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自分が信じる道を歩んできて良かった、今は迷いなくそう思います。~これからは恩返ししながら生きていきたいです~
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幼い頃から勉強が好きだった私は長い間男の子たちの中に入って勉強していた。
というのも、この国ではある程度の年齢になると女の子は勉強は控えめにして別の学びに移行するというのが一般的なのだ。なので、その後も勉強に打ち込むとなると必然的に女の子らとは別行動をすることになるのである。
けれどもそんなことは些細なことだった。
異性ばかりの中で勉強するなんて嫌? いいや、そんなこと、あるわけがない。答えは明確にノーだ。
私は勉強がしたいだけ。だからそれができるならどんな環境であっても気にしない。何も殴られ蹴られするわけではないのだし。何にでも男女の差はあるものだが、勉強で勝負するとなれば、筋力の差ほどの差はないわけだし。
……ただ、婚約者である彼リーヴェオからは、勉強好きは良く思われておらず。
彼は勘違いしていた。
私が男漁りをしていると。
「お前との婚約、破棄とする!」
ある日突然告げられて。
「聞いたぞ。お前、男の中で勉強しているそうじゃないか。そんなに男漁りがしたいか? 好きな男何人いるんだ」
「私は勉強が好きなだけです」
「嘘つけ! どうせ、そうやって言って、男遊びしているんだろう? 想像できるさ、容易くな」
事実を伝えても理解してもらえなくて。
「違います」
「そうだろうが!」
「証拠を提示してください」
「女が本気で勉強なんざするわけがないだろうが!」
「勉強しています!」
「馬鹿か。そんな嘘丸出しの嘘、誰にも通じないということが分からないのか。勉強しているならそのくらいのことは分かるはずだ」
話せば話すほどにすれ違っていってしまい。
「なんにせよ、お前はもう要らん!」
「私は勉強が好きなんです。それは出会ってすぐにお話しましたよね、今もそのままなんです」
「黙れ! 何を言っても無駄だ! 俺は騙せんぞ!」
「お願いです、話を聞いてください」
「男好き女の嘘など聞く意味がない! そんなものは時間の無駄でしかないのだから。とにかく! お前には俺の前から去ってもらう! いいじゃないか、それで。その方がお前だって好きなように自由に男漁りできるのだから」
説明して理解してもらおうとしたのだけれど、彼は聞く耳を持っていないので無理だった。
「ではな。せいぜい痛い目に遭うがいい。さらばだ」
リーヴェオは私の言葉を少しも聞いてくれなかった。
話を聞いてもらえないことがこんなに悲しいことだなんて……。
その時初めて気づいた。
◆
あの後も勉強に打ち込み続けた私は、この国の最高レベルの教育機関である国営王都最高学校の入学試験にて最高成績を出すことができた。特に難関と言われている二次試験での満点は開校以来初となる偉業であった。そのニュースは幾つもの新聞に掲載された。
そして入学後もただひらすらに走り続けて。
その結果、学年で最も良い成績を取り続け卒業することができた。
努力が評価されたことはとても嬉しかった。
けれども私一人の成果ではない。
いろんな面から全力でサポートしてくれた両親、優しくも熱く指導してくれた先生、温かく見守ってくれた友人や知り合い……そういった人たちの力もあって、こうして最高の評価を得ることができたのである。
すべてに感謝を。
そしてここからは誰かのためになることをして生きていきたい。
何を目指すのか。
何をやりたいのか。
柔軟に考えながら歩もうと思っている。
色々な人たちに支えられてきた分、今度は私が誰かを支えていけたらいいな――今はそんな風に思っている。
希望はこの胸の内に溢れている。
信じる道は確かに存在している。
だから迷いなく進めるだろう。
……ちなみにリーヴェオはというと、あの後好きになった女性に酷くふられたことから異常にお酒を飲むようになってしまい冬のある夜屋外で倒れそのまま命を落としてしまったそうだ。
◆終わり◆
というのも、この国ではある程度の年齢になると女の子は勉強は控えめにして別の学びに移行するというのが一般的なのだ。なので、その後も勉強に打ち込むとなると必然的に女の子らとは別行動をすることになるのである。
けれどもそんなことは些細なことだった。
異性ばかりの中で勉強するなんて嫌? いいや、そんなこと、あるわけがない。答えは明確にノーだ。
私は勉強がしたいだけ。だからそれができるならどんな環境であっても気にしない。何も殴られ蹴られするわけではないのだし。何にでも男女の差はあるものだが、勉強で勝負するとなれば、筋力の差ほどの差はないわけだし。
……ただ、婚約者である彼リーヴェオからは、勉強好きは良く思われておらず。
彼は勘違いしていた。
私が男漁りをしていると。
「お前との婚約、破棄とする!」
ある日突然告げられて。
「聞いたぞ。お前、男の中で勉強しているそうじゃないか。そんなに男漁りがしたいか? 好きな男何人いるんだ」
「私は勉強が好きなだけです」
「嘘つけ! どうせ、そうやって言って、男遊びしているんだろう? 想像できるさ、容易くな」
事実を伝えても理解してもらえなくて。
「違います」
「そうだろうが!」
「証拠を提示してください」
「女が本気で勉強なんざするわけがないだろうが!」
「勉強しています!」
「馬鹿か。そんな嘘丸出しの嘘、誰にも通じないということが分からないのか。勉強しているならそのくらいのことは分かるはずだ」
話せば話すほどにすれ違っていってしまい。
「なんにせよ、お前はもう要らん!」
「私は勉強が好きなんです。それは出会ってすぐにお話しましたよね、今もそのままなんです」
「黙れ! 何を言っても無駄だ! 俺は騙せんぞ!」
「お願いです、話を聞いてください」
「男好き女の嘘など聞く意味がない! そんなものは時間の無駄でしかないのだから。とにかく! お前には俺の前から去ってもらう! いいじゃないか、それで。その方がお前だって好きなように自由に男漁りできるのだから」
説明して理解してもらおうとしたのだけれど、彼は聞く耳を持っていないので無理だった。
「ではな。せいぜい痛い目に遭うがいい。さらばだ」
リーヴェオは私の言葉を少しも聞いてくれなかった。
話を聞いてもらえないことがこんなに悲しいことだなんて……。
その時初めて気づいた。
◆
あの後も勉強に打ち込み続けた私は、この国の最高レベルの教育機関である国営王都最高学校の入学試験にて最高成績を出すことができた。特に難関と言われている二次試験での満点は開校以来初となる偉業であった。そのニュースは幾つもの新聞に掲載された。
そして入学後もただひらすらに走り続けて。
その結果、学年で最も良い成績を取り続け卒業することができた。
努力が評価されたことはとても嬉しかった。
けれども私一人の成果ではない。
いろんな面から全力でサポートしてくれた両親、優しくも熱く指導してくれた先生、温かく見守ってくれた友人や知り合い……そういった人たちの力もあって、こうして最高の評価を得ることができたのである。
すべてに感謝を。
そしてここからは誰かのためになることをして生きていきたい。
何を目指すのか。
何をやりたいのか。
柔軟に考えながら歩もうと思っている。
色々な人たちに支えられてきた分、今度は私が誰かを支えていけたらいいな――今はそんな風に思っている。
希望はこの胸の内に溢れている。
信じる道は確かに存在している。
だから迷いなく進めるだろう。
……ちなみにリーヴェオはというと、あの後好きになった女性に酷くふられたことから異常にお酒を飲むようになってしまい冬のある夜屋外で倒れそのまま命を落としてしまったそうだ。
◆終わり◆
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