私のものは全部奪おうとする妹に困ってきましたが、今回だけはその特徴を利用させてもらいます!

四季

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後編

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 数週間後、私は両親から、アーデルと私の婚約を解消するということを告げられた。

「お前にはいちいち苦労かけて悪いな」
「いえ」
「キエラがどうしてもアーデルくんと結ばれたいと言うのでな……すまない」
「お父様、そんな悲しい顔をしないで。私だって、キエラがアーデルと幸せになることを望んでいるの。だからいいのよ」

 直後キエラに会った時、彼女は勝ち誇った顔をしていた。

「ごめんなさいねぇ、お姉様。アーデルさんがどうしてもキエラの方がいいって仰るものだからぁ」
「いいのよ。幸せになってね」

 その日私は家を出た。

 自由な生活には苦労もつきまとうものだ。けれども私にとってはそのくらいどうということはなかった。現在勤めているパン屋では色々忙しくしているけれど、大変なことももちろんあるけれど、私はキエラに何も奪われないだけで幸せだと感じる。

 それに、美味しいパンも貰えるしね。

 後に知ったことだが、アーデルと婚約者同士になったキエラはすぐに心を病んだらしい。というのも、アーデルがキエラのわがままを少しも許さなかったのだ。ことあるごとに怒られ時には叩かれるような暮らしに心が耐えられず、キエラは正気を失ってしまったそうだ。今はほぼ寝たきり状態だとか。

 キエラのちょっとしたわがままに対してもアーデルは怒りの声を投げつけたと聞いている。
 そんなことをされた経験のないずっと甘やかされてきたキエラだ、さぞ驚いたことだろう。

 アーデルはさほどわがままを言わない私に対してでもよく激怒してきた。理不尽なくらいに怒っていた。そんな彼の前にわがまま放題なキエラが現れれば、それは当然揉めるだろう。上手くいくはずもない。

 すべて私の読み通りだ。


◆終わり◆
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