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後編

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 あの後私はヴォルフガングに慰謝料を支払ってもらった。
 それですべてを許せるわけではないけれど。
 けれども少しは心が軽くなったような気もした。

 もっとも、それほど高額ではなかったのだが。


 ◆


 あれから数年。
 私は今、生まれ育った町から徒歩十数分程度で着くことのできる街にて、教師をしている。

 毎日忙しさはあるけれど、逆に楽しさもあって。

 だからこの人生を選んだことを悔いてはいない。

 ちなみにヴォルフガングはというと、あの後、ある日の散歩中に山道で野犬に襲われ怪我させられて……何とか命は助かったものの、直後に崖から転落して落命してしまったそうだ。


◆終わり◆
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