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1話
しおりを挟む幼い頃から姉に虐められて育ってきた私エリーは十八歳になってすぐの春に姉に言われて無理矢理パーティーへ参加させられることとなった。
「どうして、私を……」
「あんたがいいからじゃないわよ! 一緒に行くはずだった友人が風邪で行けなくなったの、だからその代わりにあんたを選んだだけ!」
虐められていて愛されてもいなかった私は当然良い服など持ってはいない。それゆえ着ていくドレスはボロ布のようなものだ。ちなみにその古い麻袋のようなドレスは姉がこれを着ろと言ってきたものである。
このドレス、生地が厚いからか意外と冷えには強い。
いや、でも、見た目は残念……。
今回のパーティーは王子も参加するものだそうだが、このようなドレスをまとって参加してしまって問題ないのだろうか……。
だがまぁ、私には見初められたいという心はない。
だからこれでもいい。
薄汚れたようなものを着ていても構わない。
「そ、そうですか……」
「あんたは邪魔せず同行していればいいの、引き立て役だからよ!」
「はい」
「じゃ、言いなりになっていなさいよ! 恥はかかせないこと!」
「……はい、分かりました」
私はただ姉についていくだけ。
本当にそれだけなのだ。
つまり、今日の私はペットのような立ち位置なのだ。
姉に引かれて歩くだけ。
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