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後編

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 ディガンとルルラは結局婚約できないまま別れなくてはならないこととなってしまったようだ。

 何でも、代々酒場にて踊り子をしていたルルラの家柄をディガンの親が良く思わなかったそうで。そんな女を妻にすることは認めない、ディガンはそう言われてしまい、粘りはしたものの結局自分が折れるしかなくて自分がルルラとの縁を諦めることとなったそうだ。というのも「ルルラと結婚するなら勘当だ」と言われたそうである。それによってディガンはルルラと生涯を共にすることを諦めるしかないこととなってしまったのだ。

 あれほど愛し合っているような様子でも、結ばれることはできなかった。
 その話を聞いて、結婚とはやはり単に好きかどうかだけではないのだと学んだ。

 結婚、とは、ある意味で家と家が結びつくことでもある。それゆえ自分たちだけの意向で決まるというものでもない。特に、今のような時代においては。で、それに反したなら、それ相応の報いを受けることとなる。こういう時代においては、互いの家が納得して結婚、それが理想的だ。

 ちなみにディガンはというと、ルルラと引き離された後ストレス発散で大量の酒を飲むようになり肝臓を悪くして死亡したそう。
 一方ルルラはというと、その後も色々な男性を引っ掛けていたそうだが、ある時反社会的な人と関わりを持ってしまいそれによって痛い目に遭うこととなってしまったようだ。

 ただ、ありがたいことに、私は良き人との縁を得ることができた。

 今はその人と夫婦となり穏やかに生活できている。

 最近は、夫と一緒にお菓子を作ることにはまっている。というのも夫は元々お菓子作りが好きな人だったのだ。私はお菓子作りなんてほぼしたことがなかった、なので、彼に色々習っているところ。でも段々楽しさを感じられるようになってきていて、今はもっと色々教えてほしいなと思っているのだ。


◆終わり◆
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