私たちは種族の壁を越えて愛し合う。~婚約破棄され掴んだ幸福~

四季

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前編

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「貴様のような野蛮な血筋の女を妻にするのはやはり嫌だ! よって、婚約は破棄とする!」

 私は人間ではない。

 いや、人間に似た容姿だし二足歩行なのだけれど。
 ただ、厳密に言うと、純粋な人間ではないのだ。

 獣人族というやつである。

 二足歩行をするし、身体つきもおおよそ人間に近い。が、尾があったり皮膚からふわふわの毛が生えていたりと、純粋な人間とは違っている部分も少なくはない。

 私の家は祖父の代で人間の社会に入ることを許された。
 一応これでも法的には人間として扱われている。

 だが、獣人族を嫌う者も少なくはなくて。

 婚約者アルフルもその一人だったようだ。

「いいな、もうこれで終わりだ。貴様はさっさと消えろ。貴様のような野蛮な血筋の女は毎日勝手にバーベキューでもしていればいいんだ。……じゃあな」

 こちらにもプライドというものがある。
 そこまで言われて彼にすがりつく気はない。

「そうですね。では、さようなら」

 アルフルとはこれで終わりだ。


 ◆


 こんな調子で、獣人族というのは何かと損である。

 今の世では一応でも人間と同様の存在として扱われているため、表立って虐められたり暴行されたりすることはあまりない。ここ十年ほどでもかなり減っている。が、良く思わない人は今もそれほど減ってはいない。裏でさりげなく嫌がらせをしてくるような人だっている。

「これからどうしようかな……」

 ま、気にしないことにしよう。

 取り敢えず山菜取りに行くことにした。

 そこで出会うこととなる。
 未来の夫と。
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