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後編

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 それまで仲良しだった私たち二人の関係は完全に終わってしまい、私たちは別々の歩むこととなりました。

 悲しさはありました。
 裏切られた気もしました。

 でも時は待ってくれません。

 それに気づいた時、こうしてはいられないと思いまして。
 それからというもの、私は、自分の人生を模索するようになりました。


 ◆


 あれから十年。
 私たちは真逆の人生を歩んでいるようです。

 私は生まれ育った町でケーキ店を営んでいて、店もそろそろ軌道に乗ってきています。常連客もでき、今は安定した収入が発生しています。大金持ちになったわけではありませんが。ただ、趣味の延長として始めたわりには、そこそこ儲けが出ているのです。

 そして、結婚もしました。

 ケーキ店をオープンするにあたって関わりがあった青年が夫です。

 彼は今でもたまに手伝ってくれます。
 それもありがたいですし。
 私のやりたいことに理解を示してくれている、という意味でも、彼の存在は非常に心強いのです。

 一方ボロネーゼはというと、惚れた女性のために貯金をすべて使いきってしまったそうで、それでも足らず借金を重ね、その返済に家のお金を勝手に使ったとのことで親から勘当を言い渡されたそうです。

 今は、借金返済のため、非常に環境の悪い場所で労働させられているとのことでした。


◆終わり◆
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