1 / 1
これはね、私の友人の話なんだけどね。~ハッピーエンドなら何でもいいと思えてきます~
しおりを挟むこれはね、私の友人の話なんだけどね。
彼女、ミールフィーは、とっても可愛い女の子なの。
でも婚約者運は悪くて。
婚約した相手が凄まじい女好きで、そのせいで浮気を数えられないくらい繰り返されていたんですって。
で、しまいには、浮気相手から「あんたなんてくず! 邪魔! 消えてちょうだいよ!」とまで言われて。
それに耐えられなくなったミールフィーは、婚約者との関係を破棄したんですって。
その後ミールフィーは別の男性と結ばれて幸せになれたみたいなんだけどね、元婚約者の彼はというとミールフィーみたいに幸せにはなれなかったみたい。
っていうのも、女性同士が彼を巡って争いになったらしくって。
ある時、彼を誰が得るかという話で大揉めになって、殺し合いが始まってしまったらしいの。それによって女性数名が重傷を負ったり死亡するといったことになってしまったらしくて、それが大問題になって。以降、彼は女性に近づくことを禁じられたらしいんだ。けど我慢できず女性に近づいて、それによって拘束され、九十年の労働刑に処されたんだって。
そう、つまり彼はまともに生きられる人生を失うこととなったんだ。
可哀想に……。
いやいや! 可哀想ではない! だってすべては彼の行いが招いたことなんだもの、当然。彼が可哀想、なんて、そんなはずがない!
でもま、ミールフィーが幸せになれたからそれでいいよ。
これで彼女が不幸になっていたら、さすがにちょっと私も辛くなってしまっただろうけど……。
でも彼女は今幸せだし純真な目をして笑ってる、だからそれでいい。
さて、そろそろ時間かな? ああそう、今日はミールフィーと待ち合わせをしているんだ。で、合流できたらお茶に行くの! 楽しみだなぁ。今の旦那さんとの良いお話、今日も聞けたらいいな!
◆終わり◆
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。
四季
恋愛
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。
どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。
今さら泣きついても遅いので、どうかお静かに。
有賀冬馬
恋愛
「平民のくせに」「トロくて邪魔だ」──そう言われ続けてきた王宮の雑用係。地味で目立たない私のことなんて、誰も気にかけなかった。
特に伯爵令嬢のルナは、私の幸せを邪魔することばかり考えていた。
けれど、ある夜、怪我をした青年を助けたことで、私の運命は大きく動き出す。
彼の正体は、なんとこの国の若き国王陛下!
「君は私の光だ」と、陛下は私を誰よりも大切にしてくれる。
私を虐げ、利用した貴族たちは、今、悔し涙を流している。
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
失礼な人のことはさすがに許せません
四季
恋愛
「パッとしないなぁ、ははは」
それが、初めて会った時に婚約者が発した言葉。
ただ、婚約者アルタイルの失礼な発言はそれだけでは終わらず、まだまだ続いていって……。
婚約者を奪えて良かったですね! 今どんなお気持ちですか?
四季
恋愛
「お姉様、申し訳ありませんけれど、ダルビン様はいただきますわ」
ある日突然腹違いの妹からそんなことを告げられた。
気付いた時には既に婚約者を奪われていて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる