心ない言葉ばかりかけてくる彼には復讐の女神より罰が下りました。~残酷には残酷を、ですね?~

四季

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後編

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 ◆


 アベルに婚約破棄された日の晩、もうすぐ寝るという頃に、ふと瞼を開くと一人の女神が宙に漂っていた。

『アベルというあの男、今日見ていましたが、酷い男ですね』
「え……、何これ、何ですかこれ、夢……?」
『私は復讐の女神です。あの男、どうしても許せません。ですから復讐して参ります』
「えっ」
『本日はその許可をいただきたく、参りました』

 長い黒髪が美しい女神だ。

『アベルへの復讐を許可してください』

 彼女はそう言うので。

「はい、許可します……」

 私はそれだけ返した。

 ま、疲れて幻でも見ているのだろう――そう思っていたからこそ、さらりと答えられたのだ。


 ◆


 翌日、アベルが死んだと知った。

 昨夜彼は寝室で何者かに襲われ、眼球を両方抉り出されて死んでいたそうだ。
 朝になってアベルが起きてこずおかしいと思った母親が様子を見に行ったらしくて、それによって彼の死亡が判明したのだそう。

 もしかしたらあの幻のような女神は実在していたのかもしれない……、と、ふと思った。

 でも、あの女神に会うことは、もうなかった。


 ◆


 あれから数年、私は幸せの中に在る。

「今日はありがとう、結婚式」
「いやいや! 貴女とこうして結ばれることができて嬉しいですよ!」
「そんな……私はそんな人間ではないです」
「もう! またそんなことを言って! 貴女は素晴らしい方です、僕から見れば」

 今日結婚式があった。
 そして今終わって帰ってきたところだ。

 これからは愛する人と共に歩む。

 無限の未来へと――。


◆終わり◆
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