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後編
しおりを挟む「そりゃそうよね、そんなこと言われたらね」
「ほんとそうよー! ああもう、泣いて、かっこ悪ぃ……情けない……」
「そんなことないわ! 何でも言って! 情けないなんてことないわよ」
「でもキャラじゃないし……」
「そんなこと言わないで」
「あーほんとありがと」
「クリエラは最高な女性よ。戦友の私が言うんだから間違いないっ! ね? そうでしょ?」
するとクリエラは笑う。
「ま、そっかぁ。……ごめん、ほんとありがと」
これからもこんな感じで笑い合っていられたらいいな。
それが私の想いだ。
◆
ちなみに、クリエラを切り捨てた婚約者は、あの後厳しい家のお嬢様と結婚したが尻に敷かれてしまったようで――今は妻の実家でこき使われながら小さくなって生きているらしい。
だが、まぁ、自業自得だろう。
これまで好き放題して身勝手に生きてきた彼だ、少しくらいそういう環境におかれるのもある意味勉強にはなるだろう。
そしてクリエラはというと、後に、以前しばらく雇ってもらっていた領主から求婚され、結婚したようだ。
幸せになってくれてよかったなぁ、と思う。
クリエラのことは好きだ。
だからこそ傷ついてほしくはないし泣いてほしくはない。
彼女には明るく笑っていてほしい。
私もそろそろ――と思ってはいるけれど、今はまだ、正直そういった縁は見つかっていない。
でも心折れたりはしない。
それに、そちらの道はまだ始まったばかり。
辞職する気はないので働きつつにはなるけれど、徐々に良い縁を探していけたらなと思っている。
◆終わり◆
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