美しくないと虐められていましたが、幸せを掴みました

四季

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3話

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 本当のことを答えるべきかどうか迷ったけれど、素直に答えることにした。

「……えぇ、それは事実です」

 もう噂になっているのなら、敢えて隠すこともないだろう。
 べつに私が恥じるようなことではないのだし。

「事実ですか……!」
「すみません。驚きますよね」
「いえいえ。本当のことを話していただけて嬉しいです、ありがとうございます。もし不快な思いをさせてしまったらすみませんが……ここから抜け出したいとは思いませんか?」

 もう一生手に入れられないと思っていた光。
 けれどもそれは案外近くにあって。
 今、私を光へと導いてくれるかもしれない腕が、目の前に差し出されている。

 もちろん危険がないわけではない。裏があるという可能性もまったくないわけではない。それは分かっている。危険性は十分理解しているつもりだ。

 けれども、この腕を掴めば、もしかしたら人生が変わるかもしれない——それもまた、一つの事実であって。

「別の人生を歩みたいとは思いませんか?」

 いきなりのことだし、この手を取ったからといって解放されるとは限らない。むしろ、助けを求めたことによって家族から余計に嫌がらせを受ける可能性もある。それに、そもそも、彼が私を助けてくれる保証があるわけでもない。

 でも、それでも。

 もし少しでも未来を変えられる可能性があるなら。

「……はい」

 私は差し出された腕に望みをかけることにした。

「変えられるなら、変えたいです」
「あぁ、良かった」

 彼の手を取れば安全安心が約束される、そういう絶対的な決まりがあるわけではない。ただ、それでも、彼の腕に日向へ続く道があるかもしれないことは事実で。

 この先にある未来が良いものである保証はない。

 それでもなお、私は、希望という夢をみる。
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