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1話「長女として生まれ」
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私はそこそこ歴史のある領地持ちの家に長女として生まれた。
けれども、家柄うんぬんにはあまり興味がなくて。
それよりも鳥が好きだ。
幼い頃からなぜか鳥が好きで、それゆえ、一日の多くの時間を鳥の観察に費やすことも少なくなかった。
でもそれでも良いと思っていた。
なぜなら、二つ年下の妹がいたから。
妹は自分が家を継ぎたいと幼い頃から言っていた。そして彼女はいつも親に私を悪口を言っていた。こんなことをされた、とか、こんな風に考えているらしい、とか。彼女は私を貶めるためならどんな嘘でもついていたのだ。
だからこんな家からはさっさと出ていきたくて。
早く自由になりたかった。
でも、家柄ゆえに、自由になんてなれるはずもなく。
ルイーズスという男性と婚約させられた。
彼は少々性格に難がある。
身分は確かだが、関わりたくない種の人物だ。
彼と出会ってからは憂鬱だったのだが……。
「君との婚約だが、破棄とすることにした」
ある日、ルイーズスはそう告げてきた。
「急ですね」
「だが決定事項だ」
「何か事情が?」
「あぁ。実はな、君ではなく、君の妹を妻とすることにしたのだ」
この時だけは妹に対して「ありがとう」と思った。
彼女のおかげでルイーズスと生きなくて済む。
もっとも、妹としては私が良い身分の男性と結ばれるのが気に食わなかっただけなのだろうが……。
けれども、家柄うんぬんにはあまり興味がなくて。
それよりも鳥が好きだ。
幼い頃からなぜか鳥が好きで、それゆえ、一日の多くの時間を鳥の観察に費やすことも少なくなかった。
でもそれでも良いと思っていた。
なぜなら、二つ年下の妹がいたから。
妹は自分が家を継ぎたいと幼い頃から言っていた。そして彼女はいつも親に私を悪口を言っていた。こんなことをされた、とか、こんな風に考えているらしい、とか。彼女は私を貶めるためならどんな嘘でもついていたのだ。
だからこんな家からはさっさと出ていきたくて。
早く自由になりたかった。
でも、家柄ゆえに、自由になんてなれるはずもなく。
ルイーズスという男性と婚約させられた。
彼は少々性格に難がある。
身分は確かだが、関わりたくない種の人物だ。
彼と出会ってからは憂鬱だったのだが……。
「君との婚約だが、破棄とすることにした」
ある日、ルイーズスはそう告げてきた。
「急ですね」
「だが決定事項だ」
「何か事情が?」
「あぁ。実はな、君ではなく、君の妹を妻とすることにしたのだ」
この時だけは妹に対して「ありがとう」と思った。
彼女のおかげでルイーズスと生きなくて済む。
もっとも、妹としては私が良い身分の男性と結ばれるのが気に食わなかっただけなのだろうが……。
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