……。故に絶対にこの子は17歳ではないと思われる。そもそも周りにそんな17歳はいない。
 見た目はスラッとした細い体に日に焼いたことの無さそうな白みの強い象牙の肌。この国ではかなり珍しい黒色の髪。しかもその一本一本が見たことがないくらいに艶々して触り心地も良い……。

 この子はもしかして良いところのお坊っちゃんなのだろうか……。

 そして遺伝子的には世界的に珍しい緑の瞳。なにも緑の瞳が珍しいわけではない。あの部屋にいた子の中にも緑の瞳の子はいたし、この国の中で言えば薄い緑や濃い緑の瞳なんてそこら辺に転がっている。ただ彼の瞳が珍しいと言ったのは瞳の中に金茶色の花が咲いたようなとても綺麗な瞳をしているのだ。初めて見るソレは何故か何かに引き込まれるような初めての感覚を覚えた。睫毛も長くてパッチリとした大きくてキラキラしたその瞳をずっと見ていたい。そんな感覚──。

 ……あぁ、そうか! 良いことを思い付きました!

「ルカ、もし行くところが……。君に身寄りがないのならば国──いえ、生活に慣れるまではしばらく第四騎士団の中で侍従見習いとしてになりますが暮らしますか? 歓迎しますよ?」
「……は?」
「なんなら生活に慣れたとしてもずっといても構わないのですよ?」

 この国には珍しいオリエンタルな雰囲気のルカは実に自分の好みの顔をしている。彼の細い腰に腕を回して自分の体に引き寄せながら頬を撫でてみると、その肌は化粧(白粉)をしていないから粉っぽくなく、つるつるスベスベと触り心地もかなり良い。強いて言えば世間知らずなのが個人的には実はポイントが高い。

 クソ……。あの商人、ルカに手を出してたら絶対に許さない。

 あぁ、あの家に押し入ったときに抵抗して来たから過って殺してしまったとか言って行方不明の村民の聞き取りのために尋問したいと言う村長に引き渡すんじゃなかったな……。それで商人が死にたい、殺してくれと泣きながら懇願するまで痛め付ければよかった。まぁ、流石に頼まれたところで殺しはしないけどね──。

「それで話は戻りますが、ルカは本当にあの場所に来る前は何をしていたか覚えていませんか?」
「え、と……。だから、その……。車に……」
「く、るま……? うーん、もしかして馬車の事ですか?」

 ぽつりぽつりと小さな声で話をしてくれたのを聞く限りだと夜道を歩いていたのだが、たぶん馬車にぶつかってからよくわからない間にココにいたとの事。この国にもいくつかの街、町、村があるのだが、かなり拓けた港町や要塞都市、領都、王都と言った大きな規模の街でない限りは街灯は少なく、かなり薄暗いのが当たり前。現に少し離れた村は家の中の明かり以外の場所は真っ暗だ。なので夜はあまり出歩かないと言うのが世間一般的な常識。昼間ですらモンスターが出没するので真っ暗な街道を歩くなんてもっての他。つまり、彼は夕暮れか早朝に馬車にひかれたとなる。──いや、町中とは言っていないのだから野宿するためのポイントへ移動中の事故だったのかもしれない。
 改めて怪我がないかを全身汲まなく触りながら確認をすると見た目以上に彼は痩せていた。

 ──あぁ、腰を引き寄せたときにも思ったが、こんなにガリガリに痩せて可哀想に……。

「あ、あの、グレンさん。大丈夫。大丈夫ですから、やめてくれると助かります……。グレンさぁーん、本当にくすぐったいんですぅ~……」
「いえ、ですが……」

 チェックは終えたがルカが可愛すぎて止めるに止められないだけですよ──。なんて事は言えるわけもなく、ただ単に渋っていると彼は何を思ったか元気にピョンピョンと飛んで「ほら、ジャンプできるんだから骨はどこも折れてないし元気だよ」と無言でアピールしていた。顔を赤くしたと思ったら子供みたいに跳び跳ねて……。うん、この子は素直でとても可愛らしいです。

 ルカを無理矢理にでも私専用の侍従。もしくは従者にしてしまいましょうか──。

 ……何となくそう思っただけですけど、名案な気がしてきました。ルカが気が付かないように罠を張ってみますかね──。



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