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2話「島にて」
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◆
島へ送られた。
そこは罪人たちが暮らす場所。
――ただし、ありもしない罪を負わされた者も少なくはない。
そこで私は一人の青年と出会う。
彼の名はクリス。
関わるきっかけは、彼が、この島でも日常や決まりを説明してくれたことだった。最初は説明してもらうだけの関係だったのが、次第に親しくなってゆき、いつしか互いに惹かれあうようになっていった。
「君はどうしてここに?」
「私、オリーブ王子の婚約者だったの。でもルリリという彼の女を虐めたとか何とか言われて、ここへ送られたの」
夜にはいつも二人で空を見上げる。
「……何もしていないのに」
ここは空気が澄んでいる。
そのため夜空はとても綺麗で。
星がたくさん見える。
「それは酷いね」
「……貴方は? 何をしてここへ?」
「僕はお偉いさんの第三夫人に手を出したという罪を押し付けられたんだ。城で働いていたんだけどそれでクビになって、で、ここへ」
見つめ合い、呆れたように笑みをこぼす。
「ちょっとだけ似てるわね、私たち」
「そうかな」
「お互い何もしていないのに」
「確かに、それはそうだね」
彼も私も、何もしていないにもかかわらず、罪人としてこの島へ送られた。
だからこそ共感し合える部分があるのかもしれない。
私たちはよく似ている。
悪でないのに理不尽な力によって悪にされた。
「でも、ここは綺麗な空が見られるし、悪くはないと思っているよ」
彼は空を見上げて呟いていた。
島へ送られた。
そこは罪人たちが暮らす場所。
――ただし、ありもしない罪を負わされた者も少なくはない。
そこで私は一人の青年と出会う。
彼の名はクリス。
関わるきっかけは、彼が、この島でも日常や決まりを説明してくれたことだった。最初は説明してもらうだけの関係だったのが、次第に親しくなってゆき、いつしか互いに惹かれあうようになっていった。
「君はどうしてここに?」
「私、オリーブ王子の婚約者だったの。でもルリリという彼の女を虐めたとか何とか言われて、ここへ送られたの」
夜にはいつも二人で空を見上げる。
「……何もしていないのに」
ここは空気が澄んでいる。
そのため夜空はとても綺麗で。
星がたくさん見える。
「それは酷いね」
「……貴方は? 何をしてここへ?」
「僕はお偉いさんの第三夫人に手を出したという罪を押し付けられたんだ。城で働いていたんだけどそれでクビになって、で、ここへ」
見つめ合い、呆れたように笑みをこぼす。
「ちょっとだけ似てるわね、私たち」
「そうかな」
「お互い何もしていないのに」
「確かに、それはそうだね」
彼も私も、何もしていないにもかかわらず、罪人としてこの島へ送られた。
だからこそ共感し合える部分があるのかもしれない。
私たちはよく似ている。
悪でないのに理不尽な力によって悪にされた。
「でも、ここは綺麗な空が見られるし、悪くはないと思っているよ」
彼は空を見上げて呟いていた。
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