「貴女は女神の生まれ変わりです」そう告げられ、王子と婚約することになったのですが……冷遇されてしまい、さらには罪を押し付けられました。

四季

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2話

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「なぁ、あいつと喋るなよ?」
「喋るわけがありませんわ、あのようなみっともない女となんて」
「恥かくわ」
「ないない! 喋るとか無理!」

 しかも大抵無視された。

 用事で声をかけること、挨拶をすること、それすらも許されなくて――すべて悪口の材料となってしまうだけであった。

 さらにヴァルド王子も私を無視していた。

 最初に会った日「お前とは口をきかない、なぜならどうでもいいからだ。俺には愛する人がいる。お前なんか形だけの婚約者、絶対相手にしない」と言われて、それきりである。

 それから何度か、私は、婚約を取り消そうとした。

 つり合わないから、と。

 けれどもその訴えは認められず。
 それどころか話をまともに聞いてもらうことすらできなかった。

 無視するなら、悪くばかり言うなら、私を切り捨てればいいじゃないか。そうすれば私は勝手に去っていく。縋りつくようなことはしない。なのに切り捨てることはしないでいるのはなぜなのか。もしかしてサンドバッグにしたくて私をここに置いているのではないか、とまで思ってしまう。

 ――だがそんなある日事件が起きた。

 ヴァルドが愛していた女性が謎の死を遂げたのだ。

 彼女はヴァルドと夜を共にしていた。
 しかし彼が少し目を離した隙に死んでいた。

「貴様! ガレッタを殺ったな!」
「いいえ! していません! 殺すなんて、そんなこと!」

 私が一番に疑われた。
 彼女を殺したのではないかと。

 立ち位置的に無理もないか……。
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