憧れの

四季

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憧れの

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夜のとばりが下りる頃
ヒール鳴らして現れる
暗闇の中響かせる
ヒールの足音大人色おとないろ

淡い色彩消える頃
ヒール鳴らして去ってゆく
虹のふもとを軽やかに
ヒールの足音可憐色かれんいろ

こだまするその音は 世界を鮮やかに見せる
こだまするその音は 未来に色を添えてゆく

いつの日か なりたかった
憧れの大人の女性
遠い夏 なりたかった
憧れのあの人のように

屋台で一人泣いてたら
ヒール鳴らして現れた
隣の席にすぐ座る
注文する声大人色

一人ぼっちで泣いていた
そんな私に微笑んで
強くなるよう肩叩く
凛としていて可憐色

響きわたるその声は 私の胸に沁み込んでいく
響きわたるその声は どことなく優しげだった

遠い冬 愛しかった
尊敬するあの人のことが
いつからか なりたくなった
憧れの大人の女性
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