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後編
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あれから三年が経った。
「聞いた? マルーナが言ってた話、嘘だったんですって」
「え、そうなの」
「まぁあたしはそうじゃないかと思ってたけどね~、カルロッサさんが変態なわけないし~」
マルーナの主張が嘘だと証明され、また、その嘘に乗っかったアドマにも罪があるという方向に話が進み始めた。
「男のパンツなんて盗まないわよね」
「要らないし……」
「使うことないしね、ちょっと怖いし」
「履けるわけでもないしねぇ、そんなの。よく考えたら使いどころないわよねぇ、おかしな話と思ったわ」
そしてやがて、マルーナに罰が下った。
私は彼女より大きな額のお金を奪い取ることに成功した。
謝罪は拒否され続けてしまったけれど――でも、最終的には、文書での謝罪だけは得ることができた。
また、その後、アドマからも謝罪を受けることができた。
こうして私は最低限の名誉を取り戻したのであった。
◆
あれから数年が経ち、私は結婚した。
今、近い家柄の人と結ばれて、幸せに暮らせている。
「昔ね、パンツ盗みとかいう嘘を言いふらされたことがあるの」
「えっ……何それ怖っ……」
夫は穏やかな人だ。
それこそ、平和主義を絵に描いたような人。
「盗んでないのに、よ」
「嘘でしょ、怖すぎるよそんなの。……で、どうなったの?」
「真実を突きつけてやったわ、もちろんね」
「戦ったんだ……」
「そうよ」
「凄いね」
「ふふ、嬉しいわ。褒められるなんて」
マルーナとアドマは嘘をついて他人をはめるような人として生きていくことになる。
でもそれは自分たちの行動が招いたこと。
だから完全に自業自得。
それ以上の何でもない。
一方私は、名誉を守り、平穏の中で前を向いて歩いてゆくのだ。
◆終わり◆
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