1 / 1
喧嘩して、その勢いのままに婚約破棄を告げられてしまった。~それでも世界は回っている~
しおりを挟む婚約者と喧嘩して、その勢いのままに婚約破棄を告げられてしまった。
……分かってはいる、私にも非はあるのだと。
でもどうしてかもやもやしてしまう。確かにちょっと言い合いにはなったけれど、でも、その程度で婚約破棄だなんて。普通、軽い喧嘩くらいでそこまでするものなのか? 一旦距離をおいて頭を冷やすとかなら分かるのだが。すべてを叩き壊すような宣言を軽くしてしまえるものなのか? 恋人ではない、婚約者だ。それでもさくっと関係を解消するなんて言えるもの?
そんなもやもやを抱えながら、自室の窓から空を見上げる。
黒い、暗い、空。
見つめていたら吸い込まれてしまいそう。
――やがて降り始める雪。
地面も、宙も、空も黒。
そこにちらちらとゆったり注がれる雪の白。
そのコントラストに、胸の奥の小さな傷がじんと痛むような気がした。
雪が降り出したからか空気がより一層冷たくなったような気がする。
――ああ、なんて美しい冬の夜。
嫌なこと、辛いこと、切ないことがあって。それでも世界は動き続けている。黒と白、それを見つめているだけなのに、こんな夜はこの世の深いところにまで思いを馳せてしまう。
◆終わり◆
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。
四季
恋愛
お前は要らない、ですか。
そうですか、分かりました。
では私は去りますね。
君より妹さんのほうが美しい、なんて言われたうえ、急に婚約破棄されました。~そのことを知った父は妹に対して激怒して……?~
四季
恋愛
君より妹さんのほうが美しい、なんて言われたうえ、急に婚約破棄されました。
そのことを知った父は妹に対して激怒して……?
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
「婚約破棄してやった!」と元婚約者が友人に自慢していましたが、最愛の人と結婚するので、今さら婚約破棄を解消してほしいなんてもう遅い
時雨
恋愛
とある伯爵家の長女、シーア・ルフェーブルは、元婚約者のリュカが「シーア嬢を婚約破棄にしてやった!」と友人に自慢げに話しているのを聞いてしまう。しかし、実際のところ、我儘だし気に入らないことがあればすぐに手が出る婚約者にシーアが愛想を尽かして、婚約破棄をするよう仕向けたのだった。
その後リュカは自分の我儘さと傲慢さに首を締められ、婚約破棄を解消して欲しいと迫ってきたが、シーアは本当に自分を愛してくれる人を見つけ、結婚していた。
だから今更もう一度婚約して欲しいなんて、もう遅いのですっ!
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる